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真:競馬と俺とキルロード

 5回にわたって続けてきたこのシリーズもついにオーラス。
 
 長々と繰り広げてきたせいで完全に主題が迷子になってしまったが、元を正せば「僕はキルロードという競走馬のファンであり全力で推している」「でもホントのところ競馬は苦手」という一見矛盾した話を説明しようとしただけだ。こんなに尺が必要だったのかと我ながら思うけどね。
 ただ、ここまでの文章を今になって読み直してみても、話が脱線して余計なことまで書いた感はまったくのゼロ。僕にとってキルロードおよび競馬に対する想いというのはそれだけ強くて複雑なものがあるんでしょう。凝り性の粘着質であれやこれやと込み入って考えがちないちいちめんどくさい男なだけだという面も多分にあるが。うるせえほっとけ。
 
 さて。
 
 前回、ゴールドシップ(ウマ娘)が夢に出てきたことをきっかけにトレーナー業という名のゲームプレイを始めた、という所まで話し終えた。時期的には2021年の春のことだ。
 僕は基本的にミーハーのライト層なので、ソシャゲをやるときの基本スタイルは自己満足最優先、自分が楽しければ勝ち、無課金勢寄りの微課金勢なのだけれども、試みに有料ガチャを回したら一発でオグリキャップ(ウマ娘)も来たりしてね。オグリ(実馬)には90年の有馬記念から勝手に縁を感じていたこともあって「俺がこのゲームと巡り逢ったのは運命だ」みたいな気持ちになったものだった。いやまあ客観的にはどう考えたって単なる偶然と錯覚なんだけど。
 なので、ウマ娘はけっこう本気で遊び倒していた。
 ホントのガチ勢から見ればお遊戯レベルであることは承知の上だが、月に数千円程度の課金もコンスタントに続けていたはず。日々資金繰りに頭を悩ませている貧乏フリーランスとしては心血を注ぐ覚悟だったと言っても過言ではない。いやごめんやっぱさすがに過言かも。過言だね。うん。あくまで個人の心情として、と受け止めてほしい。
 あと、過去のエッセイでもちょっと触れたんだけど、この頃って新型コロナに罹患したとおぼしき体調不良とその後の後遺症に苦しんでいた時期と重なってるんだよね。全く仕事になんなかったから寝てるしかなくて、SNSを見てるかウマ娘を遊ぶしか出来ることがないという事情もあった。
 
 そうして、半月だか一ヶ月だか過ぎた頃だったろうか。
 

2021年5月30日 第88回日本ダービー

 なにかにハマると「原作」だの「元ネタ」だのに興味が湧いて、いろいろ調べ回ってしまうのがオタクの常というもので。
 この場合は現実リアルの競馬がそれヽヽに当たるわけだけど、僕が生まれて初めて競馬のテレビ中継をちゃんと見てみようと思ったのが21年の日本ダービーだったのね。
 
 といっても、この時はまだ「自分がハマっているのはウマ娘であって馬ではない」という気持ちが強かったかな。世代最強と目され一番人気に推されながらハナ差で敗れたエフフォーリアも、逆にハナ差で勝って本年のダービー馬となったシャフリヤールも、そしてそれぞれの鞍上を務めた横山武史騎手も福永祐一騎手も、当時の自分にとっては「知らん、何ソレ」状態である。今思うととんでもない話だが。
 
 けれど、永元千尋個人としても、この年のダービーは特別だったのだ。
 なにせこのとき初めて競馬が「わかる」と感じたんだもの。

 そもそも論になってしまって恐縮だが、競馬は初心者がインスタントに楽しめるような娯楽ギャンブルではないんですよ。
 馬産者も、馬主も、厩舎陣営も、騎手も、みんなプロ中のプロ。馬券を買うファンの側も「半世紀ずっとターフを見守ってきました」みたいな筋金入りが珍しくない。スポーツ紙を始めとするメディアの情報もそうした人たち向けにリリースされるから、何の説明もなく「テン」だの「終い」だの「ハロン」だの専門用語がバンバン出てくる。いわゆる馬柱なんかも何が書いてあるのかサッパリ。めちゃめちゃヒリついたガチ勢だらけのガチゲーなのである。
 
 そのはずなのに、「わかる」と感じてしまった。
 
 中継局はNHK。パドックから丹念に放送して元調教師の解説者が一頭一頭の仕上がりや状態を丹念に伝えてくれる。そして騎手入場、乗馬。ゲートインして発馬。レースの流れ。完全には理解できなくても、全体としてはなんとなく把握できる。なぜか。

