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龍戦記ドラグーンソール

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特撮大好き少年の巽川龍介が、見ていた特撮ヒーロー「ドラグーンソール」になって、闘う。好きな人の桂優香を守る為。少年は、闘いの運命に呑まれていく。全24話 完結済み
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ニチアサ対抗シリーズ 龍戦記 ドラグーンソール

ニチアサ対抗シリーズ 龍戦記 ドラグーンソール  第一話:太陽の龍戦士 ドラグーンソール誕生 夕焼けの勇気 深夜1時15分。それは誰もが眠る時間。しかし、テレビやネットでは、24時間で映像情報を垂れ流し続けている。例え、嵐が吹き荒れようと。雷が天を引き裂こうとも、映像情報を垂れ流している。 そんな時間に、テレビ新聞には載っていない戦いだけの特撮番組が毎週放送されている。 その番組の名前は「龍戦記 ドラグーンソール」だ。 番組の筋書きとしては、真紅の龍戦士に変身したド

龍戦記 ドラグーンソール 第2話「首なしライダー、現る!」

 ドラグーンソールの第6話が放送された朝。巽川龍介と犬飼豪が電車通学をしている。 「いやぁ~今回のは、初めて武器使ったな。ソールソードか。今の平成ライダーじゃあ武器を使うのが当たり前だけど肉弾戦のドラグーンソール方がよかった気がするな」 「そうかな? 俺はどちらでもいいような気がするけど」 「おいおい。男なら、拳と足で攻めるのが常識だろう?」  いつものように特撮談義をしながら、高校のある駅まで暇を潰す。 「お? 桂さんじゃないか。声を掛けない…」  か?と言いか

龍戦記ドラグーンソール 第3話「ルーガルー登場」

龍介は、週末にホビーショップ高幡に足を運ぶと豪と店長の修二がドラグーンソールの話題で盛り上がっていた。 「いやー、本当に存在するとは思わなかったぜ! 少年時代に憧れていたヒーローは絶対にいると信じていた気持ちが蘇ったよ」 「そうですよねー! いやぁ早く次のドラグーンやらないってくれないか? 店長! 次のガレキは何にするんですか?」 「ああ、九尾の狐との一騎打ちを再現しようと練っているんだが時間がかかるからな。キックで決めたのは昭和ライダー世代にとってはうれしい展開だった

龍戦記 ドラグーンソール

第4話:翼竜、再戦 時刻が水曜日 1時15分を告げた時に龍戦記ドラグーンソールが放送される。 その放送を龍介とセリアが見ていた。 「ほう。龍介の戦いを放送しているのか。これは興味深いな」 「うん。しかも、倒せなかった回を放送するのは心情的に辛いけどね」  ワイバーンとの初の空中対戦で結果的に敗れてしまったドラグーンソールの過程を淡々とテレビ画面に映し出されていく。 「あれ? こんなこと思ったけど、独白まで映像化されているのか?」 「ん? こういうのが流行ではない

龍戦記ドラグーンソール 第五話 風の龍戦士

龍戦記ドラグーンソール  第5話:「エルフ/風の龍戦士 シルフ」  夜の公園で、鍛錬を積んでいる犬飼豪。 「ハッ、タッ!」  空手の型と古武術の型を練り合わせて、クンフーを重ねる。 「んー、ちょっとイマイチだな。ドラグーンソールみたいに、高く飛んだり、威力のあるパンチやキックを繰り出したいんだけど…それは無理か」  ごく普通の学生がスーパー戦隊並みのアクションをこなすこと事態が無理である。 しかし、小さい頃はヒーローごっごでスーパー戦隊やアニメのヒーローヒロイン

龍戦記ドラグーンソール 第六話

龍戦記ドラグーンソール 第6話:「水野彩香 才女が教える勉強のコツ」  昼休みに入り、龍介は屋上へと向かう。今日は優香の手作り弁当とあって、授業がいつもより楽しく感じられた。 「お昼は、お弁当何かなぁ~? から揚げ大好き、鶏肉もおっけー」  へんてこな歌を歌いながら屋上へと向かう龍介。 「さて、優香さんは…?」 「前にも言ったはずです。私は誰とも付き合いはしません」 「およ?」  いつもの場所から、優香の断りの声が聞こえた。出入り口とは反対側のほうへと足を運ぶ

龍戦記 ドラグーンソール 第7話

龍戦記 ドラグーンソール  第7話:「恐怖心」  ピンポーンと犬飼豪の玄関のチャイムを鳴らした龍介。 「おお、予定通りだな。上がってくれ」 「お邪魔しまーす」  龍介は人間に変身したセリアを連れて、彼の家にやってきた。 「ふむ? 僅かだが、異質なものが混じっているな」 「え? ひょっとして、敵?」 「いや、敵意だったらもっと強いはずだ。しかしアレだな…」 「何?」 「いつになったら、私を食らってくれ」 「セリア、今日の晩御飯抜きそして、お風呂はなしでいい

