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「物件鮮度」って知ってますか?WEB動画から調査・発表会までPRであれやこれやとやってみた話

突然ですが、住まいを探すときのことを思い浮かべてみてください。

WEBサイトで間取り、家賃、駅からの徒歩分数、学校や職場へのアクセスの良さ等々、いろんな条件をクリアした理想の物件を見つけた皆さん。

早速内見や契約を申し込もうと不動産会社に問合せたところ、「その物件はもう契約済みでして…」と反応が…

皆さんこう思ったのではないでしょうか。
「じゃあサイトに載せないでよ…😭」と。

はじめまして。PRグループの田中(たなけん)です。
最近イマーシブ・フォート東京に行ってきまして、文章でイマーシブ体験をお届け出来ないかと思ったのですが、多分失敗しただろうなぁと思いながら筆を進めています🤔

(冗談は一旦置いておいて)こういった、WEBサイト上に入居者募集の広告が掲載されているものの、実際には取引ができない状態の物件は「おとり物件」と言われています。

気に入った物件がおとり物件だったため、それまでのリサーチにかけた時間や、不動産会社への訪問等が無駄になってしまった経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

LIFULL HOME'Sでは、「おとり物件」を削減し、ユーザーの皆様が安心して住まい探しができるよう、サイト上に実際に募集中(未成約)である物件数の占める割合が高い=「物件情報の鮮度(物件鮮度)が良い」状態を目指すために様々な取り組みを行っています。

今回は「物件鮮度」の重要性とLIFULL HOME'Sの取り組みを知ってもらうためにあれやこれやと取り組んだPR施策を振り返ってみようと思います。


なんでPRにとりくんだの?

先ほどは具体的な例で説明しましたが、いきなり「物件の鮮度も大事だよ!」、「LIFULL HOME'Sではこんな取り組みをしてるよ!」とストレートに発信しても、
🤔「物件の鮮度って何?」
🤨「物件の掲載数が多い方が良いでしょ」
😏「それってあなたの感想ですよね」
となかなか受け入れにくいのではと思います。

そこで、メディアでの報道を通じて、「世の中的にも関心を向けるべき事象なんですよ」という文脈をまとわせ、「物件鮮度」の重要性やLIFULL HOME'Sの取り組みを受け入れてもらいやすいような雰囲気をつくろうとPRに取り組みました。

ただ、PRのあるある?かと思うのですが、こちらが届けたいことをストレートに発信しようとする宣伝色が強くなってしまってメディアに取り上げてもらえない…とはいえ、メディアに取り上げてもらうことだけを考えるとこちらが届けたい内容が伝わらない…というジレンマがあります🦔

そこで、メディアにとってのバリュー・事業接着・発信のリスクの3点で方向性を検討し、
・ポップなコンテンツの発信ー広く興味を持ってもらえるようなポップなコンテンツをきっかけに、その背景にある真面目な想いや取り組みを併せて取り上げてもらう
・社会課題としての発信ー「おとり物件」が社会課題であることを伝え、それに対するLIFULL HOME'Sの取り組みとその意義を取り上げてもらう

という2つの方向性を今回は定めました。


ポップなコンテンツの発信:日本一TVに出演する「あの」スーパーの名物社長が出演するWEB動画

ポップなコンテンツの検討では、「鮮度」というワードに注目しました。
「鮮度…」
「鮮度といえば食材…」
「食材と言えばスーパー…」
「スーパーといえばアキダイ…」
(これだ💡)
マジカルバナナ🍌的なプロセスを踏み、生まれたのが、日本一TVに出るスーパーとも言われ、お茶の間でもおなじみの「アキダイ」秋葉社長にご出演いただいたWEB動画です。

この動画をメディアに取り上げてもらえるようなものにすべく、いくつか意識したことがあるのでご紹介します。

1つめは、「ここでしか見られない」コンテンツにすること。
フレンドリーにインタビューに応える姿がおなじみの秋葉社長ですが、この動画の中では、「こんだけ(商品が)いっぱい並んでんだから鮮度はまぁ…どうでもいいでしょ?」とコメントしたり、撮影班と揉めたりと、本来とは180度異なる姿(=このWEB動画でしか見られない姿)を描いています。

普段の秋葉社長はこんなこと絶対に言いません。

また、品揃えを重視しすぎるあまり暴走していることから、暗に「品揃え(=物件情報の掲載数)ばっかり気にしてていいの?」と投げかけ、最後のメイキングのシーンでは「食材の鮮度は大切」と語り、「ところで物件って鮮度あるの?」と秋葉社長から視聴者に質問することで、「品揃えだけでなく物件も鮮度を気にした方がいいのでは?」と考えるキッカケになるような内容にし、「物件鮮度」の重要性にも接着する内容にしました。

