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純粋すぎる生き方は、時に人を傷つける

2005年放送のドラマ
「女王の教室」が大好きで
何度も観ています。


タイトルは
天海祐希さん演じる
阿久津真矢先生の言葉です。

連続ドラマが放送された翌年

鬼教師 阿久津真矢の知られざる過去
愛と理想に溢れた天使のような教師が
悪魔のような鬼教師に生まれ変わるまでの
数年間の記録

というような触れ込みで放送された
スペシャルドラマの中で


教え子である神田和美ちゃん(志田未来)へ放ったひとこと。

純粋すぎる生き方は時には人を傷つけるものなの

この言葉
和美ちゃんに言ったと同時に
過去の阿久津先生自身のことでもあったんですよね。

昔の阿久津先生は
純粋で
まっすぐで
汚い世界を知らない人でした。

それゆえ
自分の価値観を人に押しつけてしまい
沢山の人を傷つけ
大切な人を不幸にしてしまいました。

(詳しくは是非ドラマをご覧になってください)

最後には
最愛の息子まで失ってしまった阿久津先生。

自分を訪ねてきた
教え子・和美ちゃんの姿が
そんな過去の自分と重なったのでしょう。

冷たく、悲しく
それでいてずっしりと重たく
鋭く胸に突き刺さり
ドキリとさせられるような言葉でした。




さて。
私は自分のことを
良くも悪くも純粋だと思っているのだけれど。

大学4年生の時の
ある日の日記です。

読みづらいですが
真ん中→下→上 の順で読みます。

私はこれからもっともっと、女であることで社会で生きづらくなったりするかもしれない。
見えてる世界がどんどん変わったり、このキレイな瞳がどんどん濁っていくかもしれない。
キレイな瞳では、生きていけなくなるかもしれない。

就職先も決まり
大学生活も残すところ半年となったこの頃。

今にも出てゆこうとする大人の世界が
とても汚くてしんどいものに見えていたんですよね。

そして
そんな大人の世界に
どうやっても染まっていけないことがしんどかった。
染まりたいとも思えないことがしんどかった。

具体的に何がというと
色々たくさんあるんですが

とりわけこの頃
芸能人や政治家の不倫報道が相次いでいたんですね。

この日は
中学のころうんとお世話になった
S先生とサシ飲みに行って
その話になったんです。

あの人たちは可哀想だよなあ。
表に出る仕事だから
あんな風にバラされて、叩かれて。

俺だって若い頃は色々あったよ、そりゃ。

っておっしゃったの。



それはとてもショックだった。


中学生のころ
生徒指導担当でもあったS先生は
服装やルールには誰よりも厳しくて
子どもたちから畏れられていた。

ダメなものはダメ。
ルールは守れ。

そうやって正しいことを厳しく教えてくれた先生が

まさかのここにきて
不倫肯定(?)発言。


やっぱり世の中って
綺麗ごとや道徳だけでは
生きていけなくなっちゃうのかな。

なんて塞いでしまいました。

好きって気持ちだけで付き合えるのなんて
学生のうちだけだよ〜
なんて言う飲み屋の大将

アバンチュールも恋のうちとか言っちゃう
バイト先の店長

外に彼女作っといたほうが奥さんと上手くいくよ
なんて抜かす先輩の職場の上司

これまで大人たちが教えてくれた
正しいこと、清らかなことが
もう通用しなくなってしまうのかと
これからどうしてゆけば良いのかと
不安だった。

もう純粋なだけでは生きていけなくなるんだろうなって怖かった。

誰かに
そんなことないよ
純粋でまっすぐな大人もいるから
大丈夫だよ
って、言ってもらいたかった。



この日から長い時間が過ぎて
少し(だいぶ?)大人になった私。

今でもやっぱり純粋だと思う。

すのちゃんってスレてないよね、ってよく言われる。
良くも悪くも。


でも。でも。でも。
そうは言っても揉まれた。
何に?
社会の荒波に。汚いものに。


そういう世界にも
ある程度折り合いつけて
割り切って
溶け込んでいかなくちゃって
けっこう頑張ってきた。

つもり。私なりに。


だけどね、だけどね。

私はやっぱり
青くさいって言われても
現実見ろって言われても
どこかに純粋な自分は残しておきたい。

長いものに巻かれて巻かれて
上手く立ち回って根回しして
表面だけ器用に取り繕う大人には
やっぱりなりたくないのです。
(恋愛面だけではなくてね。)



阿久津先生は
続くストーリーの中で
こんな言葉も残しています。


あなたのやっていることが本当に相手のためを思っているなら
あれこれ言い訳をしなくてもみんな分かってくれます。
あなたの愛を感じとってくれます。

分かってもらえなくても良いという覚悟ができます。


先生もそういう気持ちで私たちのことを教えてくれてたんだよね
ってことに気づいた和美ちゃんは

この日から少しずつ
前を向いて成長してゆくのでした。




「純粋であることと無知であることは違う」
というところで
私はなんとか懐柔し
一応の妥協点をみるに至っています。


キレイな瞳はキレイなままで。

けれどもそのキレイさを
相手に求めないこと。
誰かに押しつけないこと。

そして
こんな感じでも意外とやっていけてるよって
大学4年生の自分に言ってあげたい。


純粋すぎる生き方は時に人を傷つける。

このことに対する
今の私の精一杯の一応の答えです。



....なんだかとても抽象的で
分かりにくい文章になってしまいました。


ちなみに阿久津先生は
恋愛面の不純さを指した文脈で
この言葉をおっしゃったわけではありません。

女王の教室についても
また書こうっと。



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