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阿字のふるさとへ帰る

ミニチュア作家のいわなり ちさとです。
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先日、峯寺さんの永代供養墓に書かれている文字について住職にお尋ねしました。

仏心と大書されてある次の文字がなんという文字なんだろうか?と思ったのです。

住職曰く

あの漢字でも平仮名でもない字はインドの古代語、梵字で「あ(阿)」と読みます。

阿字の子が 阿字のふるさとたち出でて また立ち帰る 阿字のふるさと
この歌は弘法大師が作られたものです。

峯寺快遍住職のお言葉

”あ”と読む梵字でした。
意味は

「あ」という音は、梵字で一番始めに出てきます。日本語の五十音でも「あ」が最初、英語のアルファベットで最初に出てくる「A」も「あ」と発音します。人間が口を開けて自然に声を出すと「あ」となります。 「あ」というのは全ての根源であり、万物の始まりと言われており、全宇宙を司るとら言われている大日如来を表しています。 弘法大師は全ての根源が「阿」であると言われ、我々は全ての根源である「阿字(大日如来)」の子であり、亡くなってもまた「阿字」のふるさとに帰るだけ、生きとし生けるもの皆同じであり、平等である、ということを表現されたものと思います。

峯寺快遍住職のお言葉

父や祖父が亡くなって阿字のふるさとに帰ったのだと思うと、ここに連れてきてよかったなぁと思います。

”生きとし生けるもの皆同じであり、平等である”という弘法大師の想いに包まれて、生前は苦い思いもあっただろう私の祖先は心ほどけただろうと思います。

父方はいわゆる部落の出でした。
私自身はそんな出自については一言も話しませんでしたから、差別を受けることもありませんでした。

なぜ、差別されなければならないのか?という悔しい思いは胸の奥にあって、だから一人の人として私はなにものかになりたかったのだと今にして思います。

今の私は出自に揺らぐような弱い人間ではないので、父の出自を公開しました。

父の弟になる叔父は明らかな差別を受けたと話してくれました。
知恵遅れと思われていた叔父は辛いことも多かったけれど、それを乗り越え、自分の好きな音楽を楽しんで今まで生きてきました。

叔父の生き様は清々しくて、父や母が彼にした理不尽を知るにつけ、私が叔父の最後の世話をせねばならないと思っています。

ここ数年はうちで私の子や孫と一緒にお正月や連休、盆を過ごしています。

永代供養墓にも参ってくれました。
こんなところに入るとは思ってなかったなぁと驚いていましたが、いいところだと納得してくれました。

そして、まだ元気ですが、これからやってくる叔父の最後は私が看取ろうと思っています。

年下の叔父にいいつもりで祖母のことを押し付けた父と母の代わりに私が
面倒をみます。

叔父は陽気な人なので、面倒を看るのも気持ちよくできそうです。
陽気な叔父が気持ちよく阿字の故郷へかえることができるように最後の助けをし、父母の罪滅ぼしもしたいと思っています。

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