ドラグーンソール 短編小説

ドラグーンシルフ外伝 風の龍戦士 チェンジアップ  平成ウルトラマン三部作の第一弾。「ウルトラマンティガ」これが、今後のウルトラ作品におけるタイプチェンジの始まりだった。 仮面ライダー作品におけるタイプチェンジは、「仮面ライダーストロンガ―」や「仮面ライダースーパー1」そして、昭和ライダーで本格的に取り扱ったのが「仮面ライダーBLACKRX」である。なお、平成ライダーのクウガからは、様々なフォームが生まれ。今現在に至る。 「というわけで、シルフのパワーアップ案を作ってみ

「小説」龍戦記 ドラグーンソール 第8話

龍戦記ドラグーンソール第8話 風と電気と破壊の影  荒川美奈子は、携帯電話を取り出してユニオン機関の同僚、紀野みなみに電話をかけた。 「はい。美奈子ね?」 「ええ。みなみに探して欲しい人がいるの。この間の日曜日に、ハイエルフのリーシと一緒にいた人間が見つかったわ」 「それで? 名前ぐらいはわかっているんでしょうね?」 「つよしといっていたわ。背の高さが170センチ前後、そしてもう1人、背の小さい男の子でりゅうすけと呼ばれていた子がいたわ」 「……なるほど。私が行く

龍戦記ドラグーンソール 第9話

嘆きの雨 龍戦記:ドラグーンソール 第9話:嘆きの雨 好きと……言いたい。  桂優香は、病院の廊下で泣いていた。 大好きな人が、ずっと守ってくれていたことに。そのことに気づかないで、護られていたことに。そして―彼の命が尽きかけようとしていたことの現実を認められないでいた。 出来事は、今から数時間前に遡る。  ドラグーンシルフと破壊の龍。ドラグーンシュテールンクとの闘いが激化していた。いや、戦いというよりも、一方的な暴虐といったほうがいい。 シュティールンクの攻撃

龍戦記ドラグーンソール 第10話

龍戦記 ドラグーンソール  第10話:時を超えて   虹色のトンネルを抜けると森林が見えた。彼らは森の真上に放り出された。 「優香さん?! 豪!! 優香さんを頼む!」 「わかっている! ジョグレスアウト!」  ドラグーンソールとドラグーンシルフに分離して、ドラグーンシルフは優香の手を握ろうと手を伸ばした。 「桂さん!」 「犬飼君!」  2人は手を握り締めて抱き寄せた。 「ウインディリーフ!」  緑色の翼を展開して滑空する。融合進化の影響で、翼を展開すること

龍戦記ドラグーンソール 第11話

第11話:迫る時、未来へのプレリュード 時空を超えて2  犬飼豪は、絶句する。 「どうして? どうして、どちらかの存在が消えることになるんだ?!」 「俺から説明しよう」  風の龍戦士。ドラグーンシルフが浴衣の袖を両腕に入れたまま腕を組んで答える。 「過去から未来への出来事はある一定の流れに沿っている。そこはいいな?」  豪は頷いて答える。 「今回の試練は、ある意味においては「正しい流れといえる」だろう。 何故ならば、お前たちがこの時代に流れてこないと、ドラグー

龍戦記ドラグーンソール 第12話

ドラグーンソール第12話 沈みゆく太陽龍  茶色の短髪の男性が、激を飛ばす。西洋風の鎧を身にまとい。整備を急がせる。この男性こそが司令官であり、侵略者であるクラウスだ。彼が指揮し。ロベルガーの投入の最終調整に入る。 「急げ。この世界を我が手にするために。そして、別世界の移住を急ぐのだ。すべては、奴を倒すために……!」  神秘的な羽衣を纏ったエッダの巫女が、クラウスに進言する。 「失礼します。クラウス様」  クラウスは、エッダの巫女の方に体を向けて、頷く。 「どうし

龍戦記ドラグーンソール 第13話 終幕

戦記ドラグーンソール 第13話 君の果てしない情熱と夢に賭けよう クラウスは、牢屋に入れた巽川龍介の処に来た。 彼は気になったのだ。倒すだけなら、あの場でできる少年が何故、理解しようとする気概を持って言葉を投げかけてきたのか。そして、迷う。 ――自分自身のエゴだけで、世界を壊してもいいものか 「私としても、どうかしている。異世界の人間と出会い。しかも年端もいかぬ少年が、戦いとは無縁の世界で、あのように戦っていたと」  取り上げた携帯電話の映像で、ドラグーンソールに変身