見出し画像

誰も知らない冒険の舞台へ、北海道美深町の旅

皆さんこんにちは。北海道が大好き、リーブルです。
『誰も知らないステキな場所に行ってみたい』旅が好きな人なら、そんなことを思ったこともあるのではないでしょうか?今回紹介するのはそんな冒険の舞台です。…いえ、『誰も知らない』なんて言ったらウソになってしまうのですが…人の少ない、アクセスも良くない小さな町。なのに不思議な魅力に溢れている。それが北海道北部にある美深町(びふかちょう)です。

美深町へのアクセス

札幌から国道12号等を通って旭川へ2時間弱、旭川から国道40号等を通って美深へ約2時間弱。鉄道では特急宗谷、または特急カムイ・ライラック+特急サロベツで行くことができます。
非日常を味わいに行くなら、交通手段には鉄道を使うとより良いとは思うのですが…到着後の交通手段に困るのは確実なので、自動車を使うのが無難でしょう。本当は特急列車の独特な雰囲気を味わっていただきたいところなのですが…

特急宗谷・サロベツ

町のシンボル 鐘の塔そびえる美深駅

JR美深駅

美深町のおよそ真ん中にあるレンガ造り風の美深駅。言ってみれば田舎の赤字路線の小さな駅…のはずなのですが。
美深町の中ではひたすら高くそびえる時計塔。頂上には鐘。特急で来れば、到着・出発に合わせて澄んだ鐘の音が響き渡ります。
見たことも無い冒険の始まりを予感させるような雰囲気を漂わせる駅です。
そしてもちろん、美深町自体その予感を裏切らない場所だらけなのです。

『何もしない』を楽しむホテル 青い星通信社

青い星通信社

「休みの日にやりたいことってさ、結局、
珈琲飲んで本を読むことぐらいだな」
そうか。それなら、
珈琲を飲んで本を読むために出る旅が
あってもいいんじゃないか。
それがいちばん贅沢な休日なんじゃないか。

青い星通信社オーナー星野智之氏『Hoshitsuruのブログ』より
https://ameblo.jp/hoshitsuru/entry-12443755408.html?frm=theme

酷寒豪雪の地、美深町。
豪雪地帯では、雪の重みで家屋が倒壊したなどという話も時折耳にします。
青い星通信社は、そんな過酷な土地で数十年にも渡って人の手無しで立ち尽くしていたレンガ造りの廃墟でした。
独特な風合いのレンガの魅力を生かしつつ、綺麗で快適なホテルに生まれ変わっています。
青い星通信社の建物は、美深という地を何より誰より知っている…そう言っても過言ではないかもしれません。

誰もいない、自分しか知らない草原の中の家で、のんびりゆったり過ごす。
そんな体験ができる場所がフィクションではなく現実にあるだなんて。
本は読み放題、コーヒーも飲み放題。まさに「珈琲飲んで本を読む」何もしない時間を楽しむための極上の空間なのです。

もちろん、お食事も出ます。上質だけれども、自分で作れそうにも思えるシンプルなお食事。
まるで世界の果てのような景色の中にある家。そこでどんな料理が出てきたら幸せだろうか…
その答えがこれなのだろう、と思います。

青い星通信社の周りは不思議と絵になる景色ばかり。
今まさに、物語の舞台の中にいる。きっとそんな気分に浸ることができるでしょう。

非日常の鉄道体験 トロッコ王国美深

トロッコ王国美深
(旧・国鉄美幸線跡)

現在では宗谷本線一本のみが通る美深町。しかし、かつてはもう一本鉄道路線が通っていました。
美深駅から東へ。すでにレールも路盤も撤去され、鉄道の痕跡など全く見えない田園地帯を抜け、山の中へと入ります。人の気配が感じられない山の景色の中に、鉄道路線が姿を現します。
旧・国鉄美幸線。かつて「日本一の赤字線」と呼ばれ続けた路線の跡です。

