地球の歩き方 「モスクワ」
モスクワ
・ロシアの首都
・人口は約1268万人
・冬には最低気温で-40℃まで冷え込むことがある
ケイスケホンダこと本田圭佑がその昔、CSKA(チェスカ)モスクワというクラブチームに所属しており、個人的に、モスクワといえば本田圭佑が頭に思い浮かぶ。
シベリア鉄道の終点であるモスクワ駅を降り、タクシーに乗って「赤の広場」へと向かった。
その道中、モスクワの中心都市を車窓からながめていたが、くすんだような景色だったという印象がある(気候的なことも理由としてあったと思うが)。ビルも立ち並んでいたが、派手さというか鮮やかさが感じられない都市だった。
10億ドル以上の個人資産を持つ大富豪が世界的に見ても多いそうだが、パッと見た感じ、そんなふうには思えない。表現としてよくないが、発展途上国の都市のようだった。
そして、ガタイのいいコワモテのタクシー運転手が、ひまわりの種のようなものをしょっちゅう口に入れながら運転をしていた。いや、ギャップよ。ひまわりの種は、ハムスターが食べるもんだと思ってたから。
目的地にしていた「赤の広場」とは、モスクワの都心部にある広場である。
クレムリンやワシリイ大聖堂、レーニン廟など、重要文化財が集中している場所なのだが、例によって例のごとく世界史に疎いので何がすごいのかさっぱりわからず、「あっ、綺麗だな」と小学生のような感想をもって観光していた。
赤の広場というと、共産党カラーを思い浮かべてしまうが、ロシア語で赤というのは美しいという意味もあって、名前の由来はそこからきているらしい。たしかに赤って、妖艶っぽさや情熱を秘めた美しさがあるよね。
かつては社会主義体制の聖地だったそうだが、ソ連が崩壊したあとは商業的な利用もされている。2003年には、ポールマッカートニーがコンサートをここでやったらしい。
僕が訪れた時は、パレードみたいなことをやっていた。屋台も並んでいて、お祭りのような雰囲気だった。お金を節約しないといけなかったので、ここでは何も食べなかった。
人波にもまれながら赤の広場を回っていると、自分も、旅行を共にした友達も、疲れ切った表情をしていた。シベリア鉄道に1週間乗り続け、しかもろくなご飯を食べてなかったツケが回ってきたみたいだ。
せっかくモスクワまでたどりついたのに、赤の広場の外れにある、どこにでも見受けられそうなベンチに座り込んでしまった。
バックパッカーって、思ってるよりハードだな。
しかも、旅費もかなり削減しているから、快適なんて言葉はどこにも見つからない。そして、この旅もあと2週間つづく。
もう日本に帰りたい。
遠くから聞こえてくるパレードの音。
夕日に照らされる噴水。
こんな旅はもう二度とできないかもしれないと思うと、不思議と笑みがこぼれてきた。
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