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「エルマーのぼうけん展」へ行きました


立川のPLAY! MUSEUMにて、7月15日より始まった「エルマーのぼうけん展」に行ってきました。


のらねこから、どうぶつ島にとらわれたりゅうの子の話を聞いた男の子エルマーは、りゅうを助けに行く冒険の旅に出ます。
『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16匹のりゅう』の3冊は、時代を越えて愛され続ける児童文学の傑作です。
今回、数多くの貴重な原画や資料が、日本で初めて公開されました。

ボリスがお出迎え


今回の展覧会で面白いのは、エルマーの冒険を体験できるような展示になっていることです。
まずは、のらねこに見送られて船出する場面からスタート。

橋の上を歩いて
薄暗いジャングルの中へ

動物たちの声が聞こえてきたりして、気分を盛り上げてくれます。

待ち構えていたのはワニ

物語の中では、エルマーがワニに棒つきキャンディをあげながら、背中の上を歩いていって、川を渡りました。

ちなみに、写真奥に微かに見えている、床の上のオレンジ色のものは、エルマーが食べたみかんの皮(笑)

『エルマーのぼうけん』
原題は『MY FATHER‘S DRAGON』
(ぼくのとうさんのりゅう)


物語の始まりは、

ぼくのとうさんのエルマーが小さかったときのこと、あるつめたい雨の日に、うちのきんじょのまちかどで、としとったのらねこにあいました。

とあり、エルマーの息子が語っている設定なんです。
でも、2作目からはすっかりその設定が忘れられて、息子の存在は消え失せてるんですけどね(笑)


エルマーに前髪をリボンで
結んでもらったライオン
「おっほ、これはすてきだ。
あら、ほんとにすてきだ。」


今回の展示でいいなと思ったのは、お話に合わせて、さりげなく飾りがつけられていること。

葉っぱだったり…


小枝だったり…


おや、ここにはカナリヤの羽

他にも、棒つきキャンディやチューインガムまで。
お洒落な遊び心が楽しいです。


2作目の『エルマーとりゅう』
試作段階でも、すでに美しい!


とにかく仕草の可愛いボリス
「みえる、みえる、エルマーくん。
ほんとに、島があるんだね。」


しりたがり病にかかったカナリヤたちを
救い出したエルマー
みんなでお祝いします


りゅうに乗って空を飛ぶって
とんな感じなんだろう?


3作目の『エルマーと16びきのりゅう』
余白で様々な色を試し塗りしているのが
興味深い


「ぼくのうちへかえるんだ!」
りゅうは、よぞらにむかって、
うれしそうにさけびました。


ボリスの住んでいる
そらいろこうげんの山


ほらあなの中にかくれていた
ボリスの家族たち


手前のパネルを操作して
すべてのりゅうにスポットライトが当たると
特別な演出が始まります
ぜひ、お試しあれ!


作者、ルース·S·ガネットさんに関する展示もありました。

子どもの頃のガネットさん


10歳の時に書いた文集の表紙


新聞社に務めていたガネットさんのお父さんは、絵本『100まんびきのねこ』の作者、ワンダ·ガアグと仲よしだったそうで、遊びに来た時に、ガネットさんが話した物語を書きとめて、挿絵をつけてくれたのだそう。

なんとも贅沢な…!

そのワンダ·ガアグの友だちと、お父さんは再婚したのですが、それがガネットさんと同じ名前で、絵を描く仕事をしていたルースさん。
後に、『エルマーのぼうけん』の挿絵を描くことになります。


『エルマーのぼうけん』を出版した年に
25歳で長女を出産
その後、7人の女の子のお母さんに!


ガネットさんの作ったフェルト画


手作りのりゅうも!
愛嬌たっぷり


手描きの地図
本に載っているものとは
島の位置が逆になってます 


ダミー本の展示などもあって、どのように本が作られていったのか、過程が見られる貴重な体験となりました。


また「ぼうけん図書館」として、様々な方がお気に入りの冒険本を紹介。
手に取って読めるようになっているコーナーもありました。

例えば…

ヨシタケシンスケさんの1冊


junaidaさんと砂川昌広さんは
同じ1冊


展覧会の後はショップへ。
可愛いグッズがたくさんあって、迷います。

ポスターと
ボリスのぬいぐるみを衝動買い 

ぬいぐるみは、ぶら下げられるようになっていて、飛んでいる姿勢で飾れますよ。
ポストカードも数枚買ってしまいました。
あぁ、幸せな散財。


そして、もう一つのお楽しみはPLAY CAFEでのランチ。
私の中では、すっかり展覧会とセットになって定番化しています。

今回チョイスしたのは…

「ボリスのオムトマトハヤシ」

ちなみにハヤシソースは甘めの味つけ、ライスは味つけなしの白いごはん。
ナゲットが添えられていました。

隣の席に座っていた男子ふたり組。
片方の男子が嬉しそうに豪華なボリスのデザートプレートを食べていて、もう一人に「満足か?」と言われていました(笑)
お茶の時間だったら、私もこれ食べてたなぁ。


最後に…

今回の展覧会をきっかけに、久しぶりに3冊を読み返してみました。
すっかり忘れていたところもあり、新鮮な気持ちで楽しめました。
なにより、自分が生まれる前に出版されたとは思えないくらい、今読んでも生き生きとして、古臭さを感じさせない、ワクワクをくれる冒険物語です。 
時代が変わっても、子どもたちに喜ばれ読み続けられる本は、本物の名作ですね。

大人になってから読み返すと、子どもの時には気づかなかったことを発見したり、違う感情を抱いたりして、新たな世界が広がりますよ。
皆さんもよかったら、エルマーといっしょに冒険してみませんか?



ガネットさんの言葉より

「エルマーの物語を書いたのは、わたしでないの。わたしのなかの子どもが書いたの」

『「エルマーのぼうけん」をかいた女性
ルース·S·ガネット』 
前沢明枝 福音館書店より
(参考文献としても使用)




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