人気風俗嬢に恋をした⑧(初めての食事)

 オキニに出前を取ってあげようと思い、店でオキニに言ってみた。

 そうすると予想しない答えが返って来た。

 「やめとくよ」

 一瞬頭の中が「え?」っとなったけど、しつこくするのが嫌なので理由は、あえて聞かなかった。

 すぐにオキニのプレーが始まり、出前の話は頭の中から消えていた。

 プレーが終わり、帰りのシャワーの時に、オキニが唐突に「ラスト枠なら、一緒に食べる事ができるかもしれない。」と言った。

 そりゃそうだよな、自分の後にもお客さんがいてまだ仕事でプレーするのに、ご飯なんか食べたら眠くなるし、歯も磨かないといけない。

 っという事で、次回はラストを120分で予約した。

 出前のメニュー表をオキニに見せると、「私、この店に出戻りしてから、初めて出前を取ってくれた、うれしい」と言ってくれた。

 本当にうれしかったのか、ただ単に客に対するリップサービスかはわからない、ただオキニの為に何かをすることができたことが、自分にとって誇らしかった。

 プレーが終わり、オキニと初めての食事を、オキニのお店の部屋ですることになった、頼んだのは、あったかいそばと親子丼で、オキニも全く一緒のものだった。

 机もない部屋で、ベッドの上に食べ物を置いて食べる、変わった食事の仕方で、食べやすくはないが、オキニと一緒に食事できたことがすごくうれしかった。

 「山の神さん、最初にお店に来た時はいつだったっけ?」と聞かれ、「8月下旬だよ」と即座に答えると、「すごい」とオキニが言ってくれて、私は照れてしまった。

 一緒に食事をしたこの時は、10月下旬なので、そんなに通ってくれてすごいという意味だったと思う。

 しばらく食事をしていると、私の中で、店の外でオキニと一緒に食事をしたいという気持ちがあふれてきた。

 (ダメでもともと・・・・・・・・。)

 (そう言えば私がいつも店が終わった後に行っているジンギスカンのお 
  店、オキニも好きだったと言っていたな、
  そこに誘ってみるか・・・。)

 私  「ねえ、店の近くにあるジンギスカン専門館おいしいって言ってい 
     たよね?」
 オキニ「うん、大好き」
 私  「今度一緒に行ってみる?」
 オキニ「いいねえ」

 思わぬOKの返事に心の中でガッツポーズ!!!
 
 まさかOKされるとは思わなかった。
 
 あまりのうれしさにニヤニヤしそうになってしまったので、急いで食事を終わらせ、時間までもう少しあったが、帰る支度をした。

 食事が終わり、オキニと別れて店を出ると、駅までスキップして帰ったのである。(笑)

つづく


 

 

 

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