 言うまでもなくウマ娘をやっていたおかげである。
 
 キャラ育成ゲームとして普通に遊んでいただけのつもりが、競馬という競技ゲームの基礎と概要を知らず刷り込まれていたわけだ。
 実際、ウマ娘がリアル競馬のチュートリアルになって馬券を買い始めたというゲームオタクの数は相当な数に上るらしく、数字にもはっきり出ているらしいよね。
 ここではあくまで僕個人の話に限るけれども、もともと馬という動物に親しみを感じていて、乗馬の経験もあって、オグリキャップのラストランになった有馬記念も当てたことがあるわけだから、競馬への興味はそこそこあったと言っていい。なのにずっと実際に手を出してこなかったのは、現実問題として競馬が「わからない」からだったわけ。
 
 それが「わかる」となったなら────
 

2021年6月27日 第62回 宝塚記念 (G1)

 ネット経由で馬券を購入できるようJRAのアカウントもしっかり取得し、いっぺん本気で競馬をやってみようと意気込んで挑んだ最初のレース。それがこの年の宝塚記念である。
 ほら、宝塚記念といえばゴルシ、ゴルシといえば宝塚記念じゃないですか。いい意味でも悪い意味でも。夢の中にゴルシそっくりの姿をした女性が出てこなければ自分はウマ娘をやらなかっただろうという奇縁もあって、あれはきっと競馬の女神様にお招きをいただいたのだという妙な内的確信があったのよ。
 
「もしかしたら俺、ここで大当たりする運命なのでは……?」
 
 とか思っちゃったワケなのよ。

 実際に買った馬券はかすりもしなかったが。

 
 ただ、この日、自分にとって肝心なのは、宝塚記念じゃなかったのだ。

 競馬をやらない人でも「日本ダービー」だの「天皇賞」だの「有馬記念」だの、いくつか有名なレースがあることくらいは知ってるものなんだけど、それ以外のことはホント知らないものだよね。
 たとえば中央JRA主催のものだけでも、毎週土曜と日曜に朝から夕方までかけて1日12レース(土日あわせて24レース)やってるとか。もっと正確には、関西の競馬場でレースやってる同日に関東や中京の競馬場でも同じようにレースが開催されるから、48~72レースが毎週のように行われてるんだけどね。なお、ダービーや宝塚記念みたいな有名なレースは、それらの中でも国際的に取り決められた基準を満たす「G1」だけを指します。
 
 少なくとも僕は、実際に競馬をやってみるまでこの辺のことは一切知らなかった。
 NHKの競馬中継でも、ダービーやる日はダービー以外放送しないしね。ウマ娘やっててもまァわかんないよな。G1やG2の格付けはギリ理解できるにしても、育成中のウマ娘が出られるレースは半月に1回が限界。まさかリアルの競馬は半月の間に100レースもやってるなんて思わないじゃん?
 
 だから、気付いたときホントにびっくりしたのよ。
 関西で大々的に宝塚記念(G1)やってるのとほぼ同時に、東京府中の競馬場でもレースをやってたのかと。なんだかテレビの裏番組みたいだよね。実際に競馬ファンからも「裏レース」なんて呼ばれてるみたいだけど。
 
 で、その「宝塚記念の裏レース」の名前が────
 

2021年6月27日 パラダイスステークス (L)

 格付けは「L(リステッド)」。いわゆる重賞ではないけれど、その日の東京競馬場の開催としてはメインレース。距離は1400m。ちょっとマイル寄りの短距離で、瞬発力プラスアルファが求められることになる。
 
 で、このレースの出馬表を見ていたとき、内田博幸騎手ウチパクさんが出ていることにハタと気が付いた。
 
 内田騎手といえば、ゴールドシップ(実馬)の鞍上を務めた主戦騎手のひとり。ウマ娘のゴルシは競走馬や厩舎や騎手のエピソードをまとめて架空のキャラクターとしてまとめあげた存在だから、僕の中では半分くらいゴルシが走ってるようなものだと感じたんだな。これは推せる。
 でも、内田騎手だからってすぐ馬券を買うほど安直ではないのよね。実際に走るのは騎手じゃなくて馬だもの。そっちの情報を確認してみないとさ。

キルロード(Kir Lord) 6歳 せん馬
父 ロードカナロア 母 キルシュワッサー 母父 サクラバクシンオー

 おお、バクシンオーはわかるぞ。ウマ娘にも出てくるからな。委員長の孫かあ。でも他はなんもわからん……特に「せん馬」ってなんや?

去勢された馬のことである。競走能力はあるが気が悪く、成績の上がらない牡馬は、去勢すると従順になって成績が上がることがある。

JRA 競馬用語辞典〔せん馬〕

 ふむふむなるほど……つまり。

 強制女体化ってことか!(違う)

 
 騎手はゴルシに縁が深い人。走る馬はTSッ子。これは買ってもいいな!
 そう思った次の瞬間、僕は単勝1000円を躊躇いもせずブッ込んでいた。ちなみにこの日のキルロードは10番人気でオッズ26.4倍である。
 いやあ、初心者って怖いよな! こんなのちょっとでも競馬に詳しい人ならとうてい怖くて買えないよ! 普通に考えたらスっておしまいだよ!

