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きょう心にしみた言葉・2023年11月13日

自分の中に、自分の居場所をつくること。自分の味方でいること。
それが、人とあたたかく関わるために一番必要なことなのです。

「『繊細さん』の本」(武田友起・著 飛鳥新社)

HSPという言葉をよく聞くようになりました。Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、日本語に訳すと、「とても繊細な人」。人口の5人に1人いるといわれています。90年代後半に、アメリカの心理学者 エレイン・アーロン博士が提唱しました。HSPは、病名でも診断名でもなく、心理学の研究で使われている言葉で、その人が生まれ持った気質を指します。HSP専門カウンセラーの武田友紀さんの著書「『繊細さん』の本」は、HSPの人を「繊細さん」と呼び、苦しまずに楽に生きていくための対処法を挙げています。
武田さんは、カウンセリングをしていると「どこにも居場所がない。寂しくてたまらない」という人に出会うといいます。武田さんは、「居場所がない」ということは、実は「自分の中に自分の居場所がない」ということだと指摘し、こう助言します。「自分の居場所は、まず自分の中につくることが必要なのです。何か大変なことがあったら、『こんな自分ではだめだ』と責めるのではなく、『つらいなぁ。よくがんばってきたな』と自分を慰め、いたわる」。常に自分は自分の味方でいることが大切だといいます。
武田さんの助言は多岐にわたります。「あたたかい人間関係を作るには、苦手な相手をきちんと嫌って遠ざけることが必要です」「繊細さんがどんなに『わかって』『察して』と言っても、非・繊細さんにはどうしても『わかる』『察する』ことができません」「自分の感覚をわかってもらおうとするのではなく、やってほしいことを言葉ではっきり頼む必要があります」など600人以上をカウンセリングした経験が綴られています。
著書の最後は「繊細さんはこの世の中にたくさんいます。応援してくれる人もまた、たくさんいるのです」の言葉で結ばれています。


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