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遺品整理で発見!妹に託した死亡保険

20年も遺品整理の仕事に携わっていると
悲しい人生の末路を知ってしまうことがあります。

できることなら、知りたくもありません。
人が一生懸命に生き、
それでも、うまく立ち回れなかった
ただ、それだけなのに、

場所・性別・背景などは個人情報保護から脚色してかきますが、これからお話しするのは、実話です。
多くの人に呼んでいただというより、
書くことで、自分に貯めていた悲しみを吐き出しで
少し肩の荷を下ろしたいのかもしれませんね。

坂戸市のアパートに住んでいた50代の男性が
年が明けて間もなく
秋川渓谷で自殺されました。

独身でした。そのため四国に住む妹夫婦が
対応されました。
警察・身元確認・検視・ご遺体の引き取り・火葬など、年老いた母に代わり進めていました。

ご家族と相談のうえ、相続放棄を進めることに

遺品整理の依頼でお会いした妹さんのお話では

亡くなった兄は、坂戸市で風俗店を行っていました。でも赤字が続いて借金を抱え、少しづつ膨れていったのに違いないようでした。数年間、実家に帰省することはありませんでした。

借金のうわさを耳にしていたので、相続放棄を行うことを決められました。
対象者は、法定相続人です。故人し独身でしたので、母と妹が法定相続人です。

相続放棄をすると一般には、故人が借りているアパートの遺品整理は行いません。単純承認として相続放棄が認められなくなることをされたいからです。

しかし、今回のお客さんは、
相続放棄を行い
そのうえで
遺品整理を業者にお金を支払ってでも遺品整理をするという決断をいたしました。
それは、息子の始末をきちんとし息子の供養をするという強い母の思いだったのだろうと思いました。

実は、相続放棄をご家族が行っても、
相続放棄の制度の中身をよく知っていれば
遺品整理を行って、原状回復する費用を、支払いしても一定の条件であれば問題がないのです。
一定の条件とは、
故人の財産に手を付けない、使わないなど決まりがあります。この決まりをしっかり確認してそれに沿って行えは、相続放棄をしても遺品整理を行えます。

遺品整理は、私たちが、丁寧に進めました

弁護士さん、司法書士さんなどと相談されたといいます。
先生の中でもやってはいけない、やっても良いという意見があったそうです。

遺品整理を行うという結論が出るまで10日ほどかかりました
ご遺族は、
こととすべて私たちに遺品整理を任されました。
遠方に住んでいたからもありましたが、
何よりも、お部屋を見ることがとても辛そうで耐えられないからだと思います。

遺品整理は、2名で行いました。
遺品の中から
ご遺族に送ってあげたい貴重品・お写真・愛用していたいくつかのお品などを形見として段ボールで2箱送りました。


机の奥から、死亡保険証書が発見

形見分けとして贈った段ボールには、妹さん受取人にした死亡保険証書もお送りしました。
相続放棄しても保険金は受け取り出来るものでした。
資金繰りが苦しい中でも支払い止めることなく払い続けていました。

妹さんから、後日
その兄の思いを受け止めて
供養に使いますと
お手紙をいただきました。

あれから。
7年は経過しましたが、
忘れないお仕事です。

=合掌=






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