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五十肩から考える医療費削減

今日初診で来ていただいた患者Mさんは
70代の女性で肩を上にあげる動作で激痛が走ると言う症状。
なんと10年前からこの肩の痛みを我慢しているということでした。

右肩外転90°で疼痛



病院では五十肩(肩関節周囲炎)と診断されたそうです。

日本整形外科学会


ホームページを見てみると、、

【症状】
肩関節が痛み、関節の動きが悪くなります(運動制限)。

【原因と病態】
関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。

【診断】
肩関節の関節包や滑液包(肩峰下滑液包を含む)の炎症のほかに、上腕二頭筋長頭腱炎、石灰沈着性腱板炎、肩腱板断裂などをX線(レントゲン)撮影、関節造影検査、MRI、超音波検査などで区別します。

【予防と治療】
自然に治ることもありますが、痛みが強い急性期には、三角巾・アームスリングなどで安静を計り、消炎鎮痛剤の内服、注射などが有効です。
急性期を過ぎたら、温熱療法(ホットパック、入浴など)や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)などのリハビリを行います。
これらの方法で改善しない場合は、手術(関節鏡など)を勧めることもあります。
日本整形外科学会ホームページから引用

症状


確かにMさんの症状も肩関節の動きの制限があり
日常生活や家事にも支障が伴い今は仕事を休職せざるを得ない状況です。
さらに細かく話をうかがうと、
家では洗濯物をもの干し竿に干すときや
コップとかお茶碗を食器棚に戻すときとか、
お風呂掃除も上手く出来ない状況なので代わりに旦那さんが家事全般をやってくれるのだが、「旦那に助けてもらい有り難いけど迷惑かけて申し訳ない…何もできない自分が情けない…」と、
10年分の込み上げてくる思いに涙を堪えお話ししてくださいました。

診断・予防・治療

これまでMさんは肩関節周囲炎と診断を受けてから10年以上、
患部(右肩関節)にフォーカスした検査(レントゲン・CT)やブロック注射・痛み止め薬・湿布など診断や処方されたものを素直にやり続けてきたのは、とにかく痛みから解放されるためです。
痛みから解放され家事や仕事に復帰するという望みを諦めずに取り組んできたが何をしても良くならない肩の痛み。。
もう治らないのでは、と諦めかけていたタイミングの来院。

原因と病態

学会の内容では肩関節の周囲の組織に炎症が起きることが主な原因とありますが、痛みを生じる原因のある可能性は、筋肉、筋膜、神経、内臓など、多様であります。

Mさんの肩痛の原因を探るため全身の筋肉の硬さやトーンを診ていくと反応がある部位に辿り着きました。
その部位を調整すると肩関節可動域に大きな変化が現れたと同時に痛くて上がらなかった肩がビュンっと上がるようになりMさんビックリ驚いてました。
原因さえ分かれば対処法や治療の方向性も明確になります。

絶望から希望へ導く選択肢

初回で変化と希望を感じていただき笑顔を見せてくれました。
痛みから解放されるって本当に幸せです。
健康のありがたみを患者さんの笑顔からひしひしと感じています。

希望は暗闇の中で見つける一筋の光です。

私からお伝えしたセルフケア指導や普段気を付けることに対しても実直に受け入れていただきました。

一回の施術よりも最も重要なことはアフターフォローを通じた関係性創りであり、いかに相手の人生を自分事に捉えられるかだと思います。

私も医療従事者の端くれとして患者さんの苦悩に日々向き合っていますが、選択肢が少ない、というか無知であるがゆえに誤った選択をしてしまうケースも多いです。
西洋医学も東洋医学も役割が違いどちらにも良い所があり、陰陽になっていると感じます。
医療従事者、自然療法家など皆が互いに手を取り合い、目の前の患者さんに適した選択肢をバランスよく提案できるコミュニティがあれば理想かなと思います。


自分の健康は自分で守る


2021年度の日本の医療費が約44兆円という概算が出ました。

医療費は世界中の国で増加しているので、日本だけ特別というわけではありません。

ちなみに私が柔道整復師を取得した15年以上前には約30兆円と学んだ記憶があります。

医療技術は日進月歩で、日々新たな薬や医療機器が開発されています。
最先端の薬・機器は当然高額ですので、医療費が世界中で上昇するのは自然な事でもあります。

それらの最先端技術によって、100年前には救えなかった命が救えるようになり、寿命も延びています。
寿命が延びれば、複数の治療を必要とする高齢患者さんも増加し、ますます医療費が増えます。

しかし、医療費の使いどころは、医療従事者と国民でよく考えていく必要があると思いませんか。

「患者さんのために・・・」と言いますが、本当に患者さんのためになっているかは疑問に感じる処置、手術もあります。
そして、それはそのまま高額な医療費となってしまいます。

人と出会う率を上げるべき

それは自分の考え方や生き方の視野が広がり選択肢増えるし、
将来の選択肢が増えると心身の健康に繋がり医療費削減にも繋がる大切な要因だと思います。




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