11自分の得だけを考える開運法は不幸の元「より少ない生き方 ものを手放して豊かになる」

 開運に関する本を1週で50冊読むと、何かを得ることだけを考える方法は情報の信頼性が低いとわかってくる。あえて言えば臨時収入を得ることは目的たり得ず、根本の生き方を見直すことなく開運などありえない。
 
 有形無形とを問わず何かを得る時には、それと釣り合う何かを失うことが厳格な法則である。逆に何かを失う時は、それと釣り合う何かを得る時でもある。得失が即時とは限らないのでわかりにくいが、長く繫栄する企業や一族は徳を積み続けている。徳とは言い換えれば高貴なる者の務め、あるいは自ら買って出る損な役回りである。それで嫉妬を受けずに済み均衡が担保される。

 さて「より少ない生き方 ものを手放して豊かになる」ジョシュア・ベッカー(著)には、お金を手放す一例として寄付の効用が述べられている。
 慈善的な活動をしている人の多くは精神的に安定しており人間関係にも恵まれているという指摘で、まず1ドルから始めてもよいという指摘に具体的実践への緊急性を感じた。なお寄付は簿記上で費用科目にあたる。その支出が不自然な企業には注意を要する。また本書は米国の本らしくイエス・キリストの逸話が随所に出てくるのも新鮮な印象だった。
(500文字)


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