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アークナイツ合同記事 「オペレーターのモチーフについて 後編」

ニアール

アークナイツwiki 耀騎士ニアール

【注意】この考察はあくまで非公式でネタバレや私見を多く含んでいます。また、著者自身もこういったことをするのに慣れていないので、至らない点があっても優しい目で見ていただけると助かります。

騎士について

 二アールのモチーフについて考察する前に、カジミエーシュにおける騎士というものを話していきます。
 現在カジミエーシュにおいて騎士というものは2つに大別できます。
1つは、国防を担う軍人としての騎士「征戦騎士
 もう1つは、騎士競技に出場する競技者としての騎士「競技騎士
どちらも騎士ではありますが、性質は大きく異なるものです。

これはそれぞれの騎士の所属する組織の性質によるものでしょう。

競技騎士

 騎士競技は大企業によって構成される「商業連合会」という組織によって主催されているため、「競技騎士」は「商業連合会」の管轄に入ります。そして、「商業連合会」はあくまで企業によって構成される組織のため、その本質は利益を生み出すというところにあります。
 よって、「商業連合会」にとって「競技騎士」は各企業の一種の広告塔のような存在であると考えられます。現在におけるプロスポーツ選手のようなものでしょう。

征戦騎士

 「征戦騎士」は「監査会政府」の管轄に当たります。よって、目的とされることは旧来の騎士の流れをくむ、国防などを担う軍としての役割となっています。
 また、立場上「監査会政府」は「商業連合会」の対立組織ではありますが、その軍事費の多くは商業連合会から出ており、対立組織でありながらその立場は苦しいものと考えられます。

二アールのモチーフ

 二アールのモチーフとなっている生物は昇進2の画像からもわかるようにペガサスとなっています。
 ペガサスはギリシャ神話に登場する生き物であり、鳥の翼をもち、空を自由に飛ぶことのできる馬とされています。
 ペガサスはその姿より「自由」の象徴とされ、ローマ時代においては星座として永遠に生き続けるといった意味から「不死」、貴族の紋章学上では「教養」や「名声」のシンボルともされています。

 耀騎士としての二アールはこれらの象徴すべて、余すことなく適した存在でしょう。

自由

 ロドスでの二アールは、仲間を守るために自身の戦闘時のパフォーマンスを制限しても高い防衛機能を有した装備を着用することを重視し、アーツを治療にのみしようするという、いわば仲間を支える盾となる存在を担っていました。
 しかし、耀騎士としての二アールは、信頼できる鍛冶師と大切な妹によって作られた二アールのポテンシャルを十分以上に発揮できる装備を着用し、アーツを攻撃にも転用するという、いわば仲間に支えられた最高の矛ともいえる存在となっています。

 これはイベント「マリア・二アール」において

 マリアのこの発言によって仲間を庇護するだけでなく信頼する、ということに気づかされたが故の心境の変化によって生み出された戦闘スタイルの変化だと考えられます。

 この時、初めて二アールは仲間を信頼し、自分の求める信念に向かって「自由」に羽ばたく、というペガサスの象徴を獲得したのだと考えています。

教養

ドクター、その……コホン、務室に入らせてはもらえないだろうか?大量の蔵書があると聞いているので。

二アールのボイス

 このセリフから二アールは本好きであるということが伺えます。

 また、二アールのプロファイルにある能力測定の欄を見ればわかりますが、戦術立案が優秀とあります。さらに、アーツの治療技術には一定の知識が要求されることも他のオペレーターのプロファイルから読み取れます。
こういったところから二アールは広い範囲の教養を持っていると推察できます。

不死

 二アールは堅牢な盾の役割をこなすことはできますが、決して不死ではありません。これは彼女の堅牢さ、というよりは彼女の心の強さ、信念の強さにこの象徴は表れているのでしょう。

 二アールは一度、耀騎士として騎士競技のチャンピオンとなりました。
 しかし、感染者であることを秘匿していたということから、カジミエーシュを追放され、再び戻ることは難しい。つまり、カジミエーシュにおいては死んでいると言ってもいいような立場にありました。

 しかし、二アールは再びカジミエーシュに立ち、無冑盟や商業連合会からの死客、血騎士と壮絶な戦いを繰り広げ、最後にはそれらすべてに勝利することでで再びチャンピオンという立場に返り咲きました。

 そして、かつての耀騎士と同じように「大地を照らす崇高な存在」という子供の様な夢を目指し続けています。
 しかし、かつての耀騎士とは違い、ロドスや使徒とともにこのテラの大地を覆う影を直視し、向き合い続けた今の耀騎士は、もはやこの大地の災厄が相手でも、決して信念が折れることはないでしょう。

