23.11.25 同窓会

2023.11.25
サークルの同窓会を企画したら、大学時代の親友で、僕の好きだった人でもある友人が久しぶりに帰省してくることになった。彼と直接会うのは数年ぶりだ。

思えば、今住んでいる一人暮らしの家を選ぶ時にも彼が付き添ってくれた。住む家を二人で一緒に探すのは恋人同士みたいだな、とか都合良く考えていたのが懐かしい。僕が一人暮らしを始めてすぐ、彼は転勤が決まって、年上の彼女ができて、結婚して子供が産まれた。僕はゲイとして自認して、ゲイの友達ができて、恋人ができて別れた。

彼には昨年電話でカミングアウトをして、その時Instagramのアカウントを交換していた。彼は何も投稿を上げないのだけど、自分の上げたストーリーに足跡が付いていると安心した。

同窓会は夜に始まるが、昼から二人で集まってご飯を食べることにした。数年ぶりに顔を合わせたらどうなるのか想像もつかなかったけど、いざ会ってみるとすぐに会話のリズムを取り戻した。そして、お互いの近況を報告しながら、話の広がる方向や共感するポイントがぴったり合うことに気づく。単純に近くにいた時間が一番長かったからではなく、波長が合うから彼と仲が良かったのだと当然のことを思い出した。

数日前にTinderで会った男の話をする。「酔ってポケットの中で手を繋いで、相手の家まで歩く時間が本当に幸せだったけど、あの人とあの瞬間以上のことはもうないと思うんだよね。」と言ったら、いい話じゃん、って共感してくれたのが嬉しかった。

夜。同窓会が終わり、彼は僕の家に泊まることになった。せっかくなので、家の近くのMIXバーに行かないかと誘った。自分が今生きている世界を断片的にでも彼に見せたかったのだと思う。彼は「行くわ」と即答して付いてきてくれた。バーの人に、彼はノンケで大学時代の同級生だと紹介する。お店の人たちとの会話を彼が楽しんでいるのを見ると、幸せな気持ちになった。

朝。駅までの道を二人で歩く。「みんな全然変わってなくてちょっと拍子抜けしたな。」と呟く彼。「僕は変わったんじゃない?」と聞いたら「うーん。そんなに?」と言われた。「たぶん昔の友達に会うとみんな学生時代に戻っちゃうんだよ。」と返しながら、変わってても変わらなくてもいいけど、またこんな瞬間が来たらいいと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?