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AI時代に(続編Part2)

私の知り合いの話であるが

彼女が働くファミリーレストランに導入されている配膳ロボット

猫型の見た目もありお客さまに大好評だ

しかし
料理をテーブルに置くことができないため
お客さまが自ら配膳ロボットから料理を取り出す必要がある

それもエンターテイメントのひとつかもしれないが
そのために起こるトラブルもある

ロボットからの料理の取り出し
それをやりたがる子供は多い

ある日
10歳くらいの女の子がハンバーグプレートの角をテーブルの淵にぶつけて料理をこぼしてしまった

お母さんに怒られて女の子が大泣きする家族のもとへ
彼女は大急ぎで駆けつけ声をかける
「大丈夫ですか?」

お客さまの申し訳ない気持ちを汲み取って
彼女は笑顔と温かい言葉で
お客さまに安心していただくことに努める

いつのまにか泣いていた女の子も笑顔に変わり
お客さまとスタッフが一つになった瞬間だ

そんな中
何もできずに
隣に立っている猫ロボットを見て
彼女は哀れに感じた

所詮は人間には敵わないロボット

彼女が感傷に浸っていると

ロボットが陽気な音楽を流しながら走り出す

その後ろ姿を見ていると
なんだか腹が立ってきた

あとでこっそり店の外に出して
『野良猫ロボ』にしてやろうと思った

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