勝ち申した

 10番人気、オッズ26.4倍を、1000円の単勝一点買いで的中。
 表の宝塚記念で負けた分をチャラにしてなお余る大勝ち。

 自分、どう考えても競馬の女神様に愛されてるわ。

 
 でも、この配当以上に。
 この時の僕の心を鷲掴みにしていたのは……。
 
 キルロードの走りっぷり。
 
 スタート。ゲートが開くや否や弓弦から放たれた矢のごとく猛然とダッシュして先頭ハナを奪っていく。あまりにも鮮やかだったのでこの時点でもう目が点だった。これホントに10番人気? マジで?
 同馬はそのままトップを走り続け、3コーナーから4コーナー、そしてゴールへの直線に向く。
 でもね、競走馬が全力で走れるのは1000mくらいが限度なのよ。14000mずっと全力疾走というのは物理的に無理なんですよ。
 当然ながらキルロードはやがて力尽き、ずるずると順位を下げ始めた。ああ、ダメか、やっぱ素人が思いつきで馬券買ってすぐ勝てるほど甘くはないよな……と思ったそのとき。
 なんと、キルロードはド根性の粘り腰で再び加速を始めたのだ。
 
そして同馬は首位を奪還。二位以下を突き放し、そのままゴール板を一着で駆け抜ける……!
 
 いやあ、シビれたね。シビれましたわよ。
 
 乗馬の経験があるから、馬にもちゃんと意志があって気持ちで走る面があるというのは実体験で知ってるわけ。キルロードのやる気を促した鞍上の内田騎手の追いも凄かったんだけど(内田騎手に“豪腕”という二つ名があることを知るのはもう少し後になってから)それに応えた馬の方からも「おんどりゃああああアァァアァアァやったらああァアアァア!!!!」って声が聞こえてくるようだったよ。
 
 そうして、内田騎手とキルロードのコンビに惚れ込んだ僕は、次のレースも無条件で単勝1000円を買おうと決めたのだった。
 

2021年7月18日 福島テレビOP

またも勝ち申した

 こんなんファンになるに決まってんだろォ?!?!

 
 ただ、続く信越ステークス(2021/10)は9着。
 その次に出走した夕刊フジオーシャンステークス(2022/03)では6着。
 
 でもまあ、勝負事なんだから買ったり負けたりすることは普通にありますわ。全ッ然気にならなかったね。熱烈ファンのままだったよ。
 
 だって、キルロードは常に全力疾走だったから。
 
 何度も言うけど、馬にはちゃんと意志がある。鞍上の騎手がいくら鞭を入れようが、やる気のない馬は絶対に走ったりしない。体調悪くてやる気ないんだよねって時は露骨に手を抜く馬も珍しくない。そもそも競馬に出るのが嫌だ、コースを走らされるのも好きじゃない、みたいなケースも普通にあるのね。見てればだいたいわかるし、戦績にも数字になって出てくるのよ。

 でも、キルロードは違う。
 そのとき自分が出せる力を、常に出し切って走っていた。
 
 少なくとも自分の目にはそう見えていた。戦績にも数字となってはっきり出ていた。“やる気”と“実力”を併せ持った馬なのだと。
 だから、負けたときはいつも「買った方を褒めるしかない」か「レース展開が悪くて運がなかった」なのよ。キルロード自身はその時々でベストを尽くしてる。騎手との折り合いもいい。それで負けるのは仕方ないじゃん?
 
 でさ。
 
 そうやって一生懸命走っているキルロードを応援しているうち、競馬にもだんだん詳しくなってきてね。
 
 たとえばキルロードの馬齢。2022年になった時点で7歳。競走馬としてはもう旬を過ぎたと言っていい年齢ですよ。一般にせん馬は現役で走れる時期が長いと言われているけど(種馬として繁殖に回ることはないから必然的に現役時代が長くなるとか、去勢することで体質が牝馬寄りになり身体が柔らかくなるとか、複合的な理由がある)それでも人間で言うと30代半ばくらいなのよ。短距離走者スプリンターとしてはだいぶ厳しいよね。
 なんでそんな年齢で短距離を走ってるかというと、おそらく、キルロードが真面目すぎたんじゃないかなと。
 キルロードの経歴を見てると、若い頃は芝の中距離を走ってて、のちにダート転向、主にマイルを走ってたらしい。ホントに迷走もいいところ。ただ、どこでも上位に食い込んでて、そこそこ良い成績を残してるのね。勝ちきれないだけで。
 きっと、若い頃から素直で言うことをよく聞く馬だったんだろう。調教師や騎手の期待に応えようという気持ちは常にあった。だから陣営も考えあぐねたんじゃなかろうか。できれば王道の中距離、あるいはダートのマイル戦で活躍させたかった。
 そうやって「どこで勝負させるか」を迷っているうち5歳になってしまい、最後に辿り着いたのが芝の短距離。血統的には芝の短距離に向いてるだろうから、ここならいけるかも……みたいな感じだったんじゃなかろうか。
 
