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【北米エンタメニュースまとめ】中国SF「三体」コミカライズ、オックスフォード英語辞典「Isekai」などを追加、「ヒロアカ」が累計1億部突破、『ワンパンマン』モバイルゲームが世界を席巻

日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。

中国SF「三体」コミカライズへ

Netflixで実写ドラマが人気の中国SF「三体」が英語圏で漫画化されるそうです。SF小説はイラスト付きのほうが理解しやすいこともあるので、日本語訳きてくれないかなーと思っています。


オックスフォード英語辞典、「Isekai」などの日本語を新たに追加

オックスフォード英語大辞典が新たに23の日本語を追加したと発表しました。英国で人気の料理、「カツ」や、「お好み焼き」に加え、漫画・アニメからは「Isekai」が加わりました。「日本のファンタジージャンルで、キャラクターが違った知らない世界に転移させられるもしくは生まれ変わるもの」という意味だそうです。
実は英語圏の漫画・アニメの区分ではいま「少年漫画」「青年漫画」「少女漫画」「女性漫画」から「異世界」「日常もの」などにジャンルが変わっているとのことです。この意味で「異世界」というジャンル名は知名度が上がっているということなのでしょう。


TObooks、英語版プラットフォームを立ち上げ

TObooksの運営する漫画サイト「コロナEX」の英語版が立ち上がりました。日本と英語の同時配信で市場をとっていくというのは王道の戦略。特にTObooksは「本好きの下克上」という人気作を抱えているのでわかるのですが、話題になった要因のひとつは、サイトで一部の作品の英語が機械翻訳を使っていることです。英語圏では翻訳のぎこちなさもあり、漫画で機械翻訳を使うことに忌避感が強く、このサイトの取り組みにもX上では反発もみられます。

この対立についてはこちらの記事も詳しいです。


『ワンパンマン』モバイルゲームが世界を席巻、日本では未配信

data.aiが2024年2月のモバイルゲーム市場のデータによると日本の漫画「ワンパンマン」を原作にしたゲームがダウンロード数で1位になったとのこと。こちらのゲームはPerfect WorldとCrunchyroll Gamesによるもので、いまのところ日本ではまだ配信されていません。このような動きをみると、このIPがいかにグローバル市場で愛されているのかがわかります。


「ヒロアカ」が累計1億部突破、4割が海外

集英社が週刊少年ジャンプで連載中の「僕のヒーローアカデミア」について累計発行部数が1億部を突破したと発表しました。特筆するべきは、その4割が海外市場であること。もちろん日本でも人気ですが、海外の人気が日本市場と同じぐらいの重要さを持ちつつあるということを示したといえます。

こちらは「僕のヒーローアカデミア」のアニメ版を手掛ける東宝の社長の講演なのですが、東宝のアニメ事業の躍進にはヒロアカが一役かっており、海外配信会社からも高値が付いたそうです。


クランチロール、アニメ「怪獣8号」を日本と同時配信へ

https://www.fandompost.com/2024/03/26/crunchyroll-to-stream-kaiju-no-8-anime-live-for-the-first-time-alongside-japan-broadcast-on-april-13/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

日本のアニメが海外に進出しているといっても、やはり人気が出るものとそこまで人気が伸びないものはあるもので、この「怪獣8号」は日本の人気はもちろん、米国やフランスといった海外市場での人気・知名度が高い作品です。そのため今回のアニメ化でも配信権を獲得したクランチロールは力が入っており、日本の放送と同時に日本外でも配信するとのこと。初めての取り組みだそうです。これ、翻訳などを考えると制作の段階から配信会社にテキストなどはいっているのでしょうかね。

「世界のアニメファンは10億人に」 クランチロール首脳陣が語る、日本アニメへの期待

3月初めの「クランチロールアニメアワード」きっかけにクランチロール首脳のインタビューが各メディアに掲載されました。こちらはその記事の中でもかなり詳しい日本語のもの。クランチロールがインドを新たな市場として重視していることなど戦略がまとまっています。

「アニメの海外販売」とはどういうものなのか KADOKAWA担当者インタビュー

前述のクランチロールのインタビューにあるように、日本のアニメはプラットフォームを通じて積極的に海外ファンにアクセスしようとしています。しかしその実際の交渉はなかなか表に出てこずどのようなものかわかりにくいもの。こちらのインタビューはKADOKAWAで海外販売を手掛ける担当者のインタビューで、実務が少し見えてきます。

KADOKAWAはアジアとWestern territoriesの2チームに分かれ、ほかの企業にライセンスを販売しています。このライセンス販売は、増加するアニメの制作コストの一部を賄っているとのことです。もともとは海外企業にライセンスを販売するだけでしたが最近は日本から直接Xなどを通じて海外ファンにアクセスしているとのこと。そうした動きは一部の映画で英語の字幕をつけたPVを出しているという動きにも共通するのかもしれません。


英展示会「Cute」に見る、「かわいい」が現代社会に与える影響

英国の展示会「Cute」でアイコンにハローキティが使われているように、日本発のキャラクターのいくつかは「Cute」を象徴するものとして扱われているようです。こちらの展示会によると、日本語の「かわいい」が「キュート」が世界的な現象になるために不可欠な要素だったそうです。その起源を、イラストレーターの竹久夢二に置いています。


追加
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

気になるのは、DLSiteでのクレジットカードのVisa、Mastercardの利用停止です。こちらはもともと、米裁判所が児童ポルノの収益化を支援したとしてVisaの責任を排除しなかったという背景があります。

もちろん裁判の行方がどうなるか気になるところですが、株主を抱えるVisaとしてはリスクのある取引からは手を引くということになったのだろうなと思います。菊池さんもご指摘されているように日本の業界をあげての取り組みが必要になるのだなと思います。

今週はここまでー。引き続きよろしくお願いします。

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