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話が通じない発達障害 どうしたらうまくやれるのか?

発達障害の特性の一つとして、コミュニケーションがスムーズに進まないという点があります。
それはなぜなのか、そしてどう対策したらいいのか、当事者の目線で掘り下げてみました。

理由①言葉の理解が人と違う

ASDの方には言葉に関する独自の定義や理解の仕方があると言われます。
例えば、ASD当事者であるYoutubeチャンネル「ぽんこつニュース」の光武さんは待ち合わせの際、「あと3分で着く」という状況で相手からの連絡に対して「着いたよ」と言ってしまうそうです。

光武さんの中では「あと3分=着いた」になるそうなのですが、相手からしたらそれは嘘なわけで、確かに摩擦が生じそうです。

理由②行間が読めない

また、言葉でのコミュニケーションだけでなく、行間を読むというスキルも必要です。例えば、発達障害YouTuberのぷちあやさんは夫とケンカした際、「出ていけ!」と言われたから素直に家を出ていき、しばらくして戻ると夫の機嫌が直っていて驚いたという話をしていました。

「出ていけ=もう二度と顔を見たくない」という意味で受け取ったので、機嫌が直ることはあり得ないと思ったのでしょう。

私も言葉の裏にある情報を理解するのは苦手で、特に言葉が少なめで非言語コミュニケーション、つまり表情や文脈に依存するタイプの人とのコミュニケーションは難しく感じます。

定型発達の人からしたら「いや、分かるだろ」というようなことが、私には分からないからです。

言語能力が低いわけではない

私のようにいわゆる「話が通じない人」も、決して言語能力が高いわけではありません。私は翻訳者として日々言葉を扱う仕事をしていますし、WAISの結果は言語理解IQが139でした。

だから、コミュニケーションがうまくなるために語彙を増やしたり国語力を高めたりするのは的外れだと言えます。

むしろ、コミュニケーションにおいては言葉以外の部分がとても重要であり、そこができていれば極端な話、言葉が通じなくてもコミュニケーションは成り立ちます。

私は外国に住んだことがあるのですが、言葉を理解できない状況でも、ある特定の状況においてなぜかコミュニケーションが成り立つという不思議な体験をしました。

身振り手振りで伝えるというのは少し違うのですが、相手の行動や断片的な情報、今までの流れなどからとっさに判断できることがたまにあるのです(海外経験のある方は分かるかと思います)。

私が感じている困難

ASD私であるは、職業柄もありますが、言葉の辞書的な定義を重要視する傾向があります。

自分が言葉を使う時は辞書通りの意味で使いたいし、辞書とは違うオリジナルの意味で言葉を言われると少し混乱します。
ロボットみたいな感じですね。

例えば会社の社内用語が苦手です。
中でも造語ではなく、既存の言葉が異なる意味で使用されることに抵抗を感じることがあり、言葉の定義がずれることが気になります。

また、はっきり言うと角が立つのであえて違う言い方でぼかすことも日本ではよくあると思います。こういうのも苦手で、文字通り・書かれている通りの理解になってしまいます。

辞書通りの意味であれば、知らなければ学べばいいだけですが、その人オリジナルの使い方やその会社内部だけの言葉の使い方になってくると、もうついていけないです。

言葉通りの理解では足りない

言葉を理解するためには、その背景や気持ちも考慮しなければいけません。
ここが一番難しいところで、自分も含めて発達障害を持つ方が間違えやすいポイントだと思います。

いくら言葉の理解が得意でも、書かれていない情報をうまく読み取れないと相手の意図や文脈を理解するのが難しくなり、コミュニケーションに問題が生じることがあります。

対策とうまくやるコツ

できないものは仕方ないので、自分の特性を受け入れ、無理をせずやっていくのがいいと思います。

自分でできる対策は、理解できない時は素直に質問することです。
空気を読もうと必死になっても結局読めないですし、変に分かったふりをしても仕事に支障が出たりトラブルになったりしてしまいます。

それならば分からないものは分からないと割り切って、些細なことでも理解できるまで相手に聞けばいいと思います。

私の職場には教えたがりなおじさんがいますが、聞かれた方も悪い気はしないでしょうし、むしろ「空気が読めない人」「教えてあげないと分からない人」と相手に思ってもらった方がこちらとしても楽です。
教えたがりの人がいたらどんどん利用しましょう。本当に些細なことまで説明してくれますから。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コミュニケーションは難しいですが、無理せず自分らしくやるのが一番ですね✨

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