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きょう心にしみた言葉・2023年1月10日

一人の人格をケアするとは、最も深い意味で、その人が成長すること、自己実現することをたすけることである。
他の人々をケアすることをとおして、他の人々に役立つことによって、その人は自身の生の真の意味を生きているのである。
この世界の中で、私たちが心を安んじていられるという意味において、この人は心を安んじて生きているのである。
それは支配したり、説明したり、評価しているからではなく、ケアし、かつケアされているからなのである。

「ケアの本質 生きることの意味」(ミルトン・メイヤロフ・著、田村真、向野宣之・訳
ゆみる出版、1987年=原書は1971年)


著者のミルトン・メイヤロフ(1925-1979)は、ニューヨーク州立大学で哲学を教える教授でした。「ケアの本質 生きることの意味」は、世界の看護理論に大きな影響を与えた著書として知られていますが、この本の中で語られる「ケア」は、看護や介護の領域を超えて、教育のすべて、親と子の関係、友人との関係、さらには人間と動物、人間と音楽・芸術全般など、人間と世界の関わりのすべてを視野に入れたとても大きな概念です。あえて言い換えれば、すべてのものに対する「労りの心」のやり取りでしょうか。その人の成長を助けることで、自分自身も成長できると繰り返し指摘しています。全編が、人間愛、人間への信頼で貫かれ、箴言にあふれています。「自分以外の人格をケアするには、私はその人とその人の世界を、まるで自分がその人になったかのように理解できなければならない。相手の世界で相手の気持ちになることができなければならない」「学ぶとは、知識や技術を単に増やすことではなく、根本的に新しい経験や考えを全人格的にうけとめてゆくことをとおして、その人格が再創造されることなのである」。「ケア」の奥深さに胸打たれます。


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