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音がこわいMRI

2024年2月16日
ついに本格的な検査がはじまる
12月末の再検査から約2ヶ月、長かった。

その日の検査は午後。午前中仕事をこなして駆け足で向かう。その急ぎっぷりは到底病人には見えないだろう。予約時間ギリギリに滑り込めた。セーフ!

早速検査着に着替える。朝から頭痛があったが投薬は控えていたことを告げると「お薬飲んでいいですよ」と。すぐさま2錠流し込む。

検査室の前で待つよう言われた。高齢の男性と、少し離れたところに女性が普段着で座っていた。あの方たちは検査着じゃないんだ。別の検査か?なんて思って初めての経験にワクワクじゃないが好奇心丸出しでキョロキョロしていた。ほどなくして…

音が怖い

検査室から大きな音が聞こえてくる。けたたましい音、低い音、普段聞かない音の種類。その音をじっと聞いているとどんどん怖くなってきた。

こわい

怖いと思ったら最後、こわいこわい。いったい何をされるの?怖い。手がふるえてまた涙があふれる。メンタルが弱っているから余計に。

しくしく泣いていたら私の番。
検査が終了して出てきた女性は高齢の男性にそっと寄り添われ帰っていった。あ、あの普段着の方は付き添いの方だったのか…。いいな。

「検査は初めてですか?」と技師さん。
「はい、すべてが初めてです」と私。
「造影剤を途中で入れますので、冷たい感覚が伝わると思います。入れるときにはお知らせします、大丈夫ですからね!腕見せてくれますか?」採血の気分で差し出したが、そうかこれは採血じゃなかったと改める。

造影剤の管が痛い訳じゃないがずっと涙が止まらない。私よりうんと若い技師さんがそっと肩に手をおいてくれた。音が怖くて泣いていることを伝えておく。「大丈夫ですよ」と。

胸を指定の位置におさめたら耳栓をしてくれた。遠くでまだ音は聞こえるが、大丈夫と言い聞かせる。

検査の最中、どうしてこんなことになったんだろう。私のどんな行いが悪くてこんな目にあっているんだろう。そんなことをボーッと考えていたらまた泣けてきた。
そして、どうか何も悪いものが写りませんように…と願った。

30分があっという間だった。

帰り道に本屋さんに立ち寄った。
乳がん治療について書かれた本を見つけた。一通りながめてそっと棚に戻した。

私はまだ悪性と決まった訳じゃない。
やめよう!

無心になれる餃子が作りたくなって
材料を買って帰った。
その日の餃子は形がイゴイゴになってしまってた。







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