 でも、短距離に転向してからも、順調にはいかなくて。
 まだ若手のホープとして持て囃される前の横山武史騎手が乗って2度ほど勝ってはいたんだけど、それも4歳以上1勝クラスと4歳以上2勝クラスでの話。人間のプロスポーツで言えば2軍以下なのよ。そこからなかなか這い上がれない、勝ち星が続かない。悪い時には「スタート時に騎手を落っことして失格」なんてこともあった。
 陣営の人たちもいろいろ工夫したようで、ようやく歯車が噛み合って結果が出始めたのが2020年の末から2021年にかけて。僕がキルロードと出会ったレースが「まさにそのタイミング」だったわけ。
 
 そうして、地味にコツコツと勝利を重ね、賞金を獲得して。
 いつの間にやら“大きな資格”を手に入れていたキルロードは、一世一代の大勝負へ打って出ることになったのだ!
 

2022年3月27日 第52回 高松宮記念(G1)

 高松宮記念ですよ! 短距離重賞の最高峰のひとつ! G1だよ!
 出会った時には宝塚記念の裏レースだったうちのキルちゃんが、ついに表へ、檜舞台を踏むことになったんですよ! 推しのアイドルがついに武道館へ出たようなもんだ! ヒャッホウ!
 
 ……ただまァ、世間は全ッ然、キルちゃんを注目してなくて。
 
 1番人気は5歳馬。2番人気と3番人気は4歳馬。どちらも華々しく重賞を勝って鳴り物入りでG1に乗り込んできた花形スター。OPでコツコツと勝ち星を重ねてきた地ィ味ィィィィなキルちゃんなんて見向きもされてなかったよ。なんてったって18頭中の17番人気だもんな。
 
 個人的には、ベテランの内田騎手から若手の菊沢騎手へ乗り替わりになったのも残念だったんだけど、これは早々に受け入れた。そもそもキルちゃんが短距離で勝てるきっかけを掴んだのは2020年11月のみちのくステークス。内田騎手と初めてタッグを組んだパラダイスステークスの半年前。そのときの鞍上が菊沢騎手だったのだ。少なくとも人馬の相性は悪くない。
 
 17番人気でも、迷いなんか微塵もなかった。
 単復1000円ずつ応援馬券を買いましたとも。
 キルちゃんは来るよ! 絶対来るよ! 僕は信じてる!

 ごめん。ちょっとウソついた。
 
 この頃はもう、だいぶ競馬に詳しくなってたからね。他の有力馬にも目移りしてましたとも。枠番と脚質、過去の戦績からレース展開を予想するくらいの小技も身につけてたしね。そんな新米馬券師の目から見ても、正直、キルちゃんが3着以内に食い込む可能性は相当低いと思ってた。
 
 でもね。
 
 競馬にそこそこ詳しくなっていたからこそ。
 僕は逆に「悟り」を開きつつあったのだ。

 競馬は予想するな。推しを推せ。

 
 予想通りに来ることなんてそうそうない。外れて当たり前。だから競馬はギャンブルとして成立するんだよ。キモはむしろ負けたときに「スッても仕方がない」と思える馬を推したかどうかなのよ!
 
 ────そうして、ついに訪れる。
 高松宮記念。発走の時……!

 大激戦じゃねえか!!!!!!!!!!!!!

 一瞬いけたと思った! 勝ったと思ったよ! わかりますかわかるだろうこのレースを見るだけでもキルロードがいかに気持ちで走るド根性馬なのかが! なんせ17番人気が一瞬でもトップに立って最終的には3着入線なんだよ?! 大したもんだ! よくやったあああああ!!!!

なにせ17番人気! 3着でも配当45倍! すなわち45,000円の大勝利!

 ────ちなみに。
 高松宮記念の裏レース、中山競馬場のマーチステークスに内田騎手も出てらっしゃったんですけどね。ヒストリーメイカー号の鞍上で。

もう言うことないよな

 大事なことなので、もう一回繰り返すね。

 競馬は予想するな。推しを推せ。

 
 これは以後、自分が競馬と関わる上でのポリシーとなるのだった。
  

         ○

 
 キルロードに注目して熱烈応援している一年ほどの間に、僕の興味はほぼ完全に「ウマ娘」から「現実リアルの競馬」へとスライドしていった。
 もともと競馬にハマる素地はあったんだろうけど、本気で掘り下げ始めるとこんな奥深い世界もなかなかないのよ。JRAが公開している競走馬に関する情報をさらうだけでも一苦労。時間がいくらあっても足りゃしねえ。
 
 たとえば……そうだな、競馬ファンの界隈では「夏は牝馬を買え(or 冬の牝馬は走らない)」なんて俗説があるんだけどさ。
 実はこれ、科学的・統計的な裏付けがある話なんですよ。
 どうやら馬の生態として“性差”がモロに絡んでくる話らしくて。これを知った時はびっくりしたよね。その情報をJRAが公開してるという事実にも驚いたけど。
 
