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「ないものは自分で作る」高校生発の「やさしいにほんご」Webサイト【ライフイズテックレッスンコンテスト受賞者インタビュー】

ライフイズテックは年2回、中学校・高校で導入されている教材「ライフイズテックレッスン」で学習したプログラミングスキルで、身の回りの問題解決に挑むコンテストを開催しています。

「誰か」に向けて作り、その人が抱える問題を解決する手段として、プログラミングスキルを活用しようーそんな願いを込めて、2つのテーマで作品を募っています。
ひとつは、日常生活で感じる問題や自分が叶えたい願望をテーマにする「身の回りの問題解決部門」。もう一つは地球規模の社会課題をテーマにした「SDGs問題解決部門」

今回、「SDGs問題解決部門」で最優秀賞を受賞したのは、外国人と日本語で会話をするために、日本人側が「やさしいにほんご」で話すという意思表示をする活動を広めるためのWebサイト。
制作者である、細田学園高等学校2年生の戸井田幸耀さんへのインタビューをお届けします!

戸井田幸耀さんが制作した「やさしいにほんご」

時間をかけて制作したことが評価されて嬉しい

——まずは率直に受賞の感想を教えてください

素直に嬉しいという気持ちです!時間をかけて制作して、本当に頑張ったので、今回の受賞で報われたなと思いました。

——これまでプログラミングの経験はあったのでしょうか?

一度もありませんでした。昨年の9月くらいから、ライフイズテックのレッスンで勉強を始めました。レッスンのデザインも可愛らしくて、第一印象から楽しそうだと思っていました。少し触ってみると楽しくて、もっと勉強してみたいと思うようになりました。

——プログラミングは楽しく取り組んでいただいたんですね。何か他に好きな授業はありますか?

高校に入ってからは特に英語が好きになりました。英検の1級や準1級を取得することに憧れて、必死に勉強したことがきっかけです。学校でもオンライン英会話の授業を受けたり、英会話の塾にも通ったりして、英語で話す機会を作るようにしていました。

実際のボランティアの経験から気づいた、外国人の求めるもの

——英語を好きな気持ちから、地域で暮らす外国人に日本語を教えるボランティアを始めたのでしょうか。

去年の夏くらいに、学校でボランティアのチラシが配られたことがきっかけです。
志木市のボランティア団体で、毎週土曜に日本語を学びたい外国人の方と交流する活動を行っています。人によって変わりますが、ひらがなから教えたり、日本語の文法などを教えています。
参加した当初は自分の得意な英語を使って教えたいと思っていたのですが、外国人の方から日本語で学ぶのが一番わかりやすい、というようなことも耳にしました。
実際に日本語を教えてみると難しくて、自分が日本語を全然知らないことに気づきました(笑)。

——日本語を学びにくる外国人の方はどんな人が多いのでしょうか。

日によって変わりますが、多い時は20人くらいの方が集まります。日本語検定を取得するためという方が多く、国籍は中国・ベトナム・スリランカ・キューバなど様々です。日本語の勉強もしつつ、各国の文化の話もたくさん聞けるのが楽しくて、ボランティアは今も続けています。

——その経験から今回のテーマが決まったのですね。

ボランティアの経験から「やさしい日本語」という簡易な日本語が広まったらいいなと感じていました。日本語で日本語を説明するのは難しいので、やさしい日本語を使っていけば相手も理解しやすいだろうなと考えました。

「やさしいにほんご」Webサイト

過去のコンテスト作品やアンケートを参考にしてWebサイトの企画を練った

——Webサイトの企画を練るため、ボランティア先でアンケート調査をしたともお聞きしました。

日本語でアンケートを作成して実際に回答をしてもらいました。「あなたの国を教えてください」や「日本語を勉強する目的」についてなどを聞いています。
アンケートの中では、もっと日本語を話したい、意思表示マークがあると話しやすいという回答が多かったです。

——やさしい日本語を広めるためのキーホルダーを作成・配布というのがユニークな発想ですよね。

前回のコンテストの作品を参考にしました。2021年度夏のコンテストで、着物を受け渡したい人と、買いたい人が交流できるWebサイトが受賞していたのを見て、Webサイトを通じて交流できるものがあるといいのではないかと思いました。そこからキーホルダーを使うアイデアに行きつきました。

——ちなみに、このキーホルダーのデザインはどなたが作成したのでしょうか?

自分でデザインをしました。Excelを使って作成して、このデザインを強調したくて、Webサイトの中にも4箇所くらい配置をしています。

実際に配布したアンケート

オリジナルWebサイトを0から制作

——オリジナルWebサイト制作はどのように始められたのでしょうか?

テックレッスンは情報の授業の中で実施をして、オリジナル制作はゼミ形式の自由研究授業で実施をしていました。どんなテーマを扱うか、何をやるかは自分たちで決めるので、他の班では小説を書くというゴールを設定しているところもありました。自分たちの班では、プログラミングをテーマに、コンテストに応募することを目標にしました。

——制作にあたり、苦労されたところはありますか?

今回、パン屋さんのテンプレートを使わずにhtmlファイルを作るところから始めたので、何から進めたらいいかわからないなかったことが大変でした。
最初はどんなWebサイトにしていくか、図を書きながら考えていきました。10月から開始して、毎日1時間くらいはプログラミングに向き合っていたと思います。
1個コードを書き換えたら他のコードも全部消えてしまう、みたいなこともあって怖かったですね(笑)。
わからないところは先生に聞いたり、YoutubeでHTMLの動画を見てみたり、あとは図書館から本を借りて勉強をしたりもしていました。他にも、デザインが綺麗なホームページも参考にしながら、なんとか完成させることができました。

——特にこだわったところがあれば教えてください。

トップにある「持続可能な「多文化共生社会」をめざして 英語が苦手だから諦めていませんか?」というキャッチコピーにこだわりました。Webサイトで一番最初に表示されるところなので、引き付けておくのが大事だと思いました。

授業内でサイト作成の目的から検討し、制作に取り組んだ

「自分も結構できるかも!」という自信に繋がった

——今回、授業でプログラミングを学んでみての感想を教えてください。

最初は文字がいっぱい並んでいて、大変そうだなと感じていました。でも、ライフイズテックレッスンを通して、自分でも結構できるところはあるなと感じるようになったんです。プログラミングのことも好きになりました。一から自分で作り上げるというのが楽しくて、徐々に出来上がっていくその過程が楽しかったです。機会があれば、JavaScriptも勉強してみたいなと思っています。

——最後に、コンテストに応募した感想を教えてください。

最初からコンテストを目指して、これでもし入賞していなかったらどうしようという気持ちで作っていたので、そこは本当に良かったです(笑)。
新しいことを学ぶのが好きなので楽しかったですし、本当に勉強になりました。後輩たちも、来年ぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。

——戸井田さん、ご協力ありがとうございました!

戸井田幸耀さんが制作した「やさしい日本語」サイトはこちら!

中学・高校向けプログラミング学習教材「ライフイズテック レッスン」

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