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ブルームの防止(前編)

おはようございます☺️Bonjour(ボンジュール)

こんにちは☺️Bonjour(ボンジュール)

こんばんは☺️Bonsoir(ボンソワール)

パティシエのねねとです😊


 ブルームの防止法には、チョコレートの原料に手を加えて防止する方法、温度管理、テンパリングを正しく行うことによって防止するなどの方法がある。

⭐︎原料油脂の混合量

 チョコレートにココアバター以外の油脂を多量に混合した場合は、これがブルームの原因となる。

 添加した油脂のグリセライド組成が異なり、β’結晶で止まると、結晶がそろわなくなって、ブルームの原因となる。

⭐︎乳脂肪添加

 乳脂肪は他の脂肪と違って、ココアバターの安定したβ結晶が粗大に成長するのを防ぎ、結晶を微細に保つ効果がある。
 したがって、乳脂肪が添加されているミルクチョコレートは、スイートチョコレートよりもブルームの防止に効果がある。

⭐︎乳化剤添加

 乳化剤もブルームの防止に効果を発揮する。
 これは、砂糖、カカオ成分以外の成分粒子を完全に包み、均一な組成系にするためである。
 チョコレートの乳化剤には、レシチン、シュガーエステルが使われているが、外国ではこの他の乳化剤も使われているという。

⭐︎水分の量

 チョコレート製品のセンターの水分が多いものは、ブルームを早める。
 したがって、水分の多いセンターには、一度飴がけしたり、砂糖がけしたりして、その後チョコレートをかけるものもある。

⭐︎テンパリングと操作温度

 ブルームを起こさないためには、うまくテンパリングしなければならない。
 しかし、たとえテンパリングがよくて、β結晶ができていても、その後の温度管理が不適当であれば、これらの結晶は消失したり、好ましからぬ不安定結晶ができて、結晶が粗大に成長したりして、テンパリングをしないときと同じように、ブルームが発生してしまう。
 したがって、テンパリングと同じように、操作段階での温度管理が重要となる。

① チョコレートをセンターにして、その上にチョコレートをコーチングする場合、センターの温度は18〜23℃が適当になる。

 18℃以下だと、チョコレートが低温のセンターにふれて、不安定なα結晶ができる。
 これは、β’結晶に移行するときに潜熱を出し、一部のココアバターを溶かして、ブルームの原因を作る。

 逆に、センターの温度が28℃より高すぎる場合、コーチングしたチョコレートが固まるのに時間がかかり、徐冷現象が起きる。
 こうなるとチョコレートは固まりにくくなるり、この間にチョコレート中の固形粒子は沈澱し、液状のココアバターは表面に浮き上がる。
 そのため、内部成分の組織は均一性を欠き、表面にココアバターの白い模様ができて、ブルームになる。
 また、内部でも、β結晶が粗大に成長して、組織がざらざらになり、ブルームとなる。

② 撹拌が不じゅうぶんであると、往々にしてチョコレートの表面にしまができることがある。

 チョコレートを昇温させて、コーチングに適した30℃にしたとき、撹拌せずに直ちにコーチングするとブルームが生じる。
 これはチョコレートの内部温度にむらがあるためであるからよく撹拌して、全体を30℃にすることが大切である。

③ チョコレートを冷却するとき、一部分でも18℃以下になると不安定なα結晶ができて、ブルームの原因となる。
 チョコレートの冷却に水を使う場合には、水温に注意しながら、26〜27℃に冷却するとよい。

チョコレートのテンパリング

④ テンパリング作業をする室温は18℃以下であってはならない。
 これは前述したような理由によること、また、室温が低すぎるとチョコレートが早く固化するために、作業はやや困難になる。

⑤ センターにコーチングしたチョコレートが固まらないうちに、18℃以下の空気に触れさせると、α結晶ができてブルームの原因となる。

⑥ チョコレートを型の中に流し入れる場合、型の温度を18℃以下にするとブルームが発生する。

 以上のように、溶けているチョコレートは、どのような場合でも、18℃以下のものに接しないようにすべきである。
 18℃以下の温度でできたα結晶が、チョコレートの中に持ち込まれると、α結晶はβ’結晶に、β’結晶はβ結晶に転移する。
 この際に、それぞれ潜熱が発生することは前にも述べたとおりである。

 潜熱は、わずかではあるが、チョコレートの内部にこもり、他の結晶を溶かす要因になる。
 溶けた油脂は、結晶化する前にチョコレートの表面に転移して、ブルームを生じる。

 次にαからβ’結晶に転移するとき7%、β’結晶からβ結晶に転移するときに8.3%の収縮が起こる。
 この現象が、固まったチョコレートの中で起こると、目に見えないくらいの小さな割れ目を生ずる。
 この割れ目は、センターの水分を放出したり、外気中の水分を吸収したりする。

 また、チョコレート表面の油脂の連続性が破れて、光を分散させるため、表面のつやはなくなる。

 割れ目は、センターやチョコレートの油脂が表面に滲みだす通路となり、油脂が表面に運ばれる。
 これが結晶となって白くなり、これがブルームになるのである。

著書:洋菓子材料の調理科学
著者:竹林 やゑ子

 この書籍を参考にブログを作成することで
学ばせていただいております。
感謝いたします。

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