2つめは、パロディ的な要素を取り入れること。
以前公開した、「すしざんまい」の木村社長出演のWEB CMにて、木村社長がTV番組に出演した際に「お寿司といえばすしざんまい!」の“すしざんまい”部分のセリフが封印され、一時期話題となっていた演出をWEB CMでパロディにしたところ、パロディにしていることに気づいた方からSNS等でも多くの反響をいただき、メディア露出にもつながりました。そこで今回も「秋葉社長」×「ワイドショーの生中継」というおなじみのフォーマットをパロディにすることで、気づいた方からの反響&メディア露出を狙いました。

3つめは、コンテンツの背景にある想いやファクトも伝えること。
単なる動画の紹介ではなく、LIFULL HOME'Sがなぜこの動画を制作したのか、物件鮮度の向上に向けてどんな取り組みを行っているのかといった想いやファクトが伝わるようなメディア露出を獲得するために、プレスリリースには動画制作の背景や実際の取り組み等も記載し、内容をリッチにしました。

その結果が…こちら↓↓↓

動画の紹介と併せて、コンテンツの背景にある想いや取り組みについても触れていただくことができました。

また、ありがたいことに再生回数が11万回を突破していて、視聴者さんからは「ニュースで何かやらかしたのかと思って動画に辿り着いたが最後まで見てなるほど」などのコメントもあることから、メディアを通じてだけでなく、ダイレクトに物件鮮度の重要性を届けることができたのではないか…(嬉しい😂)と考えています。


社会課題としての発信:調査で実態を明らかに、発表会で取り組みの意義を伝える

おとり物件=不動産会社が悪意を持って掲載している広告、と想起されがちなのですが、必ずしもそうではなく、人手不足やヒューマンエラーから広告の取り下げ漏れが起こり、その結果としておとり物件が「生じてしまっている」という背景があります。

今回の調査では、不動産仲介業務担当者を対象とすることで、業界側の事情を明らかにし、解決可能な「社会課題」として、おとり物件の実態を伝える事に注力しました。

また、調査結果をインパクトのある形で打ち出し、かつ、LIFULL HOME'Sの取り組みがおとり物件の解決につながるものであることを届けるために、メディア向けの発表会を開催することにしました。

発表会で大事にしたことは2つ。

1つめは、発表会に参加してもらえる理由をつくること。
今回調査結果でも明らかになったように、1月~3月は不動産業界の繁忙期であり、おとり物件が発生しやすい時期でもあります。
この背景を踏まえて、新生活シーズンを前に住まい探しの動きが高まるとともに、おとり物件が発生しやすい時期である2月に発表会を設定。時節性を押さえることで、参加すべき理由をつくるようにしました。

2つめは、LIFULL HOME'Sの取り組みに接着するような構成にすること。
今回実施した調査結果では、
・9割超がおとり物件を業界の課題と認識している
・おとり物件を発生させないために必要となる、スピーディーな広告取り下げを阻害する要因の第1位が「人手不足」

などが判明しました。
調査結果の発表と併せて、募集が終了した物件の広告を自動で非掲載にするシステムや、AIによるおとり物件検知の取り組みなど、人ではなくシステムで解決するLIFULL HOME'Sの取り組みを紹介することで、そのインパクトや意義が参加されたメディアの皆さんに伝わるような構成を心がけました。

その結果が…こちら↓↓↓

調査結果の紹介だけでなく、LIFULL HOME'Sがこれまで行ってきた取り組みについても触れた露出となっていることから、発表会を通じて取り組みの意義を伝えることが出来たのではないか…(嬉しい😂)と考えています。


やってみて思ったこと

まず、今回企画を承諾いただいた秋葉社長、ならびに制作チームの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。

とくに、秋葉社長はいつもメディアで見るのと同じ、フレンドリーなとっても良い方で、撮影中もお客さんを気にかけている様子が印象的でした。
※撮影終わりにアキダイさんでお買い物させていただきましたが、もちろん鮮度の良い食材🥕🥦🥩ばかりでどれも美味しかったです!!!ぜひお買い物に行ってみてください!(ダイレクト宣伝)

また、毛色の異なる施策を同時並行で進めることは大変な面もありましたが、関係部署の方々と連携したり、「物件鮮度」にかけるその想いに触れることができたり、「物件鮮度」を語るに足るだけの自社の取り組みを改めて理解することができたり、それらを踏まえた施策を通じて、狙ったアウトプットが獲得できたりと、PRの基本的なところを味わいながらプロジェクトに取り組むことができたなと思います。(後半はドタバタしていて、文化祭みたいで楽しかったです😀)

今回の施策に触れることで、「物件の鮮度も気にしてみようかな」と思っていただける方が一人でも増えていたらとっても嬉しいです!

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