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Positive peer-pressureとは?#0to1スタートアップのためのプログラムが面白そう過ぎた #あと、ミドルの孤独

企画部署の孤独

企画の仕事はそれなりに楽しい。定期的にマネージャーに進捗報告をし、レビューさえ受ければ、ある程度自由に仕事ができる。
でも、何だか最近テンションが続かない。悪い意味で仕事に慣れてしまったような気さえしている。なんなんだこの閉塞感は--

きっと「ミドル」とも呼ばれる企画部署の担当社員は孤独になりがちだ。

①:企画メンバーは、2つか3つのプロジェクトにつき中核メンバーとしてアサインされている
②:中核メンバーがプロジェクト進捗に実質的な責任を持ち、ゴリゴリと進めていく
③:責任範囲を明確にするためにも、1つのプロジェクトに中核メンバーは1人。他は承認者、レビュアー、ヒアリング対象者など

このようなプロジェクト体制を敷く事業会社は多いと思う。中核メンバーは責任感とやりがいを持ってプロジェクトに取り組めるし、「俺がやらなきゃ誰がやる」というラストマンシップも自然と発揮されやすい。複数のプロジェクトを管轄する上長も、各プロジェクトにつき1人のレビューに徹すればいいのでマネジメントしやすい。

ただし、中核メンバーがうまくプロジェクトに関わる人たちの熱量を上げられるか?という大きなハードルがある。そこに失敗すれば、1人で何でもやるメンバー+成果物レビューだけする上長+お客さま的な関り方をする人々 の構図に陥りやすい。

そして事実そうなってしまっていて「自分のプロジェクトに、自分はもちろん思い入れはあるが、それをうまくほかの人と分かち合えない。互いの受注を、毎週のように互いに喜び合えるフロント組織が一種うらやましい」という閉塞感を抱えている人は周りを見ても多いように感じる。

そんなことを感じてはいるものの、じゃあ他人のプロジェクトに深く入り込んで、一緒に成果物作成をし、熱量高くディスカッションしようか?というと微妙に手が回り切らないという現実もある。

この漠然とした孤独感・閉塞感・あいまいなテンションをどうにかできないものか?

チームで作る/チームたちが作り合うプログラム

漠然とそんな思いを抱えていたとき、ベンチャー投資家の並木裕太さんが書いた「ぼくらの新・国富論」という本に出合った。国内外のスタートアップの事例を紹介し、その大いなる可能性を描いたワクワク系の本だ。

同書の3章では、ベンチャーの「アクセラレーション」プログラム、すなわち、

有望なベンチャー志向のチームを集め
⇒固まり切っていない事業アイデア・プロダクトを徹底的に育て上げ
⇒投資家から資金調達をさせる

という一連のプログラムだ。Yコンビネーター社(YC社)の事例が紹介されていた。流れは下図の通りだが、とにかく楽しそうの一言に尽きる。

「やり切れるか?」のチームの強さ・人柄重視で参加70チームを選び、選ばれたチームは12週間、YC社のオフィスで合同合宿形式で、メンターの支援を受けながら自分たちの事業アイデア・プロダクトを磨き込む。
その12週間では毎週、全員が参加してのディナーがあり、相互に進捗・成果を報告し、互いを鼓舞し合う。時にはベンチャーの先輩を招いて講和を聴く。
そして最後のデモ・デイでは、招かれた投資家に対して各チームがプレゼンをし、商談を仕掛ける--という流れだ。

こうして書いているだけでも、熱量が高くてずいぶん楽しそうなプログラムだが、参加者が中でも大きな推進力になったとして挙げるものがPositive peer-pressure(仲間からのポジティヴなプレッシャー)だ。
週次のディナーで互いの話を聴きながら「あのチームはあんなに進んでいる」と互いの熱量を高め合い、それが全体として大きなエネルギーになる。

企画こそ、仲間内でプロジェクト報告をし合うべき

冒頭書いた通り、企画者は「自分のプロジェクトで手一杯」になりやすい。思い入れや熱量まで込めて、互いのプロジェクトにタスクメンバーとして入り込み合えたら理想だが、すぐにそうなれないこともある。

そんな環境でも、互いのプロジェクトのゴール・取り組み・進捗をカジュアルな場で共有し合うことはすぐにできる。そこには「XXの件で、XXに詳しいXXさんの意見を聞きたくて」というような他人行儀やお題設定は一切無用だ。純粋に互いの思い入れや進捗を共有しあう場でいい。

そして、その限られた場でだけは、評論家やレビュアーとして、ではなく、フラットな仲間として親身に同僚のプロジェクトのことをディスカッションする。

詰めるでもなく、ほったらかすでもなく、互いのプロジェクトが互いのプロジェクトを鼓舞できるようになれば、企画のどんよりした緩んだテンションも、すっきりと張りなおせるんじゃないか、と思う。

#企画 #仕事 #スタートアップ #ベンチャー #ビジネス

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