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《引退》川田騎手が日本競馬史上、最強の馬だと評したイクイノックス。其れに対する或るオッサンの見解《懐古厨・独断と偏見なんで鼻で笑って下さって全然OK !》

号外が出た、国民的名馬の引退劇

イクイノックスが引退した。  
号外まで出たようで、まさにディープインパクト以来の、国民的名馬だった《ハイセイコーオグリに比すれば一般層への認知度はかなり劣るだろうが》

そして更には、業界内からの史上最強との断言。

そう、先日のJCにおいて、こちらも史上最強牝馬の呼び声高いリバティアイランドにてイクイノックスに挑み、完敗を喫した川田騎手が、その異次元の強さをこうまで評したではないか! 

《イクイノックスは現代日本競馬における「答え」であり「日本競馬史上、最強の馬」》※netkeibaより引用


この記事を目にした時、真っ先に浮かんだのは、ディープインパクトが無敗の三冠を達成した菊花賞のゴールの瞬間の、馬場アナの絶叫だ。


《世界のホースマンよ見てくれ!これが日本近代競馬の結晶だ!ディープインパクト!!》


恐らくは川田Jも、知らず知らずの内にこの競馬史に残る名調子を意識したのかもしれない。
確かに、イクイノックスこそが現代の日本の競馬においての最良な《答え》だと、筆者も激しく同意する次第である。
では以降、その理由について触れてみたい。

今の日本の馬場で勝つ為には、武豊とSSが築いた《後方待機→折り合い重視→一気の末脚》というスタイルはNG

現代の、東京競馬場をはじめとする日本の競馬場の高速馬場においては、今秋のイクイノックスの勝ち方こそが《川田騎手の言う通り》まさに理想であり、到達点と言えるのではないだろうか。

  1.  ペースを問わず、逃げ馬を先行して追いかけ、中団馬群より前に付ける。

  2.  遅くとも直線半ばまでには逃げ馬を交わす。

  3.  楽々と前をかわし、後続を引き離す。

  4.  これが可能なら、不利などのリスクがほぼない。

最近はあまり言われなくなったが、理想的な競走馬を表すに際し、

《テン良し、中良し、終い良し》
 
というものがある。

要は、スタート後、すぐに好位置を取り、道中はその好位で折り合い、最後の直線で弾けるーーー。

いわゆる《岡部乗り》に対応し、その上で後ろを引き離し楽勝できるルドルフタイキシャトルなどのレーススタイルが、まさにそれにあたるわけだが、ただ、そんな岡部騎手が引退し、武豊騎手の天下となったと同時に、これまでの常識は過去の物になってしまった。

時は平成。

デビュー後、続々と重賞を勝ちまくる、異様な瞬発力を持つサンデーサイレンス産駒たち。

それと引き換えに、気性に難のあることが多いサンデー産駒を折り合わせる為、位置を取らずに《こだわらずに》後方に馬を下げ、それでも直線、凄まじい後方一気を決めてしまう武豊騎手。

《サンデーサイレンス×武豊》

その《勝利の前提》とも言える組み合わせが、日本競馬から《テン良し》の価値を奪ってしまったと、筆者は分析する。つまり、とんでもない後方からでも、普通に勝ってしまう武豊とSS産駒が、日本人騎手全般に《安易に位置取りを下げてよい》ということを刷り込んでしまったのだ→本当か?w

無論、馬混に入れられない気性だから仕方がないというケースも数多くあるのだが、それでもーーー。

あなたが《年単位で》毎週馬券を買い続ける馬券師であるならば、好発を決めているにも関わらず、なぜか意味不明に位置を下げ、4コーナー、既に勝負圏外にいる軸馬の鞍上《日本人騎手》に、声を荒げたことが1度はあるはずだ!→俺だけか?w

その挙げ句、馬群に突っ込み進路がないーーー。

有名なとこでは、横山典弘騎手の

《ポツン》という自傷行為

があるが、アレを《名物》だと笑えるほど、筆者は裕福でも温厚でもないw
ちなみにヨコテンが今のような頻度で《ポツン》を始めたのは大御所になってからで、昔はもう少し控えめだった。

はっきり言って好走に繋がらないポツンなど、騎手が絶対にしてはならない、ただの暴挙に過ぎないと個人的には思う。

ただ昨今、日本の競馬は劇的に変わった。

世界の超一流騎手の来日と《彼らは高確率で勝負になる位置を取る》馬場の質の向上。特に馬場の高速化は、シンガリ一気という戦法を、劇的に少なくしてしまったような気がする。

