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ツールドおきなわ2023 市民200km 156位

ホビーレースの甲子園と称される”ツールドおきなわ”、その中でもトップカテゴリーである”市民200km”に出場してきました。
ギリギリ完走レベル(足切りまで-5:00)のレースレポートになります。


目標

must: 完走
want: 50位以内
過去のレースレポートから、2回目のフンガワダム終盤まで先頭につければ取れる順位の目安が50位程度であったことから、上記の目標に決定した。

スペックと補給

当人

体重: 55.0kg, FTP: 240W
レース当日のCTL: 80, TSB: +22
CTL,TSB値はGolden Cheetahを用いた"Coggan方式"によるもの。

おきなわ出走後のログではGolden Cheetahが
”オマエのFTPは257W”
とおっしゃられていたが、本当のところは不明。

8-11月のトレーニングについては別項目で記載する。

8-11月のPMC

バイク

本番仕様の重量は7.3kg、パーツ構成は以下の通り。
・フレーム: LOOK 585 ultra
・ホイール: CADEX 42
・タイヤ: 
 F: SCHWALBE PRO ONE (4.1bar), R: MICHELIN Power cup (4.3bar)
・コンポーネント: R-8000系
 fc:52-36t, cs: 11-30t
・パワーメーター: 4iiii 片足計測
・サイクルコンピューター: Wahoo element bolt
・チェーンルブ: squirt

前日の天気予報からフルウェットになることは分かっていたので、空気圧はドライ時-0.3barに調整した。グリップが失われる感覚は一切なく、安心して下ることができた。
200kmも雨の中を走るとさすがにチェーンルブは多少流れたが、完走後も最低限はチェーンに残っていた。squirt優秀。

My bike

ウェア

レース当日4時の予報では7-9時まで本降り、その後曇りとなる予報だった。
気温が20度超あること、雨が1時間程度で止む予報であることから雨対策はワセリンを全身に塗ることのみとした。

結果的にはレース終了まで雨は降り続き、防寒対策不足が露呈した。昨年よりもDNF人数が多かったことから、機材・身体にとって過酷なコンディションだったといえる。

・サンボルトメッシュジャージ
・おたふく手袋メッシュインナー
・パールイズミビブショーツ
・パールイズミ夏用グローブ
・R×Lソックス
・SHIMANO RC7
・OGK kabuto R-2

補給

1,2回目のフンガワ後にある補給所では補給できないことが予想されたため、ボトルは多めにした。もし足りなかった場合は最終の慶佐次補給所で止まってでも取ればいいやと考えていた。

・ボトル
パラチノース80gをアクエリアス、OS-1に溶かしたもの計2本(750,950ml)
・フラスク
250mlのフラスクにmag-onレモン味8個
・固形物
羊羹の塩と栗を計5個 (コンビニに置いてあるサイズ)
・その他
アミノバイタルの赤を2個

本番では開始2時間で消化機能がほとんど終わっており、摂取できたものは

アクエリ 400ml、OS-1 300ml、ようかん5個、フラスク少々

計1000kcal弱を摂取した計算になる。OS-1は異常なまでに美味しい(身体が欲しているサイン?)神ドリンクだと感じたので、これから3時間超のレースでは全てOS-1にする。

トレーニング

エントリーを決意したのが7月だったが、事情があり9月中旬までほとんどトレーニングができずにいた。メンタルがやられている上に身体機能も著しく低下しており、9月中旬時点でのFTPは200W程度であった。

8-11月のPMC(再掲)

トレーニング再開時のCTLは30で、そこから10月中旬までTSB -30~-40程度で推移するように練習を積んだ。主なトレーニングは実走で、峠2,3本(10-20分)を含んだ70-100km程度のコースを走っていた。最終的にCTL 82 まで上げたが、体調を崩した10月下旬からはCTL維持に留まった。

10月19, 21日とハードなライド(当社比)を重ねた翌日、身体のだるさが異常にあったためレストを挟む。TSB値は-60⇒-20まで急回復させるが、レスト明けのライドで全く踏めなくなってしまった。焦らず低強度を数日積むと、10月28日にようやくレスト前の間隔を取り戻した。
個人差があるが、自分の場合はTSB-50以下が数日続くと危険であることを体感した。

ピークパワー(5,10,20,60分)は以下の通りで、10月頭から成長することがなく本番を迎えていることがわかる。
ピークパワーこそ成長はほぼしなかったが、高出力を繰り返す能力は練習を積むごとに伸びている実感があった。まさにロードレースで要求される能力であるため、やはり距離を積むことは重要であると感じた。

