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ベンチプレスの科学的考察(記録更新を目指して)

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このマガジンではベンチプレス強化に向けた物理特性や最新の研究知見を解説しています。ベンチプレスの記録向上やスランプ脱出、パワーリフティング、骨格筋肥大を目的とする際に大変参考にな… もっと読む
パーソナル指導やスポーツ現場での利用、自身の記録更新に必ず貢献できると自負しています。 是非ともご… もっと詳しく
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記事一覧

ベンチプレスの脚は伸ばすべきか引くべきか?「足を引くな」に騙されるな【足の位置】

ベンチプレスにおいて脚の位置は悩みの種となることがあります。 多くは足を引かないことを推薦している場合が多いのではないでしょうか? 脚を引く 脚を引かない この2つはどちらも間違っていないと考えられます。 つまり、「脚を引かずに踏ん張る」=“正しい”ことではないのです。 では、「足を引かない目的は?」 「足を引く目的は?」 自分にはどれが合っているのだろうか、どれを主軸に練習すれば良いのだろうか? この記事はこの疑問解決の一助となるかもしれません。 脚を引くとは?

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ストレッチでベンチプレスの1RMが増強される?!研究ベースの具体的なストレッチ・プログラムとは?

ストレッチでベンチプレスの1RMが増強される?!研究ベースの具体的なストレッチ・プログラムとは? ストレッチによってベンチプレスは強くなるのか? ベンチプレスによってストレッチが良くなるのか? 前者であれば、ベンチプレスを強化する為に積極的なストレッチの取り組みが必要であることは明確です。 近年の研究報告では、ストレッチによる筋肥大効果にも注目が集まっており、トレーニング中の効果的なストレッチ導入方法が模索されています。 今回は、ベンチプレスに対してどれほどストレッ

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ベンチプレスのセットアップで肩甲骨内転が不要な人と必要な人の違い

ベンチプレスのセットアップで肩甲骨内転が不要な人と必要な人の違い ベンチプレスの背中の“感覚”、肩甲骨の“動き” この2つは多くの著名な方からインフルエンサーの方々などが良く言及するキーワードでも上位に上がると思います。 「肩甲骨を内転させない」≠「肩甲骨を内転させる」 *セットアップ中の肩甲骨の動き どちらが正しいのか? ベンチプレスが強い人がセットアップに関して「肩甲骨を内転させない」「するべきではない」「肩甲骨を広げる」「肩甲骨は無理に寄せ過ぎない」と言っていれ

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筋力増強・筋肥大に低負荷トレーニングは不必要か?科学的知見をもとにしたレビュー

低負荷トレーニングvs高負荷トレーニング これは古くから検証が行われている研究テーマです。 これまで数多くのメタ解析が実施されており、近年では具体的な向き不向きが分かりつつあります。ざっくりとですが、これまでの報告を要約すると ①筋肥大には総トレーニング量(負荷(kg)×反復回数×セット数×セッション数, TUT)が筋肥大には重要である。(総トレーニング量が一致していれば筋肥大効果は強度に依存しない可能性) ②筋力増強はトレーニング強度に依存する(高強度・高負荷ほど筋力

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ベンチプレスの受けを軽くする要素に関して:解剖学的視点と物理的視点

ベンチプレスの際の“受け”は非常に重要な要素の一つとしてあげられます。 それにはいくつかの理由があります ・受けるためには前段階(降ろし)が安定する必要がある ・受けが安定するとボトムでの労力が減少する ・受けが安定し、軽くなると切り返しと挙上の労力が減少する(第1スティッキング領域の削減) などが考えられます。(その他にも恩恵があるかもしれません) この「受け」を最適化するためには様々な要素が関与してきます。 その中でも、簡単に意識を向けることができて、体感として得ら

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ベンチプレスを強くするための要素とは何なのか??何故、不安定バーベルやトップサイドの練習をしない?

ベンチプレスを強くする(=1RMを増強する)ために必要な要素は何でしょうか? ・筋力の増強 これは当たり前です。 では、筋力の増強のみがベンチプレスを増強するのでしょうか? 個人的にはそうは思いません。 もし、筋力増強のみがベンチプレスを強化すると仮定した場合、もう少し踏み込んで考察してみると、“どこの筋力”が強くなればベンチプレスも強くなるのでしょうか? 一方で、技術面も1RMを増強する上で必要な大部分を占めています。 では、技術面を最大化させるのに必要な要素は何で

