「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stageがよかったというお話


「Japan 2.5D Stage Play World」を利用して、漫画「僕のヒーローアカデミア」(通称ヒロアカ)の舞台版『「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage』を見ました。アクション漫画で技の華やかさや独特の表現がウリのひとつの漫画なので「舞台、どうするのだろう」と心配していたのですが想像以上に面白く、いい舞台でした。というか、プレゼント・マイクの舞台回しがうますぎました。

現在、2・5次元舞台の海外普及のため、いくつかの作品に字幕をつけて配信する「Japan 2.5D Stage Play World」が行われています。「NARUTO」の舞台版に続き、配信されたのが『「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage』。


私、そこそこヒロアカ好きなんですよね。いろいろなところで漫画のレビューもかいています。東京漫画レビュアーズでは「地球存亡の危機を救うのは子どもであるべき? 少年漫画の常識を問う『僕のヒーローアカデミア』」というタイトルで書きました。

その中での舞台化。演出家も脚本家もなんなら音楽担当の方も不安はなかったのですが、なんといっても漫画は作者のアメコミ風の絵柄と必殺技の多彩さ、そしてその演出が人気の背景のひとつとしてあります。2次元を2・5次元にどうやるのだろう?と半ば恐る恐るだったのですが、想像以上に素敵な舞台でした。

ストーリーは原作の第1巻から●までです。



通常フォームとマッスルフォームのオールマイト


そもそも中心的キャラクターのひとり、オールマイトのあのフォームどうするのだろう?と思っていたのですが、なんと通常フォームとマッスルフォームで役者を分けるというミラクル技。最後のあいさつで初めて2人揃って出てきました。マッスルフォームの「キラリン」も素敵でした。


歌がいい!!!!

舞台版ヒロアカの音楽は「ハイキュー!!」の舞台版や「ミュージカル 刀剣乱舞」の音楽を担当された和田俊輔さん。私が勝手に追っかけている方のひとりです。なので「まあ、ハズレはない」と思っていたのですが、どのナンバーもすごく良かった。舞台版のヒロアカは「ミュージカル」とは言っていないのですが、何曲か役者が歌って踊るナンバーもありまして、これがどれも素敵なんです。

特にすごいなと思ったのは、緑谷出久ら雄英高校A組のメンバーがUSJでの訓練中、Villanに襲われるところ。Villanの音楽とオールマイトを称える歌のメロディーラインはすごい似ていたので「なぜだろう」と思っていたのですが、このシーンのためだったのではと思わされました。Villanに追い詰められ、Villanのテーマが流れているところでみながオールマイトを呼ぶところで曲が切り替わるーーシーンと音楽が見事にマッチしていました。


プレゼント・マイクがうまい。プレゼント・マイクだった

最近の2・5次元舞台は練習期間をしっかり取れるので、「舞台役者」「ミュージカル役者」として一定レベルはクリアしています。舞台版ヒロアカは一部の役者は「歌、もう少し頑張ろう!」となったのですが、全体としてはレベルが高かった。(まあ和田さんのかくナンバーは歌うのが難しいというのもあります)

特にすごかったのはプレゼント・マイク。原作通り、物語を動かす人なのですが、歌と演技とツッコミで舞台全体を牽引していました。というか見ないとわからないのですがほんと、プレゼント・マイクだったんですよね。


技の演出がお見事!!

で、気にしていた技の表現。これね、すごかった。ライトと音と音楽と映像をうまく組み合わせて「今、技を出しています」を観客にわからせる。そもそもヒロアカのキャラクターの技はパワーとか技をイレイザー・ヘッドの出させないとか目に見えないものもあるのですが、それもピンライトをうまく動かして「出している」を見せていました。ありがとうございました、という感じでした。個人的にイレイザー・ヘッドの捕縛布が好きです。


続きありますよね?


今回の舞台では雄英高校の体育祭までで原作では出てきているキャラクターも全員は出せないので、うまく外のキャラクターにセリフを振ったりしていました。原作を読んでいれば「あのキャラクターがいない」とわかりますが、原作を読んでいなければ気が付かないほど自然でした。

物語は雄英体育祭で終わったのですが、正直にいうともう少し物語ゆっくり進めてよかったのではないかと思いました。というか、続いてくれますよね?

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