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「見上げた空は今日も青い」シーズン2

加々矢はいつものように会社の屋上へとやってくると、煙草に火をつけた。
見上げると、今日も青い空。
「……。」
上に目をやりながら、煙草の煙を吐いた。

俺は雪野をどうしたいんだ…?

一番の悩みがそれだと言うことに、最近気づく。
仕事をしていても、雪野が頭の中にちらつく自分がいて。
「…やさん、加々矢さん!!」
「!?」
「またどうかしたんすか?」
気がついたら、すぐ真隣に雪野がいた。
加々矢はチッと舌打ちをして黒髪な頭をかいた。
「…なんでもない。」
「そっすか。」

昼休み。青空。二人きり。
加々矢は煙草を携帯灰皿に入れながら、あの時のことを思い出す。

「…なぁ、雪野。」
「なん…んっ!!」
真横にいた雪野を、乱暴にフェンスへ背を向けさせる。そして乱暴に、一方的に雪野の唇を塞いだ。
「んっんぅ…!!」

俺は…俺は…!!

「…っはぁ、はぁ、はぁ…か、がやさん…」
「なぁ、雪野。俺ん家行かないか?」
「え…?」
「それとも、この場で続けるか…?」

昼休み。二人きり。そして青空。他の社員はやってこない。

加々矢には、止められない衝動が巻き起こっていた。

「行くぞ。」
「待ってくださいっ」
「なんだよ」
「他の皆さんに見つかったら」
「俺を誰だと思ってる」
「………。」

佐々木加々矢。
52歳。
印刷会社代表取締役社長。

そして

春風雪野。
20歳。
フリーター、この会社のまかない担当兼雑用係り。

「…お前を考えるだけでどうにかなりそうだ」
「それは」
「もういい、ここでする」
掴んでいた腕を離すと、すぐさま雪野を地面へと
押し倒して上から覆いかぶさった。

視線が絡みつく二人。
雪野はもう逃げられないだろう。

つづく。

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