トロッコ王国美深はそんな美幸線の跡地を利用したアトラクション。片道5km、往復10kmの廃線跡をエンジン付きトロッコで駆け抜けます。

あたりは森の中、山の中といった景色が広がり、日本一の赤字線と呼ばれたのも納得という様子。
しかし、だからこそトロッコで駆け抜ける快感は格別です。
森の匂い、川の涼しさ、レールの音…非日常を思う存分味わえます。

トロッコ王国美深 事務所兼食堂

真新しい事務所兼食堂ではお食事をいただくこともでき、賑わいを感じます。
利用者が少なすぎて命を絶たれた鉄道路線は、今こうして人気のアトラクションとして活躍しているのです。
地元民でも何でもない私ですが、その光景には胸を打たれるものがあります。

『知る人ぞ知るピザの名店』 ビブリオテーク

「知る人ぞ知る名店」…魅力的な言葉ですが、今や陳腐な言葉でもあります。
知る人ぞ知る名店だったとしても、話題になってしまえばもはや誰もが知る名店です。
しかし、ここは町の名前さえ知る人稀な美深町。おまけに大通りから少し入った住宅街にひっそりと佇み、「偶然見つける」なんてことはありえないだろうという印象です。私もナビをセットしてここを目指したわけですが、二度ほど見逃してしまいました。
ですから、どれだけ話題になっても「知る人ぞ知る名店」であり続けるだろう。私はそう確信しています。

店内

少し不安になる外観の店内とは裏腹に、店内は綺麗で落ち着く雰囲気の大人の空間。
「これは美味しい料理が出てくるに違いない」そう思わせてくれるほどに内装にこだわりを感じます。

イカ墨ピザ
エゾシカ肉のサルシッチャ
ガトーショコラ ミルクジェラート添え

そして出てきた料理はどれも一切期待を裏切りませんでした。
東京や大阪でも勝負していけそうなほどに上質で美味しい料理。それが並の田舎ではない美深町で味わえる。というより…美深町でしか味わえない。なんてファンタジーなんでしょう。小説やドラマの舞台のようです。
それが現実に存在している。そんなファンタジーな街が美深町なのです。

知る人ぞ知る地ビール『美深白樺ブルワリー』

美深白樺ブルワリーのビール

『知る人ぞ知る』と何回言う気なのだろう。
言葉を陳腐にしたくないので何度も同じ言葉を使うのは本意ではないのですが、しかしこれも美深町でないと味わえないまさに『知る人ぞ知る』お店なのです。

美深白樺ブルワリー ホームページより
https://www.bifukashirakaba-brewery.site

青い星通信社と同じく、ここも元は廃屋でした。
赤レンガの倉庫を改装し、今ではレストランになっています。
私はビールを買って行ったことはありますが、レストランを利用したことは無いので、レストランとしての評価はまだ未知数です。
ビールのほうはとても独特で、美深町の名産品とも言える白樺の樹液が使われています。味はというと私はビールを味わう舌が肥えていないので正直よく分からないのですが、美味しいビールではありました。

あなただけの物語がきっとある、美深町へ

今回ご紹介した場所はいかがでしたでしょうか?
この記事を書き始める前、美深町のこととなるとたくさん書くことがあるな…と思っていたんですが。
書いてみたら「あれ、これだけ?」と思っている私がいます。
美深町は確かに不思議な魅力がある場所です。しかし、真に魅力的なのは場所そのものではなく、そこで体験できる物語なのかもしれません。
すなわち、場所だけ紹介すると「これだけ?」と思う場所で、私は山ほど魅力的な物語に遭遇したのだ、ということです。
私は美深町にも北海道にも縁もゆかりもありません。そんな私でもこのような経験ができたのですから、きっと皆さんも自分だけの物語に遭遇できるでしょう。
そう、『誰も知らない冒険』は、あなたが訪れる美深町にあるに違いないのです。

皆さんもぜひ、美深町で旅のひとときを過ごしてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?