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ジロー!お前ってやつは

僕は、あれが初恋だったのかと感傷に浸ったる間もなく

ジローには手を焼かされた。


「ジローは?」

どこ探しても見当たらない。


コロと違って、異常に首輪を嫌がるジローは少し緩めると旅にでてしまう。


しかも、人懐っこいところはコロと似ていて誰にでもついて行ってしまう癖がある。


隣の人が「うちに遊びに来てたよ」と言って連れてこられることも度々ある。


「お前、ドン臭いくせに、いったいどうやって首輪外すんだよぉ~💦」

何事もなかったように、ご飯をおねだりしてくる。


まだ、大人とは呼べないジローは好奇心だけは一人前だった。


しかも、お手もしない・・

コロと比べたらダメってわかってるけど・・

僕が「お手」という前にご飯をがっついてくる。

さすがに、お母さんも「コラ!ジロー!!」と叱ってる声が聞こえてくる始末だ。


犬にだって性格があるのはわかるけど、こりゃ手がかかるなぁ~

お手は、ともかくとしても、やたら外を歩く犬に興味が人一倍あり一緒に行きたくて仕方がなく首輪を外してーーーと吠えまくる。

仲間が好きすぎる。


何故か僕は、ジローがいつか僕から離れて行くような不安がふと押し寄せてきた。

「まさかな・・・」

「おい、ジロー!お前のご主人様は誰だ?」

ジローは無邪気に僕の顔を舐めまわしてきた。

「そう、僕だからな!どこも行くなよ」

お前は、ブサイクだから外出てもモテないぞっ!!

つづく


いい子だ!

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