見出し画像

【図解】 カスタマーサクセスで型化したものを運用定着させる方法

せっかく作った資料が、たいして使われることなく葬り去られる…

という経験は、型化を推進する役割の方なら、「あるある」とうなずいていただけるのではないでしょうか。どうしたら型化したものを定着させることができるのか。試行錯誤した結果、少しずつポイントが見えてきたので整理したいと思います。


1 「型化」と同じくらい「周知・運用」が大事

弊社サービスのモチベーションクラウドは、組織状態を「診断」し、その診断結果をもとに「改善」策を講じるのですが、カスタマーサクセス(以下、CS)は担当するユーザー企業に伴走しながらその「診断」「改善」のサイクルを回すお手伝いをしています。

このCSのサービスクオリティを標準化するために、私が所属するCS Opsでは様々な「型化」を進めているわけですが、いくらやってもカスタマイズした資料が出回るということが起こっていたのが現実でした。(本当に何度やっても、です。)

試行錯誤する中で見えてきたのは、「型化」そのものが問題ではないのかも知れないということ。

と言うのも、社内に定着させるためには、「型化」→「周知」→「運用」というステップが必要で、この「周知」や「運用」によって、定着の度合いが変わりそうということです。


2 「周知」のポイント

「周知」の際のポイントは、いかにモチベーションを高めるかだと考えます。具体的には、モチベーションの公式というフレームを活用します。

モチベーションの高さ = 目標の魅力 × 達成可能性 × 危機感


まず「目標の魅力」について。

大事なことは、「意義」を伝えるということ。「意義」というのは、「目的」の先にあるものです。「目的」までは伝えていることが多いと思いますが、その先まで訴求できるかが勝負になります。

次に「達成可能性」。

型化の手順として、プロセスやCSとしてのあるべき行動を規定し、それをCSのスキルマップに落とすというところまではよくあるかも知れません。今回はさらに踏み込んで、そのポイントを踏まえた「ロールプレイング」を実施しました。CS役・顧客役それぞれに必要な情報を渡し、模擬アポイントをやってもらうというものですが、やり方を伝えるだけでなく、実際に体感させることで理解度が大きく向上しました。

最後に、「危機感」。

キーパーソンから言ってもらうということをしたのですが、このキーパーソンは必ずしも偉い人とは限らないということがポイントです。案件への理解が深く、メンバーからの信頼もあつい。またある程度、厳格性があって部門内への影響力があるという点を考慮して人選することが重要だと思います。

弊社のケースでは、あえて部門長ではなく、役職としてはその下のグループマネジャー(GM)の方がそれにふさわしいと考えて、実行しました。


3 「運用」のポイント

「運用」では意識せずともやってしまう状態を作ることが大切だと思いますが、その操作変数として「指標」と「管理方法」の2つがあります。管理方法はさらに2つに分かれ、「ダッシュボード」と「会議体」に分解できます。

運用 = 指標 × 管理方法(ダッシュボード・会議体)

まずは、「指標」について。

大切なのはとにかくシンプル化だと思います。あるあるだと思うのですが、CSの指標は、ともするとあれもやった方がいい、これもやった方がいいということで、どんどん増えていく傾向があります。しかし、ただ増やすと、優先順位がつけられず埋もれていくということが起きがち。そこで指標は追加するのではなく、むしろ減らすイメージで、いくつかある指標を統合するのが大切だと思います。

さらにその統合した指標を、CSの評価と連動させれたら、CSがアクションする上でのポジティブな要素になりさらに効果が高まるでしょう。

続いて、「管理方法」。

多くのCS組織で、スプレッドシートやセールスフォースの画面を見ながら、
朝会などの会議体を運営されていると思います。こうした既存のダッシュボードや会議体に組み込むことで運用に乗りやすくなると考えます。

また、「競わせる」の方は、いたずらに競争を煽るという意味ではなく、
ゲームっぽい仕立てにするというニュアンスです。例えば一定の基準をクリアしたCSには認定証を渡すということをやるなどして、楽しみながら競い合うことを促せれば、運用に乗りやすくなります。


4 さいごに

上記の通り、「型化」→「周知」→「運用」でそれぞれのポイントを実行してきた結果、少しずつですがCS組織が変わってきている感覚はあります。ただ同時に、1度言ったからといってすぐに変わるものではないということも痛感しています。何度も何度も言い続けて文化を作っていくことが大切だと改めて感じます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?