あっ、養老孟司
友達の引っ越しの手伝いをしており、その後、例のいつもの大学のカフェみたいなスペースに行って、作業することにした。
入口を抜けた瞬間、見覚えのある白髪のおじいさんが遠目に見えた。そして、あの優しくて深みのある声。
えっ、養老孟司じゃね。
そんなはずがない。こんなカフェみたいな場所で、講演なんかするはずがない。
しかし、どう考えても養老孟司の声だ。いくらモノマネが上手い人でも、あの声は完全に再現できない。
ん。入り口を少し入ったところにあるポスターに目が止まる。
養老孟司という名前。「生物多様性」というテーマで講演。
えっ、ほんとうにあの養老孟司やん。
事前に予約が必要だったみたいで、席は全て埋まっている。
僕は今、この講演とは関係のない遠くの席で、この文章を書いている。
ホワイトボードに何かを書いているが、場所が離れすぎていて、文字が読めない。
ジェスチャーしながら話しているのはわかるが、声もしっかり聞き取れないぐらいに遠い。
隣接している、パンケーキを食べられる店から流れてくるBGMのほうが音量が大きい。Vaundy!もっと、声量を落として!!
だめだ。聞こえない。盗み聞きできないというわけか。
それにしてもめっちゃいい声だよな、養老孟司って。あの声はずるい。どんなめちゃくちゃなことを言っても、納得してしまいそうだ。
あっ。さっきは立ちながら話していたのに、今度は座って話している。あの白髪頭もかっこいいよな。僕も将来、あんな知的な爺さんになりたいな。
てか、養老孟司って、86歳なのか。僕のおばあちゃんより2個年上じゃん。その歳で、あんなに頭はたらくのって、なんでなんだろう。日頃から頭を使って、鍛えているからなのかな。
そういえば、養老孟司を肉眼で捉えたのも、今日が初めてだったかも。運がいい。
友達から「引っ越しの荷詰めが終わらないから手伝って!」と助けを求められ、そのついでにこの場所にきたわけど、友達の引っ越し準備がもっと早く終わっていれば、この場にはいなかった。
こういう偶然が、幸運に繋がったりするのは不思議。ありがとう、友達。引っ越しの荷造りが遅れたおかげで、養老孟司を見ることができたよ。
それと、養老孟司を遠目に見ながらnoteを書いたことがあるのって、僕を除いて他にいるのだろうか。もしかして人類初?
それに養老孟司も、まさかこんな若造が遠くで、あなたのことをネタにnoteを書いているとは思いもよらないでしょう。
この様子がバレるもんなら、お前はバカだと言われるだろう。こんなところでコソコソ文章を書いているなんて。バカの壁だ。
それにしても、あの風貌といい、名前といい、声といい、ほんとカッコいいよな。
ん。
またホワイトボードに文字を書き始めたが、あいかわらず見えない、、、
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?