リングフィットのダイマをします

幼少の頃より運動音痴、体育はもちろん嫌いで成績はだいたいドベ。それが私である。
大学生の頃には右膝が爆発した。普通に生きて歩いただけでこれなのだ。
原因は運動不足、というと簡単なのだがおそらく歩くことがくっっっっそ下手くそなのである。他の生き物と比べて人間は長距離を歩くことが得意だというが何故か私には当てはまらないのだ。人間ではないのかもしれない。

友人より「歩き方が独特だから後ろからでも誰だか判別できる」と、整体師より「なにか大きな事故で脚や骨盤を負傷したりしたか」など、薄々気がついていたがどうやら人生ゲームスタート地点かそこからほど近い場所で脚に不具合を生じたらしい。なんだか左右で脚の長さが違う気がする、と思うこともしばしば。まあ生まれつき脳味噌が欠損しているので脚にも何かしらの欠陥があるのかもしれない。まあ個性だとすんなり受け入れている。
ただしこれは右膝が爆発した際に行き着いた結論で、それまでの学生生活における体育や運動は絶望一色であった。

さて、最近リングフィットアドベンチャーをプレイしている。結論から言うと学生時代の運動は全部これが良かったなぁという感想である。私が大嫌いな「走る」という行為。これはゲーム内ではサイレントモードをえらぶと屈伸運動が「走る」というコマンドに代わる。ゆったりとした屈伸はジョギング、早い屈伸はダッシュというように換算される。
本来の「走る」という行為とは違うのかもしれないがこれが結構気持ちが良い。きちんと汗もかくし、汗をかくと運動した気持ちにもなれる。ついでに走行距離も出る。こんなに走ったのかと本当に驚く。
オンラインに繋いでいないので他者との比較もない。ただひたすら今までの運動ができない自分が肯定されていく。日頃の運動不足がたたってすぐに筋肉痛になってしまうがそれもまた運動したという実感につながる。

完走できるかはさておいて、できれば体育や運動が苦手な人にやってほしいゲームだなと思った。なんなら体育が嫌いな小中学生にはもってこいな気がする。
念の為膝のサポーターをつけながらプレイしているが「走る」という行為に対して少しばかり苦手意識が無くなってきている気がする。
自己肯定感の低い自分が嫌いな運動で汗ビッチョビチョになると少しだけ自分を褒めたくなる。多分そういうところが筋肉は鬱に効くなんていう話になっているんだろう。

ただまぁ嫌いな上司を捻り潰すのが一番効く気がするので筋肉を作り上げるのと同時に心に忍者と極道のシグマ君を住まわせておくのが一番いいのだろう。有難ッス…オレ会社辞めます。
いつかはあんなふうに会社を辞めてみたいものである。

(終)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?