8-11月のAerobic Power

8-11月の走行ログ。一番乗った月で1270km, 50時間と切腹ものである。

1年間の月間別走行距離

前日と当日の動き

前日 11/11(土)

金曜は那覇で一泊しており、土曜から帯同する先輩と合流して受付に行く予定。
6:30 起床 朝ご飯に買っていたおにぎり4個とちゃんぷるを食べる
9:00 那覇空港着 送迎バスに乗ってレンタカーを受け取り、先輩を空港でピックアップ
13:00 会場着 途中スーパーに寄り移動中にもぐもぐしつつ、会場へ向かう。途中で名大の福原一家に会い、しばし談笑する。那覇-名護移動では宜野座ICで降りると羽地ダムの試走ができるので時間がある人はおすすめ。
15:00 車で試走 フンガワ-学校坂を試走する。
その後は先輩を宿に送り届け、22:00頃に就寝する。が、全然ぐっすり寝れなかった。

土曜日は雨に降られたこともありバタバタしてしまい、就寝時間が遅くなったことが反省点。可能なら金曜日から名護入りするのが理想。
富士ヒルのように会場近隣から食材が消えることを危惧していたが、全然大丈夫だった。普通に名護で食材調達できるしご飯屋さんもたくさんある。

昼食の沖縄そば (会場近くの新山そば)
夕食の焼きサバ定食

当日 11/12(日)

4:00 起床 朝ご飯を食べ、会場に向かう
6:00 会場着 バイクを先に並べ、屋根があるところで待機する。想像以上に寒く直前までレインコートを着たかったので、7:00前に荷物預けを済ませてバイクの整列場所へ戻ると、誰もおらず焦る。50km?で整列してる方の横を通らせていただき、200kmの列に整列する。3列前に名大の福原が見えて安心していた。雨が降りしきる中、前から10列目程でスタートの号砲を聞き、スタートへ。

レースレポート

天候: 雨、風: 北 4m/s、気温: 20℃

市民200kmのコースプロファイル
市民200kmの標高プロファイル

スタート ~ 1回目フンガワ

7:23にスタート。序盤の海岸線は概ねサイクリングで進む。スタート直後に逃げを試みた人によってペースがぐっと上がったが、問題なくクリアする。この時心拍が上がっているのに全く辛くなかったため、今日は調子が良いと感じる。

集団内で危ない人を確認しながら、快適に走れる位置まで上がっていく。位置を上げる際は上がっていく人にツキイチすることで、楽に上げることができた。

20km程を消化した地点で羊羹を1個食べるが、空腹の予感がしたためもう1個食べる。この時点で雨は強く降っており、固形物は早めに流し込むべきと判断し、羊羹5個は1回目フンガワまでに食べ切った。

途中の海岸線で強い横風&ペースアップで集団が縦に伸びる。幸い前20-30番手に位置していて仲切れは発生しなかったため、400W程度踏むだけで済んだ。
50kmすぎで恒例のトイレストップ。なぜかローテを回さない人によって追走集団内で謎の中切れが発生する。高岡さんが後ろに下がって「前追えよ!!!」と激を飛ばしていた。全くもってその通りである。ぎりぎり視界に集団が見えたので、自分一人で抜け出してさっさと集団に追いついた。トイレで止まっておきながら他人に運んでもらい楽する甘々な考えは勘弁してほしい。

その後は3人逃げ?が発生したようだがペースアップもなくフンガワへ向かう。

スタート ~ 1回目フンガワのデータ
Time: 1h52m, Ave Power: 163W, Ave HR: 165bpm, NP: 198W

スタート ~ 1回目フンガワのデータ

1回目フンガワ

右折からの左コーナーでフンガワに入った瞬間、一気にペースが上がる。ちらっとサイコンを見ると軽く6倍出ており、集中するために見るのをやめた。右端から福原が上がってきたので後ろにツキイチするが、入り口から13分程で千切れてしまう(NP: 275W)。その後もできる限り踏んで頂上を通過。前後には千切れた人達がパラパラといた。

1回目フンガワのデータ
Time: 18m34s, Ave Power: 261W, Ave HR: 193bpm, NP: 268W
power weight ratio: 4.87W/kg

1回目フンガワのデータ


1回目フンガワのStravaセグメント区間


先頭とのタイム比較

1回目フンガワ頂上 ~ 奥手前

ダウンヒルで後ろからInfinity Styleの水野さんが回そう!と声をかけてくださったので、集団に追いつくべく回す。福原のログを見ると先頭と1分差で頂上を通過していた。

