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事件はいつも突然に

今年1月のある日の事でした。

「結婚する前に付き合ってた彼氏いたじゃん?」
「ああ、いたね」
「今北海道いるらしいんだよね。ご飯行かない?って誘われたんだけど、行ってきてもいいかな?」
「ああん!?」

夫婦における事件はふとした日常から起こります。


元彼と僕との関係

 さて、まずはおさらい。その元彼、妻が震災前から付き合っている年上の人で、彼女が震災後に北海道に避難した理由は「彼氏が北海道に行ったから」というもの。つまり、ひいては僕が今北海道にいる大元はこの元彼なのであります。当時は結婚出産を意識していたとか。
 僕と彼は面識はありません。僕が妻にアプローチをしていた頃も付き合っていて、外から見ると略奪したような形になっています。直接会ったことはないけど、人生の中で間接的に結構なキーマンだったのかもなと思い始めました。


信じる、ただそれだけ

 「元彼(または元カノ)とご飯行ってきていい?」と聞かれたら何て答えますか?二人で、ですよ。キーマンであったからこそ、不安があるってもんです。しかも知らない人だし。でも僕は「ああ、いいよ」と即答でした。
 基本的に僕は束縛するのも束縛されるのも大っ嫌いです。大人なんだし、やりたいことは自分で決めたらいい。考えて決めたであろう相手の決断を否定したくはないし、またこちらの思いを強制したくもない。結論「好きにしたら?」ということなんだけど、無関心とかどうでもいいとかいうわけではないですよ。感情的な部分は別です。そりゃ、元彼と会うなんて不安だし、心配なわけです。同窓会的な、焼け木杭に火がつくなんてことも考えられないわけじゃないんです。もしそうなったとしてもそれすらも彼女の決断なので、その後のことを考えましょうとするしかない。信じる、それしかできないのです。
なので、
「ちゃんと帰ってきてね」
という精一杯のメッセージを伝えて送り出しました。


彼女の英断

 こういうことは儀礼上相手に確認をとることは大事です。内緒や嘘ついて行って、後日発覚した方が大問題ですからね。もし何もなかったとしても。最初から包み隠さず伝えた点は素晴らしいと思います。そして、夜も思った以上に早く帰ってきた。19時頃出て22時過ぎくらいかな。「ちゃんと帰ってきてね」の意図を汲み取ってくれたのかな。数年ぶりに会ってみてああだったこうだったと話したかった気持ちはわかります。ただ、僕は別に聞きたくはない。これも最低限の情報に抑えてくれたように思います。
 びっくりしたのは翌日参加すると聞いていた『味噌作りワークショップ』に元彼も参加するということ。どんな表情で同じ場で味噌をこねていたのか、それだけは気になります。

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