 あと、当時トップジョッキーの一人(後に調教師へ転向)だった福永祐一さんが、騎手目線から「競馬という頭脳戦」を解説していた〔教えて!福永祐一先生〕っていう番組があって。
 これがもう、めちゃめちゃ面白かったのよ。目から鱗の連続。
 本当にざっくりした感想で申し訳ないけど、騎手目線で見た競馬ってリアルタイムで盤上の駒が動き続けてる将棋みたいな側面があるらしいのね。だから、騎手の閃き一つで実力のない馬が勝つこともあれば、逆にどんな強い馬でもレース展開次第では「詰んで」しまうこともある……。
 それを感覚的にわかってるかわかってないかだけでも、競馬の見方は相当違ってくる。速い、遅い、強い、弱いとか単純な言葉ではくくれない、戦術的な意味での高度な「戦い」がそこにあるのだ。
 なお、レース後に競馬場で騎手に向かって「何やってんだこのヘタクソ! 騎手やめちまえ!」みたいな罵詈雑言を飛ばしてる手合いは騎手へのリスペクトがない時点でなんもわかってないただのギャンブル狂なので、白い目を向けてバカにしていいです。
 
 なもんで、日曜の午後に開催されるひとつのレースを本気で予想しようと思ったら……出馬表が発表されるのがだいたい前週の木曜なんだけど、そこから金、土はずーっと予想だけで時間が潰せちゃうんですよ。
 出走する10-18頭から有力馬を5頭くらいに絞り込むだけで何時間もかかる。個々の戦績とか過去のレース映像とかは最低限チェックしないと話になんないから。
 もしも競馬を指して「ものの数分で終わる刹那的なギャンブル」と思ってる人がいたら、ぜひ認識を改めて欲しい。そんな簡単なものじゃないよ。野球やサッカーを指して「ボールいっこ追いかけて何時間もヒマな奴らだな」とか言ってるのとマジで大差ないんで。
 むしろレース当日は「競馬という予想ゲームの最後の答え合わせ」に過ぎない。そこまでにトータル10時間以上費やすことも普通にあるし、人によっては5年とか10年のスパンで出走馬の曾祖父まで遡って予想の一助にしていることもある。わかりますかねこの意味が。レースそのものはわずか数分でも、その予想に10年の経験が活きてくるような世界なの。だから「ブラッドスポーツ」なんて言われるわけだ。
 
 他には、人間と馬の歴史に惹かれる面もかなりあったかな。
 人類が馬を家畜化したのは五千年くらい前らしいけど、そこからつい100年くらい前まで馬産と軍事は表裏一体。むしろバイクや自動車で置き換えられたこの100年前後が異常なだけと考えることもできる。馬がいなかったら人間は物流網を構築することができず、戦争の形も全く違っていて、今日のような文明を形成することはなかったという論もあるそうな。

 これは2021年のジャパンカップ。レースももちろん凄かったんだけど、個人的にはなによりレース後の勝利騎手インタビューが衝撃的でね。

 コントレイルに対し、福永騎手は「彼の尊厳」という言葉を使うんだよ。
 相手は馬だよ? 馬に対して「尊厳Dignity」だよ?
 福永騎手(調教師の先生や厩務員さんたちも)がどういう意識で相棒コントレイルに接していたか、その一言に現れてるよね。
 
 人間にとって、馬という動物は、常に動物ヽヽ以上のヽヽヽ何かヽヽだったんだ。
 
 中世の騎士Knightは必ず馬とセット。ナポレオンの肖像画にも馬がいる。モンゴル帝国。木曽馬。武田騎馬隊。洋の東西を問わず国運を左右するほど馬は重要な戦力だった。だから天皇賞なんてレースが存在するんだもん。国策として馬産を奨励していた時代の名残ですよ。
 そして今も、人馬が一体となって戦うステージが維持されている。それこそが現代の競馬である、というわけ。
 ギャンブルという要素が良くも悪くも大きいせいで、興味がないとあらぬ誤解を招きがちなんだけどさ。競馬の後ろにはものすごく大きなバックボーンがあるわけだ。すなわち人間と馬が長い年月をかけて積み上げてきた文化、科学、そして社会と歴史がね。
 
 もちろん、そんなバックボーンなんて知らなくてもいいんですよ?
 現に僕だって、最初にキルちゃんの馬券を買ったときは無知もいいところだった。妙な思い込みと根拠のない直感が全て。それでも充分に競馬は楽しめる。
 けれども。
 だとしても。
 僕はもう知ってしまった。そこに楽しみとロマンを見出してしまった。競馬の女神様に導かれるようにして「推しキルロード」にも出会った。追いかけちゃうよね。仕方ないじゃん。
  
 あと、アレだ。
 これはちょっと、やらしい言い方になるんだけど。
 
 ソシャゲとかだと月に数千円課金するとして、そのお金が返ってくることはまずないよね。基本的には消費するだけだし。
 でも競馬だと、同じ金額を費やして本気で予想してたらたまに数倍とか数十倍になって戻ってくるのよ。
 ホントにね、もう、やらしい言い方で恐縮なんだけど、どうせガチでやるんだったら現ナマで見返りがあるほうが楽しいじゃん???
 
