どんなに評価されてもキャリアに満足できない女たち
最近、周囲の働く女性がみんな同じことを言っているのに気がついた。
会う人会う人同じことを言うので、さすがに怖くなってくるほどだ。
「私…このままこの会社で定年迎えたとして、振り返っても全然達成感ないんだよね…」
この一言を聞くたび、私は首が千切れんばかりに頷く。
長年モヤモヤしていた気持ちが、30代半ばになりいよいよ切実性を持ってきた感覚だ。
私だけじゃなく、彼女たちに共通するのは
今の会社やそこでの立場、人間関係、報酬が不満なわけではない、ということ。
それなりに期待され、納得のいくポジションを手にし、人間関係にも恵まれている。
今すぐ辞めたいとかそういうわけじゃない。
でも、心のどこかで「このままじゃダメな気がする」と思っている。
側から見たらなんて贅沢な悩みだと批判されるだろう。
だから彼女たち(そして私)はこのことを、同じ匂いのする誰かにしか話せないのだ。
あるキャリアカウンセラーの方に聞いたことだが、このような形で自分のキャリアに疑問を持つのは圧倒的に女性に多いらしい。
逆に言うと、男性は、ある程度の報酬とそれなりの地位、人間関係が構築できている職場に対して、あまり疑問を抱かない生き物らしい。
ここでは議論を単純化するために、あえて暴力的に男女の対比にしてしまうが、女性がこのような悩みを抱える背景に1番多くあるのが「誰かに貢献できている」という感覚を重視する度合いが強いからなのだそう。
お金をいくら積まれても、どんなに評価されても、それが自分が誰かの役に立てているという実感が伴わなければ、そこにいる意味がない。
まさに私だ。
まさに、私の友人たちだ。
上司が男性であった場合などは、特に、このキャリアの悩みというのは相談をしても理解されない場合が多いと思う。
男性が悪いわけではない。
そこにはただ、違いがあるのだ。
私自身まだこの闇の中にいる。
まだ何の出口も見えていない。
それでも、少なくとも同じような感覚、そして悩みを持つ女性たちとつながりながら出口を探していきたいし、その支援をお互いにできるような環境を整えるために何かしたいと切に思う。
それが、自分たち自身だけではなく、ひいてはこれから育っていく若い世代(特に女性)のキャリア構築や、いわゆるロールモデル探しみたいなものに、少し貢献できるような気配を感じている。
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