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意識の始まり

私の意識の始まりは、4歳か5歳の冬、風邪をひいて寝込んでいた時だったと思う。寝ていた布団から天井を見ていた時、突然であるが、天井の木目を見ている「我」に気付いてしまったのである。

夢からさめたような、霧が晴れていくような感覚と似ている。そこから私の歴史は始まったと言ってよい。不思議な感覚であった。

その後何かが変わった訳ではないが、迷うことが多くなった。考えることが多くなった。得体の知れないものに不安を覚えることが多くなった。現状に不満を抱えることが多くなった。

してみると、意識の始まりというものは罪なものである。思考することによって成長はするが、その分、色んなものを一緒に背負わなければならないからだ。早く背中の荷物をおろしたい。

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