 特にうちのキルちゃんなんてさあ! だいたいいつも人気薄で、そのくせ上位に食い込むレベルで好走してくれるからさあ! 当たった時の見返りが凄まじいんですよ毎回毎回!
 競馬が趣味の人ってだいたい回収率100%を目指してることが多いんだけどさ。1万円ぶん馬券買ったら買ったり負けたりしてトータル1万円が手元に残ると「やったね」って言われる世界なのよ。
 そういう意味では自分、今のところトータルで回収率を100%を下回ってないからね。ほぼほぼキルちゃんのおかげで。
 
 やっぱ、僕がウマ娘に手を出すきっかけになった例の夢、あれは競馬の女神様だったんだと思う。割とマジで。
 

         ○
 

 こうしてキルロードとの思い出を語っていると、なんだか良い事ばっかりみたいだよね。競馬の女神様に導かれるようにして、ウマ娘のトレーナーから現実の競馬へ進出。推し馬と運命的に巡り逢い、馬券も当たっててさ。
 
 良いことばっかじゃなかったよ。まァ当たり前だけど。
 
 キルロードは自分の中で最高の一等星で無限恒久永遠推しだけど、馬齢のこともあってそんなしょっちゅうレースに出てこない。2-3ヶ月に1度レースがあるかないか。
 一方、競馬は毎週のようにやってるわけ。最初に言ったけど中央JRAが主催するものだけでも土日合わせて48-72レースが行われていて、500-1000頭くらいのサラブレッドが鎬を削ってるんだよね。総数で言うと8000頭。地方競馬も合わせると単純に数字は倍化する。
 
 だから、キルロードの他にも、何頭か推し馬がいたんですよ。
 
 そのうちの一頭が、ヴァイスメテオール。
 2021年のラジオNIKKEI賞(G3)の勝ち馬。パドックを見てて「あきらかにこの子だけオーラが違う」と思って買ってみたら見事に勝ちまして。以後、きっと大成するだろうと思って、それとなく動静を追ってたんだけどさ。
 そのおよそ一年後、2022年6月。美浦トレーニングセンターの追い切り中に跛行、開放骨折で予後不良と診断され、競走馬登録を抹消。
 競馬に詳しくない人向けに言うと、練習中の怪我で死んでしまったの。
 骨折くらいで死ぬの?! って思うかもしれないけど、お馬さんって身体が大きいからね。骨がくっつくまで横になって寝てたら、身体の他の部分が圧迫されて壊死して敗血症とかになってよけい苦しんで結局死ぬことになるんですよ。だから安楽死の処置が執られるの。足の大怪我はそのくらい命に直結する大事なんです。
 
 アスクビクターモア。
 キルロードを管理していた田村康仁厩舎の同僚馬ということで注目するようになった。同厩舎の稼ぎ頭で、菊花賞(G1)を勝ったこともある。ちなみにこの厩舎における獲得賞金額第2位がキルロード。
 今後の活躍が楽しみな一頭だったんだけど、2023年8月、熱中症による多臓器不全で亡くなりました。
 
 もう一頭、最初に僕が競馬を見た21年の日本ダービーをハナ差で敗れたエフフォーリアも、主戦の横山武史騎手ともども応援してました。
 その後、10月の天皇賞と12月の有馬記念を華々しく勝利して、2021年の年度代表馬になったんだけど、22年は勝ち星なし。スランプと言っていい不調に長く悩まされて、復活を期して挑んだ23年2月の京都記念(G2)でレース中に心房細動を起こしまして。
 これ自体は一時的なものだと診断されたんだけど、また同じ症状を起こさないとも限らない。競走馬は時速60kmとか70kmとかで疾走してるし、騎手はその上に一切の安全装置ナシで乗ってるわけだから。次は他馬を巻き込んでハデに転倒、大事故・大惨事になることもありうる。
 なので、大事を取って引退、種牡馬になりました。
 引退が決まった時のインタビューで、横山武史騎手が子供みたいに泣きじゃくってた姿が今も忘れらない。記憶が確かなら「自分の半身を失った」という表現をしてたと思う。凄い馬だったのに、強かったのに、本当はもっと成績を残せたはずなのに。ちゃんと勝たせてあげて、華々しく引退させてやりたかった、という気持ちが強かったんでしょうね。
 

