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好きが軸。 “作品を作り続けること”で気づいた学び続ける面白さ 【ライフイズテック 大学生メンターインタビュー】

Life is Tech ! Schoolには、「大学生メンター」として中高生を教えながら、デジタルやデザインのスキルを自身の夢に繋げ、人生を切り開いている大学生たちが多数在籍します。

「ろくうら」こと、合田晴哉さんもそのひとりです。中学1年生からキャンプ・スクールでUnityやアニメーション制作を学び、現在はアニメーションメンターとして活躍しています。

作品を作り続けることで「好きなこと」への向き合い方が変化し解像度が上がっていく、その過程を伺いました。

合田晴哉 大学4年生
中学1年生からライフイズテックに通い、Unityとアニメーションを学ぶ。
「Unityインターハイ2020」準優勝。現在はデジタルハリウッド大学に通いながら、アニメーションの作画などを学ぶ。メンターとして中高生の学びをサポートしている。最近好きな映像作品は『【東方】Bad Apple!! PV【影絵】』やLein.@キノピオPro様の作品。



「好きなことって一つに絞らなくていいんだ」と思った

初めてライフイズテックに参加した時のことって、覚えてますか?

一番最初は、中学1年生の時のスクウェア・エニックスでのキャンプです。小さいころからドラクエが大好きで、母に教えてもらって「行かないわけないな」って二つ返事で申込みました。

元から、デジタルのものづくりには興味があったんですか?

当時は別のプログラミングスクールでScrachを学んでいて。ただ実際のプログラミングとか、プロが使うようなツールには触れたことがない状態でした。

スクールに通い始めてまずUnityを学んだんですけど、中学2年の時に担当してくれたメンターが絵が上手くて、アニメーションもできる方だったんです。その人を見ていたら「好きなことって一つに絞らなくていいんだ」と思えて、そこからUnityとアニメーション両方を頑張ってみようと思いました。

最初のきっかけは「絵が上手くなりたい」

なるほど。今日はアニメーションの話をメインに聞きますが、初めて作った作品を見せてもらえますか?

最初に作ったのは、このパラパラアニメの作品です。
「絵が上手くなりたい」と思ってアニメーションコースを受けました。たくさん絵をかけて楽しかったんですけど、実際に自分の書いたキャラクターとかエフェクトとかがちゃんと動いてくれたっていうのが、結構大きな感動でしたね。

2016年冬、中学2年生。「絵が上手くなるかな?」という単純な興味から始めた。

ここからどんどん進化していくわけですね。

そうですね(笑) この次は、初めて曲に合わせたPVみたいなものを作ったんです。
そして2018年のクリスマスキャンプでは、編集ソフトがちょっとずつわかってきた頃だったので、音楽の波形を入れてみたいなって思って挑戦しました。

2018年冬、高校1年生。やりたい編集もイメージできるようになって、レベルアップを実感。
腱鞘炎が悪化するほど熱中した。

作品を作るたび、「やったことないことをやってみたい」

そのための技術は、メンターに聞いていたんですか?

もう少し後になると自分で調べられるようになるんですけど、まだこの頃は取っ掛かりがわからなかったんで、とりあえず素材を用意して「これこうしたいんだけどどうすればいいのか?」ってメンターにめちゃめちゃ聞いてました。

毎回何かしらチャレンジっていうか、やったことないことやってみたいなっていうのがあったんですよね。

そのインスピレーションは、どこから?

日頃見てた映像とか、かっこいいと思った作品が多いですかね。例えばさっきの音楽の波形のデザインにも、当時憧れがあって。「難しいかな」と思ってたんですけど、やってみたらめちゃくちゃ簡単だったっていう(笑)

そして次が2019年の夏キャンプです。これはちょっと毛色を変えて、架空のアニメーション作品の予告編を作ってました。

2019年夏、高校2年生。架空アニメ「Observers」予告。
本格的な背景の作画に初挑戦したため難航したという

アニメ映画っぽい雰囲気の作品を作りたくて撮影効果を勉強しました。今度は絵と効果を組み合わせて、画面全体をかっこよくするための新しい技術を学んでいった感じです。
ディフュージョンなどの撮影技術はこの時学んだんですが、この後にトライしたUnityでのアニメーション撮影にも生かせる技術を習得できましたね。

この着想、かっこいいですね!

