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ジローも僕も成長して行った

僕は、毎日、学校から帰るとジローの散歩が先か、友達と遊ぶことが先か迷った。

前までは、ジローを連れて行くという選択肢があったけど、友達の家となるとジローが邪魔になる。


もう、ジローも大きくなり、しかも大人しかったコロと違い、落ち着きもなく、うるさい!!


迷ったあげく、先に散歩に行くか・・・


ジローは嬉しそうだ。

友達より、俺様が先って思ってるのか・・・


いや、違うな。

ジローのお目当ては、どうやら好きな子がいるみたいだ。


公園に行くと、どこからともなくやってくるメス犬がいた。

「首輪もない・・野良犬か・・」

どうやらジローと同じで雑種のようだ。


気が合うのか2匹でじゃれ合って楽しそうだ。

「さっ、ジロー帰るぞ!」


引っ張っても動こうとしないジローに少し苛立った。

「ジロー!!早く」


だめだ、メス犬から離れようとしない・・


友達との約束も気になりながら、何とかジローをなだめて引き離す。


何だか僕は嫉妬してる悪い男みたいじゃないかっ!!

「なんなんだよぉ~」


名残惜しそうにスゴスゴと僕に引っ張られるジローを見て

「お前は、もう大人なのか・・?」

「僕は、まだ・・子供なのに・・」


大きくなるのが早いジローに本当は嫉妬していたのかもしれない。

僕の背は、まだ140㎝にも満たなかった・・。


だけど、ジロー、「お前の気持ちは何となくわかってきたよ」

つづく


お前には、こんな風に見えてるんだな

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