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ベンチプレスのアーチを高めるストレッチ第2弾

ベンチプレスのアーチを高めるための基本的なストレッチ・柔軟方法については以前に記事にさせて頂きました。 今回は、上記の基本的な柔軟方法に加えて、より高く胸郭を立たせるための方法として私が取り入れている方法をご紹介します。 この方法を取り入れてから、胸郭の角度を付けることがより容易となった感覚が強く、実際にベンチプレスの可動域も減少してきたと感じています。 画角や高さ、使っている重量が違いますが、下記の画像を見て頂いても胸郭の起き上がりが変わっているのが一目瞭然過と思います

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ベンチプレスの足部外転を有効に使うために

今回は、ベンチプレスの際の「足部」に着目して解説を進めます。 ベンチプレスで非常に重要な要素の一つとして、「足を置く位置」がありますが、「足を置く位置」を決める際に最も関連する要素が「足部の向き」です。 足部の向きは人によって様々ですが、大きく分けて2種類あるかと思います。 ・真っ直ぐ向ける人 ・外転させる人 勿論、足の引き具合も足部の向きには関連してきます。 自分の「足部の向き」や「足の引き」を決める際に何を考慮すればよいのか? この点に着目して解説を進めていきます。

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ベンチプレスの1RMを増強するために物理的損失を最小限にする方法

ベンチプレスには様々なフォームがあります。初心者や上級者、競技者を含めて、個人のニーズが異なることは明確です。 つまり、人によって最適なフォームが異なるというのは誰しもが認めるところではないでしょうか? 「ベンチプレスでは肩甲骨をこうするべきだ」 「ベンチプレスでは肩甲骨をこうしてはいけない」 「ベンチプレスでは手首はこうするべきだ」 「肘はこうである…」 どれも間違ってはいませんが、やはり最適解は個人で異なります。 そして、指導する人の言葉の選択(内的なものとのミス

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1RMを増強するのに必要なトレーニング・プログラムの最重要事項【2023年版】

今回はトレーニングのプログラム設計の記事となります。 特に、ベンチプレス、スクワット、デッドリフトなどの1RM(One Repetition Maximum)を効率的&エビデンスベースで増強するための方法をいくつかの論文の結果を提示しながら集約していきたいと思います。 特に昨今で注目を集めている 『Mixed Session Periodization』 にも注目して取り上げていきます。 プログラム設計を理解する上で重要なポイントは ▷筋トレ初心者 ▷筋トレ経験が長い

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ベンチプレスのアーチを高める方法と、強く押すためのストレッチ方法

今回は私自身の体験談も含めてベンチプレスのアーチをどの様に高めていくか、アーチよりも重要な所があるんだよ、というのをテーマに解説していきます。 私は元々身体が固く、トレーニングを始めた頃のベンチプレスのアーチは正に鉄板状態でした。そこから、ベンチプレスが楽しくなり、ベンチプレスを強くするために色々取り組んできましたが、最も苦労したの『アーチ』の獲得でした。 インターネットを探しても、ベンチプレスのアーチをどの様に高めるかに関しては具体的な方法が記されていませんよね? と

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ベンチプレスの肩甲骨とは何なのか?何故、重要なのか?

ベンチプレスで良く耳にする言葉として ”肩甲骨の内転” ”肩甲骨の下制” ”肩甲骨を動かす” 様々な表現を聞いたことがあるかと思います。 ですが、実際にベンチプレスで肩甲骨を意識してみても 「実感がわかない」 「理解できない」 という方が多いのではないでしょうか? これは専門用語の適切な使用が出来ていないために誤った表現がされているのではないかとも最近感じております。 ですので、今回の記事では物理的な側面から 👉肩甲骨がどうなると、どこが安定し、どこが楽になるのか

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ベンチプレスの補助種目をシステマティックに選択するための知見

ベンチプレスの1RMを強化する為にはベンチプレスは勿論のこと、補助種目の活用が重要となります。 この補助種目の活用方法は単に沢山行えば良いものでもなく、逆にやらなさ過ぎても効果(筋肥大および筋力増強)が得られないことが研究報告として明らかとなっています。(Kassiano, 2022) では、ベンチプレスの補助種目はどの様な視点で活用すれば良いのでしょうか?? ベンチプレスの補助種目には(今回はあくまでもベンチプレスを特性の原則から強化する為の補助種目と定義します。なの

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突然訪れる不調沼~ベンチプレス・スクワット・デッドリフトの不調を紐解く~

今回取り上げるテーマは 『不調』と『運動学習』 です。 どれだけ調子良くトレーニングをしていても、前触れなく訪れる不調 疲労が抜けていなかったり、栄養が足りていなかったり、オーバーワークになっていたり。 色々な要因を考え、考えうる試行錯誤を繰り返しますが、不調をなかなか突破できないというのは多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか? ベンチプレスやスクワット、デッドリフトなどBIG3の不調に関して、良く聞く情報に ●オーバーワーク   好調で過負荷にし過ぎて

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