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閉所恐怖症のはなし

狭くて閉じられた空間が苦手です。
なんだか逃げ場がない感じがして。
息苦しくて。


コレに気づいたのは
大学2年生の終わり。
ハタチの頃でした。


春休みの間
大学が主催するインターンシップに参加していました。

私が割り当てられたのは
給食の受託事業をやっている
地元密着の企業。

学生は3人ひと組のチームになって
約3週間毎日会社で勉強させてもらいます。

社内の会議に参加したり電話を取ったり
取引先にお邪魔したりイベントに参加したり。

なかなかハードな3週間だったけど
充実してた。


そんな中
地元の保育園の食育イベントに参加する機会がありまして。

講堂に集まった園児たちに

朝ご飯をしっかり食べようね
好き嫌いせずに野菜を沢山食べようね

なんてことを

社員の方々がお芝居を交えながら教えるんです。

イベントの最後には
「朝ご飯体操」だったか
「モリモリ食べよう体操」だったか
そんなような体操を
園児のみんなと一緒に踊ります。

そこで私たち大学生の出番。


漫画のキャラクターや
地元のゆるキャラに扮して
ステージに登場し
子どもたちと一緒に
音楽に合わせて体操をします。


この時に着た着ぐるみが
ちょっとだけ怖かったんですよね。


私が担当したキャラクターの着ぐるみは
頭の被りものの中が
外から見るよりうんと狭かったのです。

他の2人の被りものは
中が空洞になっていて
ひょいっと被るだけで軽そうなのに

私のは
内側に綿のようなものが縫い付けられていて
ぐいぐいキュッキュとやって
やっと頭がひとつスッポリ収まるような構造。

綿といってもふわふわしたものではなく
固くて丈夫な素材のものです。
中はキツキツです。


本番前
舞台裏で試しに被ってみると
頭を全方位から圧迫されているような感じで
周りの状況を確認しようにも頭が重たくて自由に動けなくて。

キャラクターの眼の位置にだけ
針であけたような小さな穴が幾つもあるけれど
自分の目の位置と全然合わないから
視界もほぼ無し。

息苦しくて
逃げ場のない感じがなんだか恐ろしくて
だんだん鼓動が速くなってきて。


「怖い....!!」
って思わず言っちゃって

引率の社員さんが
大丈夫?
と心配してくださったけど

他のキャラと交換して欲しいと言えなかった。


あれよあれよとお芝居は進み
あっという間に出番がきて

結局
うう、なんか怖いよう...
早く終われ〜...😣
と思いつつ
じっとり汗をかきながら
どうにか体操を乗り切りました。


これ以来
自分は狭くて閉じられた空間が苦手なんだ
と自覚しました。

ガソリンスタンドの洗車機
(車に乗ったまま入るやつ)
も圧迫感があって怖いし

したことないけどMRIもきっと苦手。

パニックを起こすほどではないし
日常生活に支障は全くないのだけれどね。


それで
この恐怖症について聞いた話があって。

それは
赤ちゃんのとき
お母さんのお腹から産まれてくる際の苦しさを
身体が覚えてるんだ、って説。

暗くて狭いおかあさんの産道を
一生懸命に進んで
赤ちゃんは出てくる訳だけれど

呼吸が出来なくて
苦しくて
怖くて
お母さんも命懸けなら赤ちゃんも命懸けで

そうやって壮絶な思いをしてこの世に産まれ落ちたことを
身体や脳が覚えてるって。

なるほどたしかに
そうかもしれません。


膝を抱えてまんまるくなる格好が落ち着くのは
お母さんのお腹の中にいた頃の姿勢と同じだから
っていうアレと同じ原理ですね。


あの着ぐるみの被りものは
母の産道を思い出させたのかも。

それゆえ
険しく
危機迫るような気持ちを想起させ
怖くなっちゃったのかな。

それほど
胎児だった頃のことって
遺伝子レベルで記憶されてる
ってことなんでしょうかね。



閉所恐怖症か
狭所恐怖症か。


すのの苦手なもののお話でした。

皆さんは
何か苦手なものや怖いもの、ありますか?





20〇〇年 3月3日


※閉所恐怖症のこと以外にも
何か大切なことを感じ取ったみたい。
そのこともいつか記事にします。

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