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心のセルフケアとしての「援助希求」のススメ

 こんにちは、すぱ郎です。
以前「心のセルフケアを4つに類型化してみた」という記事を投稿しました。

 この時の記事では特に触れていませんでしたが、「援助希求」という言葉を割と最近知って、この言葉もセルフケアの枠内に組み込むべきだなぁと感じたので、簡単にまとめたいと思い今回の記事を書いてみました。
 援助希求について解説したサイトが無いかと思い少し調べましたが、あまり一般向けにまとまって紹介されているものが無かったので、有名な「夜と霧」の著者でありロゴセラピーを開発したV・E・フランクル医師に関する本を多数出されている諸富詳彦先生の書かれた記事を以下に紹介させて頂きます。興味のある方は一度ご覧ください。

 ざっくり言うと、援助希求とはその名の通り「誰かに助けを求める」という行為を指します。

「そんなみんな当たり前に出来ることを能力と言うなんておかしいでしょ」

と思う方もいるかもしれません。
しかし実際に「助けが必要な状況で助けを求めることが出来ない人」というのは一定数いると思っています。少なくとも特定の状況下でどれだけ自分一人で頑張るか、あるいは誰かに助けを求めるかは個人差があると思っています。

「余裕のない、しんどい時ほど誰にも相談できない」

そんな状況に遭遇した経験のある方はなんとなくわかるのではと思います。
 自分に余裕のない時ほど、人から嫌われたり、他人に迷惑をかけたりすることに強い拒否感を覚えたりすることがあります。その結果、何でも自分で抱え込んでしまい、更に自分自身が余裕をなくしてしまうという悪循環に陥ります。こうやって文字化すると馬鹿みたいな話ですが、実際にこのような形で、結果的に自滅に近い形で心身の調子を崩す方も一定数いると思っています。

 認知の歪みのなかでいうと、いわゆる「白黒思考(完璧主義)」の人にその傾向が強いのではないかと思います。

 例えば過去に、自分一人の力で何でも乗り切ってきてやってきたという自負が自分の支えになってきた人は、いざ自分が誰かの手助けを必要としても、素直にその状況を受け入れられないかもしれません。そういう人は、手助けが必要な人でも無理をして自分で何とかしようとしてしまい、かえって良くない結果に陥ってしまうかもしれません。

 「しんどい時ほど他人を頼れなくなる」という思考や行動の癖はそんなに簡単に解消できるものではないと思いますが、自分を大切にするセルフケアの一環として「援助希求」も必要な能力であり行動なのだと理解する事は重要だと思います。

 最後に。じゃあ実際にどういう取り組みをすれば援助希求を能力として伸ばせるかという点について私見を書きたいと思います。まず、直接的な方法としては実際問題かなり難しいと思います。そもそもの考え方のクセや傾向を掘り下げていかないといけないので、単に「これからは援助を求めよう」と思う努力だけでは中々変わらないと思います。
 あえて言うなら、個人的な経験としては本当に厳しい状況の時にいきなり誰かに援助を求めるのは難しいので、比較的自分にも余裕がある状況下で、ちょっとした援助を他者に求める事から少しずつ実践する事で「自分は他者を頼ってもいいんだ」という経験をスモールステップで積む方法が、現実的且つ効果的かと思います。
 少し話は変わりますが、精神科デイケアなどではSST(ソーシャルスキルトレーニング)のワークが組まれていたりもしています。そういったワークでも、今回のような他者にお願いをしたり頼ったりする場面で適切に自分の意志を相手に伝えられるような関わり方を学べるかもしれません。
 もちろん、他者に依存しすぎるような事になってはいけないと思いますが、その辺りの自分とそれ以外との距離感というか他者との境界線も実践の中で個々が少しずつ見極めていくようになればよいのかなと思います。
 一番大切なことは、自分の事を一番大切に守れるのはあくまで自分なので、自分の内面が発するピンチのシグナルはきちんと感じ取るようにして、自分を守るための適切な行動を起こせるようになる事かなと思います。援助希求もその適切な行動の1つの選択肢に入るものだと思うので、私自身も無理のない範囲で日常生活の場面で実践していけたらと思います。
 以上です。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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