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夜の帰り道

こんなに暑いのに日が短くなってる

7時過ぎに自転車で走るにはライトがいる

そんな鍼からの夜の帰り道

明るいコンビニの光に照らされて歩く親子の後ろ姿

飾らないお母さんは下の子をおんぶして

片手で上の子と手を繋ぎ

片手では荷物が乗ったベビーカーを押している

急ぐでもなく穏やかに上の子と喋りながら歩いている

こういう光景に遭遇すると鼻の奥がツンとする

仕事帰りで疲れているだろう

ベビーカーに乗らないって言ったんだろう…乗れば早いのに

家着いたら、晩ごはん、お風呂、寝かしつけ…怒涛の時間帯だろう

勝手に思いを馳せては

自分のその時を思い出す

毎日壊れそうなぐらい一生懸命だったあの頃

可愛いのに苦しかった

苦しい自分を責めた

しんどかった

でも今こうして鼻の奥がツンとして

涙がこぼれそうになるのは

苦しんだその時間が

かけがえのない宝物であることを痛いほど知ったから

戻らないその時を蘇らせながら

がんばれお母さんと心の声をかけながら

ぐんとペダルを漕いだ


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