下りは水野さんが速く、ラインをトレースすることで精一杯だったので登り返し~下りきって速度が乗るまで先頭で6倍を維持して回した。何度も「速い!」などコミュニケーションを取ってくださって、ほとんど返事ができず頷くので精一杯だったが非常にありがたかった。下りで引けなかったので水野さんは常に踏むことになってしまい、申し訳なかった。12分 NP: 250W程で踏み、先頭に無事合流する。
合流した際にも背中を叩いて「よく頑張った!」と言ってくださった。本当はゴール後にお礼を言いたかったが、お会いできず。

中継に映っていた自分と福原(右から3番目と1番目)
動画では31分あたり

https://www.youtube.com/watch?v=UXM_qyauZnM

合流してからはサイクリングペース。集団に合流した時点で脚は筋疲労的にあと1,2 本は踏める感覚だったが、体の芯が冷えており吐き気があった。奥に入る前でトイレストップがあったため、一緒に止まる。無事に集団復帰し、奥の登りへ向かう。

Time: 33m48s, Ave Power: 182W, Ave HR: 177bpm, NP: 223W

1回目フンガワ頂上 ~ 奥手前


1回目フンガワのダウンヒル

奥の登り

吐き気が収まらないまま奥の登りへ突入する。入りはフンガワよりも緩く、5倍程度。これならついて行ける、と思ったが3分程度で徐々にパワーが出なくなってしまい、集団が遠のいていく。心拍は190bpmにも達していないのに、なぜかパワーが出ない。奥の登りが終わればフラットな西海岸線で、絶対に千切れてはいけないポイントであることは理解していたが、身体が完全に止まってしまった。
最終的に4倍も出なくなり、頂上を通過する。
ここで既に体が限界であることを悟った。

奥の登りのデータ
Time: 11m13s, Ave Power: 231W, Ave HR: 185bpm, NP: 236W
power weight ratio: 4.29W/kg

奥の登りのデータ
奥の登りStravaセグメント区間

奥頂上 ~ 2回目フンガワ

西海岸線を150W程度で走っていたところ、後ろから市民200kmの第二集団が良いスピードで迫ってきたので乗る。ロードレース男子部の五郎さんが「行くよー」と声をかけてくださった。ここに乗らないと完走は無いと思い、気合で最後尾にツキイチする。レース当日の海沿いは横風がキツいこともあり、集団と単独では速度のノリが違った。フンガワ登り口まで集団で行く。

奥頂上 ~ 2回目フンガワのデータ
Time: 24m28s, Ave Power: 162W, Ave HR: 173bpm, NP: 171W

奥頂上 ~ 2回目フンガワのデータ

2回目フンガワ ~ ゴール

登り口で第二集団を見送り、150Wでひたすら進んでいく。登りも平坦も150W、平坦と下りはエアロフォームで最短距離を通って1秒でも速く。単独でもフォームに気をつければ平坦150W 30km/h程度で走れるので、パワーが出ない分他の要素でとにかくタイムを縮めることだけを意識した。

載せるのが恥ずかしいデータだが、戒め。

2回目フンガワのデータ ~ ゴール
Time: 3h15m, Ave Power: 132W, Ave HR: 157bpm, NP: 146W

2回目フンガワのデータ ~ ゴール

リザルト

156位
6:40:12、トップ+1:15:03、Ave 30.19km/h

公式リザルトより

ログ

Ave Power: 156W, NP: 189W
Ave HR: 165bpm, Max HR: 199bpm

ログデータ
W'bal
今まで調子が良い日でも-3.0程度、当日は当社比で絶好調であったことがわかる

総括

目標だった50位には遠く及ばず、ギリギリ完走156位という結果になった。練習不足、ウェアの選択ミス等反省点はいくつかあるが、何よりもリザルトを見てツールドおきなわ市民200kmの壁の高さを感じた。名前を知っている人達が多数リザルト1枚目から漏れており、ホビーレースの最高峰はこんなにも壁が高いのか、と。草レースと違い、全員がターゲットにしてくるレースは”マジ”なんだと感じた。

エントリーを決めてから、できる最善をつくしてきた。その結果、現在の自分は完走レベルであると分かっただけで大きな価値がある。

きっと、日々共に練習してくれたT-MIT自転車班の人達がいなければ、忙しい中共に沖縄出場を決意してくれた坂本先輩がいなければ、共にzwiftでワークアウトをこなし同じ市民200kmに出場してくれた福原がいなければ、この完走は無かった。仲間に恵まれて、本当に最高のレースとなった。

次に出るレースはまだ決まっていないけれど、またこの素晴らしい舞台に帰ってきたい。次はより高みを目指します!

一緒に参加してくれた坂本先輩、福原


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