 二アールは信念が朽ちない限り何度でも立ち上がります。ゆえに、「不死」というペガサスの象徴はこの上なく二アールの信念の形を表しているのではないでしょうか。

名声

 二アールは「耀騎士」、カジミエーシュの騎士競技のチャンピオンであるため、輝かんばかりの名声がその身には向けられているでしょう。
しかし、誤解してはいけないのは二アールはただ自身の欲のためだけにその名声を得たのではない、というところです。

 その名声は二アールの一言を、行動を、立場を重くします。

 もし、今の二アールが感染者を助けるように動くと、多くの人が彼女に倣うでしょう。

 もし、今の二アールが弱きものを守る一言を話すと、多くの人がその言葉を心に少しでもとどめるでしょう。

夜明けはまだ遠いとシャイニングは言うが、いつか必ず失われた栄光を取り戻せると、私は信じている。

二アールのボイス

耀騎士二アール

 騎士としていうものは二アールにとって、ただの職業や肩書に収まらない重要な意味を持っています。だからこそ、二アールは古くからの騎士の在り方、つまり「騎士道」を重んじ、現在の「競技騎士」の在り方を否定しています。

カジミエーシュの騎士道精神は、苦しむ者たちに救いの手を差し伸べるために生まれたものだ……しかし今となっては、上層部の資金繰りの道具へと成り下がってしまった。これ以上の屈辱はない。

 この意思は、企業のスポンサーに頼らず、独立騎士としてメジャーに出場した二アールの行動からも解されます。

 では、二アールが重視する「騎士道における騎士」というものをかいつまんで見てみましょう。

PROWESS:優れた戦闘能力
COURAGE:勇気、武勇
DEFENSE:教会や弱者の守護
HONESTY:正直さ、高潔さ
LOYALTY:誠実、忠誠心
CHARITY:寛大さ、気前よさ、博愛精神
FAITH:信念、信仰
COURTESY:礼節正しさ

騎士に求められる美徳

 騎士道では、上記以外にも清貧、統率といったように騎士には多くの美徳や戒めが求められます。
 この騎士の道から見ると、二アールはこれらの美徳を体現した騎士の中の騎士といえる存在でしょう。

 しかし、今の競技騎士は「錆銅」オルマー・イングラーのように他者を侮蔑し、残虐な行為をする者や、「左腕」タイタス・トポラのように他の騎士を見下し、無力感を与える者、かつての騎士像からかけ離れた者たちも多くいます。
 高潔で「騎士とは大地を照らす存在である」という子供のような信念を貫き続けた二アールだからこそ、それらの歪んだ競技騎士や企業によって織りなされる「騎士競技」というものには真の栄誉はないと今も昔も思い続けているのでしょう。

 しかし、今の耀騎士は以前の耀騎士とは違う点もあります。

「栄誉あると言い難い競技場においても、そこで迸った激情は栄誉足りるものだった。真実からはほど遠いネオンライトに照らされた街並みでも、そこで生存のために集った友情は真実だった。栄光の欠片もないカメラが記録したものであっても、絶えずに上を目指し、己を鍛えてきた者たちは、栄光を受けるにふさわしいものだった。

 この真の栄誉などない騎士競技、虚に塗れたカジミエーシュという国の中にも、真実と呼べるものはある。

 影の中にも光はあるということに気づいた耀騎士が、これからどのようにテラの大地を照らしていくのか、それを見届け、支えていくのがロドスの役割なのではないでしょうか?

ニアールさんはロドスや感染者のためにたくさんのことをしてくれました。
彼女の選んだ道は、私には理解できますし、支えていきたいです。でも私たちは……
彼女がもっと公平な扱いを受けられることを願っています。
私たちにも、彼女のために何かできることがあるはずです。
――アーミヤ

二アールのプロファイル 昇進資料

written by すらいみー(https://twitter.com/slime_hobbies)


ナイチンゲール

ナイチンゲール昇進2

 ハローハロー。どうもDrペスティオです。今回は医療オペレーターナイチンゲールのモチーフ考察をしていきます。下記の項目にそって考察していきます。

  • ナイチンゲールというコードネームについて

  • フローレンス・ナイチンゲール

  • 小夜啼鳥

  • ペスティオの結論

それでは考察に移りましょう


【ナイチンゲールというコードネームについて】

 ナイチンゲールと、ナイチンゲールというコードネームには複数のモチーフがあると推察されます。

 一つはフローレンス・ナイチンゲール。

 もう一つはサヨナキドリです。

今回の考察ではこの二つがモチーフとしての関連性と、ナイチンゲール自身にどう反映されているのかを考察していきたいと思います。

【フローレンス・ナイチンゲール】

 様々なところで名前を聞く、言わずと知れた偉人です。
 1853年に勃発したクリミア戦争にて看護師として活躍し、偉大な功績を打ち立てた人物です。統計学の大本を作った、ナースコールを考案した、など様々な逸話がありますが、ここでは割愛します。