         ○
 

 前に僕は、オグリキャップとの思い出に言及したとき、こんな風に表現したことがある。

 有り体に言えば、田舎の人間にとって、自分自身と生活を守るために、あるいは娯楽などのために、他のいのちヽヽヽを利用したり奪ったりするのは至極当然のことなのだ。

2023年8月23日:乗馬と俺とオグリ1着

 ここまでおつきあい下さった読者の方はなんとなく行間から察していると思うんだけど、実のところ僕自身は、自分たちと動物の間にそこまではっきりした線を引けていない側の人間です。
 
自分の手で鶏をシメて猪を解体していたのはあくまで親父であって僕じゃないし、僕自身は気がついたら人生の半分くらい都会に住んでるし、この調子だと首都圏近郊、今も住んでいる埼玉のあたりで生涯を終えることになるんだと思う。ことさら言うほど田舎の人間じゃないんだよね。
 
 もちろん、自分の生まれ故郷が四国の田舎だという事実は変わらない。
 動物の権利アニマルライツなんて寝言はこの地球上から人間同士の殺し合いや貧富の格差を消し去ったあとにはじめて言うべきものだと思うし、人里に降りてきた熊や猪が殺処分されるたび「可哀相」だのと寝言を言う輩はまず自分の身ひとつで熊や猪と向き合ってみろと本気で思ってる。
 でも、それでも。
 人間の一方的な都合で毎年何千頭というサラブレッドが「生産」され、競馬という「娯楽」に参加させられ、時には気性が荒いからと去勢させられ、レース中や調教中に不慮の死を遂げる。それらに対してそれなりに思うことはあるよね。
 卓抜した成績を残して、名馬だと持て囃され、種牡馬や繁殖牝馬になることだって、果たして馬にとって幸せなことかどうかまではわかんないもんな。嫌々レースをさせられてる馬がいるなら、そんなに向いてないのにムリヤリ種牡馬や繁殖牝馬をさせられてる馬だっているだろうし。もちろんノリノリで種牡馬生活を楽しんでるヤツもいるけども。
 
 ホント、競馬っていろんな意味で大人の娯楽なんだと思う。
 
 人間と馬の関わり。歴史そのもの。そこに関わってくるギャンブルという要素。経済動物。僕たちが生きているこの社会の縮図が、競馬という娯楽の向こうにずっとチラチラ透けて見える。
 これはね、軽くないよね。重たいよ。胸焼けするほどに。
 考えようによっては、自分に都合の悪いところだけ上手に見えないフリをして、毎年のように誕生するスターホースたちの活躍に歓声を上げ続けていられるくらいが丁度いいのかな、とも思う。亡くなったり消えていったりする人や馬のことなんか右から左に流していって早々に忘れてさ。それも大人の処世術だよね。
 こんな言い方するとどこかから怒られそうだけど、ウマ娘なんてモロにそういうコンテンツだもの。ごくひと握りの、否、わずかひとつまみの「勝った馬」だけを見て物語化・伝説化・美少女化し、架空の世界で永遠の存在イモータルに奉り上げてるわけだから。
 でも、そうやって大活躍するごく一部の例外のおかげで、人が集まり、お金が動いて、公共事業やら引退競走馬の支援事業やらが回っていく。これは厳然たる事実なのです。

 みんなで寄ってたかっていのちヽヽヽをオモチャにしているという現実と。それをメディアが総力を挙げて物語化・伝説化していく虚飾の部分と。馬を人間以上の存在として接し「尊厳」を守るべく戦っている人たちがいることと。それらをひっくるめて実際に経済が動いて社会が回っているということと。
 矛盾してる要素が、同時並行的に成立しちゃってるわけだ。
 これはね、もうね、善悪とかの問題じゃないんだわ。この世界はそういうものであると了解し、喜びも悲しみもまるごと引き受けられる器が君にはあるか。そう語りかけてくるのが、僕にとっての「競馬」なのよ。
 何度も同じことを繰り返して恐縮だけど、本当にこれは成熟した大人でなければとうてい楽しめない娯楽なんです。
 ただ無邪気に騒いで楽しんで終わらせるわけにはいかない。どこかで襟を正して向き合わなければならない。いつも覚悟を問われている感覚がある。どんな結果が出ても引き受けられる大人でいられるか、と。
 
 だから、ちょっと苦手なんです。競馬。
 僕自身は、そこまで自分を「大人」だと思ってないんで。
 
 でも、そんな風に面倒臭く考えてしまう自分のことは、そんなに嫌いじゃないんだな。
 むしろ、そんな自分だからこそ、競馬の女神様がわざわざ夢の中にまでやってきてお招きくださって、分不相応に勝たせてくれた面もあるのかなと。そんな風に思っています。ちょっとだけ。
 

         ○
 

 2022年の高松宮記念の後、キルロードがどうなったかについても、軽く触れておく。

2022年6月12日 函館スプリントステークス(G3)

