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vol.3 エリア相場に対し安く買う

vol.2で、「いつでも売れる、貸せる物件を買う」の中で、①需要の強いエリアで買えている。について説明しました。

今回は、続編として「エリア相場に対し安く買う」に触れたいと思います。最初にある程度狙うエリアを定めたら、あとは地道に物件を探すしかありません。不動産は、掘り出し物的なものを見つけるのは通常の買い物よりも難しいです。それは、過去の取引事例をもとに不動産仲介会社が値決めをしており、売主側はよほどの事情が無い限りは相場より安い値付けで売り出すことはしない為です。相場より安い値付けをあえてしなければならない状況(例えば返済が滞って速やかに現金化しなければならない場合等)は、むしろ話を持ち込まれた不動産会社としては嬉しい話で、WEB上に物件情報や広告を掲載するまでもなく既存顧客のネットワークで速やかに売り切ってしまいます。そのため、私たちが通常の不動産検索サイト(「suumo」や「HOME'S」等)で情報を取れる物件で、「これは安い!」というものにはまず出会わないということになります。

割安に見える物件にはそれなりの理由がある

エリア相場に対して割安に見える物件は、あるにはあるのですが、よく見てみると、高速道路や線路の真横だったり、窓の正面に墓地が広がっていたりと、それなりにマイナスのポイントとなる要素があります。「自分はそのポイントは気にならない!」という方は選びそうになるのですが、このnoteで目指しているのは、売りやすく貸しやすい物件であり、特定の個人の価値観でのみ受け入れられる物件は先々ターゲットが絞られてしまうのでお薦めできません。
それでは、どのようにして割安物件を見つけていくのでしょうか。そこでポイントになるのは、買い方の選択です。

意外とバリエーションの多い「不動産の買い方」
一般的に、不動産を買う場合は以下の選択肢を浮かべる方が多いのではないでしょうか。
・新築マンション
・中古マンション
・新築戸建
・中古戸建
・土地を買って戸建建築

実は、上記は全て、相場並の物件価格で購入するパターンになります。一般に広く買われている方法だけに、イレギュラー事例が発生しにくく、価格が膨大な取引事例に基づき決まってくるからです。私は上記方法での物件取得はお薦めしておりません。但し、それぞれ少しずつ工夫すれば、ある程度はメリットは見いだせるかもしれませんので今回はそちらを紹介します。次回は上記以外の方法に触れていきます。

・新築マンションで買う場合の工夫

住まいサーフィン等で相対的に割安な物件を見つけ、将来的な価値向上(駅近・希少性・エリアの成長余地)に期待して購入。新築なので、販売価格にデベロッパーの利益や広告費、新築プレミアムが乗っていて物件の純粋価値+αの状態なので、購入後に中古で売って大幅な売却益が出る可能性は低いですが、ローン残債を上回る価格で売れる可能性はあると思います。

・中古マンションで買う場合の工夫
築古物件を、ボロボロなまま購入して自分でリノベーション(DIYという意味ではなく、内装業者を使って)するパターンですと、比較的ミニマムコストで取得が可能です。住設機器と壁紙等の最小限の入れ替えにとどめると、メリットが出てきます。先にスケルトンまで解体されて全面リフォーム済の築古物件(内装だけ新品同様)もありますが、それですとあまりメリットがありません。中古×リノベは奥深いので別途記事を書きたいと思います。

・新築戸建で買う場合(工夫をしても得をするのは難しい)
このパターンではお得に入手するのはなかなか難しいと思います。新築戸建は、都市部においては、従前ある程度まとまった区画だった土地が売りに出てきたものを不動産会社が仕入れて、先に土地を分割してターゲットの多い価格帯になるように無理くり詰め込んでいくため、土地形状や物件形状に無理が生じがちです。戸建の仕様も業者利益を優先して、綺麗に見える安価な仕様(安価なフローリングや壁紙等)で仕上げられており、経年優化が見込みづらいためです。先々売却する際に相応の値下がりが起こり、なかなか厳しいかなと思っています。郊外においては、土地の形状は綺麗なこともありますが、駅距離や都心へのアクセスの面で分が悪く、昨今のトレンドでは不利です。

・中古戸建で買う場合の工夫
木造住宅の耐用年数は減価償却計算上は22年です。築30年クラスの中古戸建の場合、ケースバイケースですが、ほぼ家の価値は見ずに土地の価値で価格が決まっているケースがあり、そうした場合で建物のほうもまだ十分に使える場合、土地価格で建物がオマケでついてきている状態となり、割安になるケースがあります。木造住宅は、きちんとメンテナンスを続ければ50年以上経っても住むことは十分にできるため、建築に詳しいリノベーション会社と一緒にきちんと見極めて購入すれば、良い買い物ができる可能性があります。

・土地を買って戸建建築(工夫をしても得をするのは難しい)
土地は、路線価など参考になる数値が細かく出ていることからなかなか価格のブレが少なく、その上、新しく戸建を建築する場合はオーダーメイドである分スケールメリットが効かず、割安になることはほぼ無いと思っていただいて結構です。自分の納得感のある物件に住む満足感を得るための方法であり、経済的な面はあまり重視していない選択肢です。もちろんそれが悪いという事ではなく、自分のこだわりの詰まった家に住める満足感は経済合理性を上回る価値があるという方もいらっしゃると思いますので、1つの選択として尊重しています。但し、当noteの方向性とは違ってくるので、あまり掘り下げません。

以上、一般的な方法の中で、あえて工夫してメリットを取りに行くとしたら、という観点で書かせて頂きました。次の記事では、今回紹介した方法以外の若干ひねった物件取得方法を紹介していきたいと思います。

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