 ナイチンゲール、フローレンスはお互い医療従事者という共通点があります。

 クリミア戦争時のフローレンスの呼び名に『ランプの貴婦人』というものがあります。ランプを片手に夜回りを欠かさずした姿から付けられたもので、彼女の献身的医療を体現する呼び名です。
 この呼び名と同じものがナイチンゲールの基地スキルにあります。

 宿舎という場所も基地内では病棟に近い存在であり、病院内を回ったフローレンスと重なる部分があります。

【小夜啼鳥】

 小夜啼鳥はサヨナキドリと読みます。
 ハンス・クリスチャン・アンデルセンの創作童話のタイトルであり、また、このタイトルも『ナイチンゲール』とも呼ばれています。

 中国を舞台とした話であり、サヨナキドリが登場します。
 そしてサヨナキドリの英名も『ナイチンゲール』です。

 この童話の話の最後と似た流れが、ナイチンゲールの回想秘録『青い羽と歌』にもあります。
 大まかな内容ですが。

中国の皇帝が病気を患い、床に伏せっていると死神のような幻影が現れます。しかしそこへサヨナキドリがやってきて歌いだし、死神はその歌を聞いて何処かへと行きました。

ハンス・クリスチャン・アンデルセン作『ナイチンゲール』

子供が鉱石病にかかり、床に伏せっていますが、ナイチンゲールの治療アーツにより出てきた鳥が歌いだし、子供の鉱石病を抑えることができました。

ナイチンゲール回想秘録『青い羽と歌』

 皇帝=子供、サヨナキドリ=ナイチンゲール、死神=鉱石病
に置き換えられると私は思います。

 ナイチンゲールの昇進絵に映る鳥はサヨナキドリではなく、童話『青い鳥』に出てくる、青い鳥とされている【ハト】ではないかと思われます。

 青い鳥の教訓として「幸せはすぐそばにあっても、なかなか気がつかないもの」というのがあります。

 ナイチンゲールにとっての青い鳥は一体何なのでしょうか?

 いずれにせよ、プロファイルや昇進絵からナイチンゲールは未だ鳥籠に囚われています。
 鳥籠から出ることができれば、恐らく、近くにいる幸せに気づけるのではないでしょうか。

【ペスティオの結論】

 ナイチンゲール、フローレンス。お互い医療従事者として患者の治療に情熱を注いでいます。
 お互い自身を犠牲に治療を患者に施しているところが重なるところがあり、そう考えればナイチンゲールというコードネームはぴったりなのではないでしょうか。

 回想秘録内ではナイチンゲール表記ですが、シャイニング、ニアールからは「リズ」と呼ばれています。
 恐らくナイチンゲールというコードネームはロドスへ来てからつけたものであり、サヨナキドリという意味で『ナイチンゲール』とつけたと思われます(大陸版の表記は夜莺とサヨナキドリを表している)。
 しかし図らずともフローレンス・ナイチンゲールとのダブルミーニングになっているわけです。

 余談ですが、貴婦人という言葉は位の高い家の女性を指すものです。
 フローレンス自身はヴィクトリア女王や戦時大臣と関わりが持てるほどの大金持ちであり、貴族――即ち貴婦人です。
 もしフローレンスの経歴だけでなく、身分もモチーフに含まれているのであれば、ナイチンゲールはもしかするとサルカズ族の貴族、あるいは位の高い人物の縁者なのかもしれません。

written by ペスティオ(https://twitter.com/oixetien)


ケルシー

アークナイツwiki ケルシー

注意】この考察はあくまで非公式でネタバレや私見を多く含んでいます。また、著者自身もこういったことをするのに慣れていないので、至らない点があっても優しい目で見ていただけると助かります。

 今回はケルシーのその中でもケルシーのモチーフになっているものに着目して、考察させていただきたいと思います。
 しかし、皆さんご存じの通りケルシーは謎が多い人物であり、ぶっちゃけてしまいますと正直よく分かっていない人物です。しかし、よくわからないからこそ考察のし甲斐があり、各個人によってケルシーはどういう人物なのか解釈が変わる人物でもあるでしょう。

