見出し画像

ビビッときた。

先日、友人が北海道を去った。
彼女が向かったのは中国地方。知り合いもいない土地で、これから彼女は新たな生活を始める。

彼女は前職で出会った数少ない同い年、私に推しのなんたるかを教えてくれた方である。
私が退職を決意する前から、彼女は仕事を辞めると決めていた。
訳あって私の方が一歩早く退職したけれど、それはまた別の話なので、懐にしまっておく。


なぜ北海道を出るのか。
住む場所を決める理由は人それぞれ。
やりたい仕事や親兄弟が近い、憧れの土地、もしかすると何かから逃げるためにそこを選ぶ人もいるだろう。
私の場合、今の土地にいるのは夫の実家があるから、というのが大きい。

そして彼女は…、


『ビビッときた』


かっこいい…!

彼女は旅好き、歴史好き、推しがいて、道内はもちろん、本州へも毎年旅行をしている。
そんな彼女が昨年初めて訪れた土地に『ビビッときた』そうで、旅を終える頃には『ここに住みたい!』と思ったと、熱く語っていたのは記憶に新しい。
推しの出生地であることはもちろん、街の景色や雰囲気、その場所で一瞬でもふれあった人たち…。全てが彼女の体中の細胞をざわめかせたんだろう。
その感覚を大切にして、その場所に移り住むことを決めてすぐさま動き出す彼女の潔さ。
改めて好きだなあと思った。


出発前日、不安はあると話しながらもキラキラ輝く彼女とご飯を食べ終えて、自分はどうかと振り返る。
『ビビッときた』ことはある。
それは、夫と出会った時。こりゃまた話が逸れてしまうので懐にしまって…。
生まれ育った場所はもちろん大好き。結婚していなかったら帰っていたかもしれないけれど、すでに生活していた実績があるから特別枠に埋め込んで…。
私も旅行は好き。
コロナ前は毎年一人旅をしていた。
全国は回っていないけど、『ビビッときた』土地はない。
もちろん、素敵だなあ…、まだ帰りたくないなあ…、もっと観たいなあ…、と思う場所はたくさんあったのだけれど、自分がそこに住もう!と少しでも行動に移したことはない。
ディズニーランドやUSJに住んでみたい!なんて思ったこともあるけれど、それはまだピチピチしていた頃だ。今は3日がちょうど良い気がする。3日目はパレード多めにしてさ。


だからこそ、住みたいと思える土地に出会えたことが奇跡のように思えてしまう。
そしてちょっと…、いや、とっても羨ましい。
キラキラして、全身から希望を発する彼女が羨ましくなる。

来年、彼女に会いにいく約束をした。
どんな彼女に会えるのか、ときめいちゃうな。行ったことのない土地でもあり、単純に旅行としてもすでに心が躍っている。

この記事が参加している募集

今こんな気分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?