これも、実際これをやられたクリエイターの方がいたんです。その作品を見て、自分もやってみたいと思って。
翌年は、AfterEffectsでの編集や図形アニメーション、文字の動かし方などの習得に注力しつつ、初音ミクのPVを作りました。次の年は、担当メンターがアニメ作画が上手い人だったんです。だから「絵を描く」ことに集中してみようと思って、映像じゃなくて手書きにこだわってみました。

2019年冬、高校2年生。あえて素材はほぼ静止画。
当時のコメント「原曲作曲者様も巡回済。やったね。」
2020年冬、高校3年生。かっこいい動きにはリズムが大事という心構えも教わる。
動きの緩急がかなり難しく何度もアドバイスをもらった。

全然違うことにトライしたんですね。

短期間にどちらもやってみて、自分のやりたい表現とか、どちらを突き詰めていきたいかというのを考えられたかなと思います。

あとは、手書きのアニメーションって、いわゆるパラパラ漫画の要領で残像で動きを形成するんですよね。これはAfterEffectsでの映像制作にも大きく関係があるから、手書きのアニメーションで習ったことも映像に活用できるし、結構近しいものなんじゃないかなと感じるようになりました。

そして、これがラストキャンプ。集大成みたいな感じにしたかったから、これまでやったことを全部を組み合わせながら、作りました。

2021年春、高校3年生。集大成だと意気込んでアニメ素材はしっかり準備して、最後のキャンプに挑んだ。睡眠時間を削って制作に向き合った、とのこと。

中学高校の成長具合がものすごいですね。そして、高校を卒業してメンターになったわけですが、教える側の立場に立ちつつも、作ることは続けていたんですか?

そうですね。ライフイズテックにいると、メンター向けの研修やメンバーが参加するイベントなどで見せる映像を作る機会があるので、そんなに多くないんですが今も作っています。
特にこの2つはしっかりとテーマ、目的を持ちつつ、作り手としてのこれまで経験や学び、蓄積してきた自分自身の知見をできる限り盛り込みましたね。

2022年春、キャンプでのチーム紹介のムービー。
魔法をテーマに、神秘的な雰囲気が出せるようこだわった。
2024年春、大学生向けインターンシップ「Leaders」研修で流したムービー。
主に動きで観客を圧倒できるよう構成に時間を費やした。

これは、「なぜ面白いのか」といつも考える。

デジタルのもの作りをずっとしてきて、自分が一番変わったところってありますか?

日頃の経験が、クリエイティブに生きることを実感できているところですかね。
ただYouTube見たり、ただ友達と話したり、ただゲームしたりっていう経験が、今振り返ってみると生きていて。
逆に言えば、何の気なしに過ごすよりかは、そういう日々がクリエイティブに生きるって分かっているから、生かすための思考を常日頃から使った方が良いと思うようになりました。

例えば友人とたわいない話をしてたら、その友人が「こんな作品が面白くて」と話したとします。その友達が面白いって言ってた部分が「なんで面白いのか」って考える。誰かの心を動かすならば絶対必ず理由があるはず。
誰かから与えられたそういう「面白い」とか、「楽しい」「かっこいい」の情報も自分なりに言語化すれば、絶対自分のためになるっていう感じがしています。

中高生には、「自分の好きなことを自分で否定しないでほしい」

なるほど。その手札を蓄えて、もの作りに生かしていくっていうことですね。今ものづくりに挑戦している中高生に伝えたいことはありますか?

自分の好きなことを自分で否定しないでほしいっていう思いがすごくあります。
実は自分が、中学時代結構そこで悩んだんです。今も昔もいわゆるオタクなんですが、当時はそういったコンテンツが今より一般消費されている頃ではなかったので、肩身が狭くて。
「自分の好きなことが正しいのか」という変な方向に思考が走って苦しかった。でも、高校に行ったら自分の好きなことを突き通すような人たちばっかりで。環境が変わっただけではあるんですけど、それからはすごく楽になったし、「Unityインターハイ2020」で賞もいただけました。

自分の「好き」って、誰かに何か言われただけじゃ意外と折れないですけど、自分で否定しちゃったらすぐ崩れていってしまうような気がします。

なので、だからこそ今クリエイティブをやっている子たちに何か伝えるのであれば、自分の好きを大事に、そして見失わないようにしてほしい、ということですかね。

最後に、将来はどんなクリエイターになりたいですか?

多くの人に知ってもらうというよりも、コソコソ作品を出して、それで通りかかった人を驚かせたいな。ちょっと異端でいたいなって思います(笑)

ーーろくうら、ありがとうございました!


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