「I am Groot」のように「アンパンパン」と言う娘

アンパンマンを見てもバイキンマンを見てもメロンパンナちゃんを見ても「アンパンパン!」と叫ぶのは変わりないが、ここ数日、娘はアンパンマンのキャラクターが視界に入らない状況であっても「アンパンパン」と言うようになった。どうやら、何か訴えたいときがあるときに「アンパンパン」と言っているようだ。

僕が出かけるときに「アンパンパン」、帰ってきたときの第一声も「アンパンパン」。僕の顔がアンパンマンに似ているからかもしれないが、行ってらっしゃい、おかえりなさいの代わりに「アンパンパン」と言っているようだ。
何かを食べて美味しいと感じると、「ウマイ」と言うか「アンパンパン」と言う。
あとは、泣き終わって落ち着いたときにもため息をついたときにも「アンパンパン」と言うし、怒っているときにも「アンパンパン」と言う(もっとも本気で怒っているときには何も言わずに棒立ちしてただ睨む)。もちろん、それぞれのシチュエーションによって、「アンパンパン」の言い方は微妙に異なる。語尾をあげたり下げたり、冒頭の「ア」を強く言ったり真ん中の「パ」を強く言ったり。ささやくように「アンパンパン」と言うこともある。

まるでガーディアンズオブギャラクシーのグルートのようだ。グルートは「I am Groot」しか言わないが、ロケットをはじめラベンジャーズの面々は、声色や表情によってかグルートが言っていることを理解する。僕も妻もグルートが大好きで、一時期「ガーディアンズオブギャラクシー リミックス」は毎日のように流していた。『Mr Blue Sky』に合わせてグルートが踊るオープニングの場面は娘も好きで、最近はあまり見せていないが、数ヶ月前には見せるととても喜んでいた。映像なしで「Mr Blue Sky」を聴かせるだけでも反応していた。「I am Groot」と「アンパンパン」が似ているだけでなく、音楽に合わせて踊るところも似ている。我が家のグルートだ。

限度はあるにしても、単語一つでもコミュニケーションは可能なのだ。AのシチュエーションのときにはA’の「アンパンパン」の言い方をするといった決まりはあるわけで、その決まりは娘と僕と妻の関係があってからこそ成立しているのだろうが、人によって言葉の意味の伝わり方が異なるというのは当たり前のことだ。

これからきっとたくさんの言葉を覚えていくだろうが、娘にはその意味にとらわれることなく言葉を使ってほしいし、だからこそ僕と妻も娘を見習って、固まりに固まった言葉をほぐしてもっと自由に使うようにできればと思う。

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