 この記事がそういった皆さんの考察の一助となれば、と思います。

ケルシーのモチーフ

 ストーリーやケルシー本人のプロファイルといったアークナイツのゲームの中からだけでは正直ケルシーのモチーフとなった生物は分かりません。
 ここで、2015年に投稿されたケルシーの原型と考えられる海猫氏のキャラクター「Kal'tsit(カルシ)」からケルシーのモチーフとなった生物を見ていきたいと思います。

 下記リンクのキャラクター「Kal'tsit(カルシ)」のすぐ下には「LA GREAT LYNX」という表記がされています。

「Lynx」ケルシー

 「Lynx」は「オオヤマネコ」という種族を意味しています。
 オオヤマネコは短い尾に耳の先にふさふさとした特徴的な黒毛に雪上を歩くための厚い肉球のついた脚、顔に長い髭が生えています。

 ケルシーも耳の先の毛が少し黒くなっおり、オオヤマネコの特徴を表しています。

 また、ギリシャ神話、北欧神話、北米神話など様々な神話でオオヤマネコは捉え所のない神秘的な生物として描かれ、重要な役割を度々担っています。
 アメリカのインディアンの文化でも、オオヤマネコは「神秘の番人」と考えられており、真実を見抜き、物を透視するという超自然的な能力を持つとも信じられていました。

島の住民たちが残した資料とあれとは完全に一致した。我々の悲しい推測が現実となったのだ。

ケルシーのプロファイル 第二資料

 ケルシーのプロファイルでは未だ謎の多い「大いなる静謐」の本質を見抜いていることがほのめかされています。

 また、イベント「遺塵の道を」でもまたウルサスの近衛兵、皇帝の利刃の力の源を熟知しているかのような描写が見られました。

 ケルシーが上記のように、秘密を見抜いていると考えられる描写は他にも多く見られます。こう考えると、ケルシーという人物はアークナイツの様々なストーリーのつながりを紐解くカギであり、同時にその秘密を守り通している番人ともいえるでしょう。

 その番人の持つ秘密が明かされた時こそ、アークナイツの世界の本質が見えてくるのではないでしょうか?

「Mon3tr」のモチーフ

 上に記載されているケルシーの元ネタとなったと思われるキャラクターの名前「Kal'tsit(カルシ)」の下には「La Great Lynx」と表記されています。
 「Great Lynx」は、五大湖周辺の北米先住民族の神話に登場する水生生物の名前と一致しており、一部の一族では古くより全ての水生生物の主人だとも考えられていました。

 「Great Lynx」は巨大な猫の頭と脚がありますが、体は鱗で覆われており、背中から尾にかけて短剣の様な棘が生えているとされています。

 ケルシーのパートナーともいえるMon3trも剣の様な棘がある鉱石の様な鱗に覆われた生物であり、基本的にケルシーの脊髄、つまり背中から尾に当たる位置に潜んでいるとストーリーに記載されています。
 さらに、いくつかの描写からMon3trの思考力はケルシーというフェリーンに依存しているとみられます。

 そう考えると、Mon3trは猫の頭を持つ化け物というような見方も出来るのではないでしょうか?

 そして、この考察から、ケルシーは神話の生物をモチーフとしていると考えられないでしょうか?

ケルシーと神話生物

 現在、ニェンやAUS、アビサルなど、アークナイツにおいて神話の生物をモチーフとしている、もしくは神話の生物の血に関連していると考えられる人物は数人います。
 AUSなどの人物に関してはいまだ情報が少ないのでわかりませんが、それらの人物は、全員がアーツ適正の欠落といった特徴を有しています。

 さらに、騎兵と狩人においてAUSとケルシーが近い存在であることもほのめかされました。
 もしこの特徴が神話に関連する者たちの共通点となるのであれば、それに近しいと考えられるケルシーの本来のアーツ適正は欠落なのかもしれません。

 資料の上では、ケルシーのアーツ適正は標準となっていますが、プロファイルによるとケルシーの診断結果は他者を交えず、ケルシー自身によって行われた診断の結果となっています。
 つまり、ケルシー本人がやろうと思えば、いかようにでも診断結果を改竄することができるということです。

 ケルシーがもし、この考察にある通りの人物なのだとすれば、ケルシーはエーシェンツではなく、ニェンたちと同じような神話の存在なのかもしれません。

written by すらいみー(https://twitter.com/slime_hobbies)


終わりに

 以上を持ちました、本記事は終了となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

 最後となりますが、私たち「ロドスの図書館」はいつでも参加希望者をお待ちしております。参加をご希望される場合は、下記リンクよりお願い致します。

https://discord.gg/aj7RQMX8Nx

 重ねてとなりますが、最後までお読みいただきありがとうございました。次回はまだいつになるか決まっていませんが、よろしければまたお読みください。

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