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フランス滞在の記憶「η」ヨーロッパのひとり旅で頭に流れていたハクナ・マタータのこと

20代前半にヨーロッパをさまよった時に頭にいつも流れていた曲がある。

ライオンキングのハクナ・マタータという曲がでてくるのだが、独断と偏見で解釈をすれば、何がおきてもどうにかなるさ、心配ないという曲でこんな風に歌う。

"It means no worries  For the rest of your day"

まあ、そんなだったら良いのにと思うけれど。なかなか現実はうまくいかないことも。

パリにて。

当時地球の歩き方に載っていた安いけれどわりと安全な宿。2つ星くらいの宿。
当日CD全盛期で、CDが再生できる機器を宿に持ち込み、いくつかのお気に入りのCDも一緒に持ち込んだ。

小さな机のホテルフロントでは老人が

Voilà  (ワラと聞こえる)とワラ、ワラ、ワラと
常にいいながら、お釣りをくれたり、またエレベーターのない宿の上階まで荷物を運ぶ手伝いをしてくれたりした。

英語が微妙にしか通じなかったが、とても親切にしてくれた。

パリで行動を共にする予定だったグループは別の飛行機でパリに到着予定だったのだが、予定の時刻になっても待ち合わせのホテルには現れず。

自分とは違う宿泊予定のホテルの情報しか知らされてなかったので、そのホテルに出向き、まだ到着していないということは確認していたのだが、それ以上の情報がなかった。

国際ニュースの類いは見ていたが飛行機墜落などの情報はない。これ以上会えなければ、インターネットカフェでメールでもするかと、思っていた。


数時間後ホテルを訪ねてみるとまだ到着してないという。諦めて帰りかけたところ彼らがちょうどフロントに現れた。

トランジットトラブルで何時間も遅れてパリに到着したらしい。二度と乗り継ぎ便なんて乗りたくないと話していたことを思い出した。

だからそのチケットって安いのだよと、合意済みだと契約者からは判断されてるのだよと、、まあ、そういった類いの言葉を一旦飲み込み、大変だったね、と声をかけたような。

翌日同じホテルで朝食だけ一緒に食べる約束をして、そのホテルを後にした。

自分の宿泊するホテルに戻ると、ちょうどホテルのフロントの人が帰るところだった。

危ない、もう少し遅かったら閉め出されていた所だ。このクラスのホテルだとスタッフが24時間常駐というわけではない。

閉め出されていたらどうなっていたのかと。

ハクナマタータとはいかないこともある。

が、しかし、この歌が好きなのだ。

ハクナマタータ、良く覚えときなよ、
って劇団四季では歌っていたっけ。