 以後は全て重賞なので、JRAの公式動画で振り返られる。有り難し。

 高松宮記念で17番人気が3着に飛び込んだということで、がぜん注目度が上がっていたんだけど。6番人気の6着という凡庸な結果でした。
 また、レース内容も良くなかった。鞍上は高松宮記念から引き続いて菊沢騎手だったんだけど、キルロードの得意な形に持ち込めず馬群の中に埋もれさせてしまい、最後は直線の叩き合いで斜行して過怠金を取られるという失態まで。菊沢騎手の若さ、経験の浅さが出てしまった感じ。
 キルロードを管理する田村厩舎としては、これを看過できなかったんだろう。すでに同馬は賞金獲得額で厩舎第2位の看板扱い。今後のレースは馬も騎手も猛者が集う重賞が続く。次の鞍上にはベテラン騎手を、という判断になるのも致し方なし。
 

2022年11月27日 京阪杯(G3)

 ベテランに乗り替わるのは想定内だったけどまさか福永祐一騎手だと思わないじゃん?!?!?!? 上のほうでもちょっと触れたけど、僕にとって福永騎手は「福永センセ」なんですよ! 競馬という「頭脳戦」の読み解き方を教えてくれた人なのよ! その人が最推し馬の鞍上だなんてこの世の奇跡か!

 結果は2着だったけど、これはもう勝ったトウシンマカオが強かったとしか言い様がない。なお、キルロード自身はこのレースで芝1200の最速タイム1:07.4をマーク。ずっと応援してる身からするとこっちの方がずっと嬉しかったね!
 ちなみに馬券も美味しかったです。前走で凡走したのが響いて「やっぱ高松宮記念はマグレだったのか……」みたいな空気になってたせいか10番人気だったからな! 複勝・馬連・三連複とトリプルヒットですよ! もうキルちゃんと福永先生の方に足向けて寝られない!!!!!!
 

2023年1月29日 シルクロードステークス(G3)

 ほんと競馬の人気って短絡的で刹那的だよね。前走に引き続き鞍上を務めた福永センセの人気を差し引いても5番人気ってどういうことなのよと。キルちゃんって短距離先行型で切れ味勝負の馬じゃないのに、15頭立ての13番なのよ? 外枠でめっちゃ不利なのよ?

 案の定、福永センセを持ってしても、枠番の不利から来るレース展開の渋さはどうしようもなかった。発馬直後から先団に取りつくのに足を使い、中段でも外々を回らされて、最後の直線ではもう粘る足すら残ってなかった。12着。こんな時もあるよね。致し方なし。
 それよりも個人的にキツかったのは、ほぼ同時期に福永センセが騎手を引退して調教師になることが発表されたことだったな。キルロードとのコンビはここでおしまい。またしても乗り替わりということになって……。
 

2023年3月26日 第53回高松宮記念(G1)

 一年経って、再び戻って来たG1の大舞台。
 これが中央JRAでのキルロードの「ラストラン」になる。

 15番人気の9着は、健闘した、と言っていいんだろうけども……。
 キルちゃんって、この時点で8歳なんだよね。
 今後、タイムが伸びていくことはまず考えられない。7歳の終わりに最速タイムを更新して1:07.4を叩き出しただけでもけっこう珍しいことだと思うしね。
 反面、トウシンマカオやナムラクレアほかライバルたちは伸び盛り。早々に重賞を勝ってトントン拍子に出世してきた若い馬たちも増える一方。

 馬主さんや管理厩舎としては、負けるのがわかってて出走させるわけにもいかなかったんだろう。
 キルロードはここで「現役引退」ということになった。
 
 振り返ってみれば、キルちゃん、重賞の勝ち星はひとつもないんだよ。
 惜しい局面は何度もあった。高松宮記念なんて勝っていてもおかしくなかったんだし。そうすりゃ歴史に名を残すG1馬。京阪杯だってトウシンマカオが台頭してこなければ。
 でも、そうはならなかった。ならなかったんだよ。

 実力はあった。やる気も十分。凡百の馬とは一線を画す成績も残してる。でも、誰もが認めるビッグタイトルは最後までひとつも獲ることができず、年齢というタイムリミットに引導を渡される格好で中央のターフを後にする……。
 そんなキルロードに自分自身を重ねていた、というのは言いすぎなんだけどさ。せめてひとつ、マグレでもいいから、重賞を勝ってほしかった。勝たせてあげたかった。最後はもう、その想いだけだったな────
 

         ○
 

 というわけで、一連のエッセイの最初に戻る。
 
 キルロードが大井競馬場・的場厩舎の所属で現役復帰することを「ビッグニュース!」と表現したことや、「嘘偽りなく正直に言うと、僕は競馬が苦手」と言った意味も、今ならだいたい納得していただけるんじゃないかと。
 
 ちなみに、10/4の東京杯(Jpn2)に出てくるんじゃないかという予想は外れてたみたい。南関競馬の調教試験をクリアしたのもつい最近(9/22)らしいので、キルちゃんの元気な姿を見られるのは早くても初冬とかになるんじゃないかな?
 
 いやあ、今から楽しみですな!!!!!!!!!!!!


2023/10/02

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