例えば、昨年《2022年》のジャパンカップを思い出して欲しい。

芝で覚醒し、かなり後方から外を回して重賞ウィナーになったヴェラアズールを、中団より前の内《いわゆる勝負になる位置》で我慢させ、最後の直線、まさに神技のような騎乗で馬群を抜けさせたムーアを見てしまえば、そりゃ、調教師や馬主の意識も変わろうというものだ。
※個人的には、福永パパの皐月賞《ハードバージ》に並ぶ神騎乗だったように思う。

トラックバイアスやペースを超越するほどの、イクイノックスのような怪物ならいざ知らず、状況次第で勝ち馬が変わる現代の競馬においては、勝つ為の位置取りや進路取りができない鞍上だと、心底、話にならないのだ。

トラックバイアスと、前が絶対的に有利な高速馬場でのイクイノックス

特に、開催中盤までの小倉や中山、中京などで頻繁に起きる現象だが、今の日本の馬場は、とにかく前が止まらない。

《前に行ったもん勝ち》

無論、ずっとではないが、そんな期間がままあるように感じる。更には、開催が進むにつれ、顕著になる様々なトラックバイアス。

《今の◯◯は内が全く伸びない》
《今週あたりから外差しが効くようになってきた》

ダートと芝、距離の細分化が整備されただけに留まらず、最近は、馬場やコース形態まで細分化され、馬のレース選択に考慮されるのだから、予想する方としては大変である。

《パンパンの良馬場で、直線に坂のない左回りコースが、この馬の好走の条件》

他馬の多くがこんな調子だからこそ、どの競馬場の、どんな状況でも勝ち続けたイクイノックスは、《最強》と呼んで差し支えがないのだ。

高速馬場の東京2000mを差しきり、翌年は同条件をスーパーレコードで先行抜け出し。
同じく東京2400m、1度も馬体を並べられることなく最強牝馬2頭をちぎって完封。

ドバイ2400mでは、世界の強豪を相手に、まるで公開調教、ムチも使わず逃げきり、離して楽勝。

阪神では凱旋門賞4着馬を相手に、最後方近くから、大外一気の差しきり。

そして中山2500mでは、ディープインパクトの引退レースと酷似した、圧勝のひとまくり。

これこそがまさに、本来の、本当の意味での強い馬ではないか!!

では、イクイノックスが日本競馬史上最強の馬かと問われれば、それには懐疑的な筆者である。
なぜなら、その《本当の意味での強い馬》が、昔はゴロゴロ居たんだもの!

そもそも昭和の時代の競馬の映像をYouTube等で観ていただければ分かるが、当時の冬の競馬場の芝などは、冬枯れした上に土煙が舞う、もはやダートのような状況であったwww

そんな昭和最後の年、今の高速馬場の質とは比べようもない東京の芝コースで行われたジャパンカップにおいて、世界レコード《2分22秒2の衝撃》を叩き出したのは、南半球から来た牝馬と、日本の、地方出身の馬であった。 
※イクイノックスのJC勝ちタイム《2分21秒8》より、遥かに価値のある0.4秒遅れだと思う。

しかもその地方出身馬は、その前週のマイルCSにて、最強マイラー・バンブーメモリーを、壮絶な末脚でギリギリ競り落としたばかりだったのだ。

つまり、G1の連闘!!

マイル→2400mの、G1を連闘しての、世界レコードである《汗》

この地方出身馬こそが、世に名高いオグリキャップであり、彼の追撃をハナ差凌いだニュージーランドの牝馬が、ホーリックスである。

偶然にも、共に芦毛のこの2頭が現代の高速馬場のジャパンカップを走っていれば、本当にイクイノックスは、楽勝できたのだろうか?

そして付け加えるなら、そのオグリキャップを天皇賞秋で寄せ付けなかったタマモクロスも、南井騎手《後の怪物・ナリタブライアンの鞍上》の《跨がった中での最強》というコメントから、最強候補に不足はないのである。

・・・というわけで、いかにも人によって見解が割れそうなテーマで書き進めてきてしまったこの記事なんですが、それでも筆者の中で、凄く明確に答えが出ている最強カテゴリーがあります。

それは、最強牝馬のランキング

と言っても順位が明確にはっきりしている、というわけでは全くなくて、要は、

《アーモンドアイが最強ではない》

ということが言いたいのだ。
ついては持論があり、すなわちそれは、獲得賞金や持ちタイムでは、馬の強さははかれない、ということに繋がるわけです。

では以降、その持論にお付き合い下さいませ。

日本競馬史の最強馬論争の対象になる馬は、できれば天皇賞・春に対応する、競馬場や馬場を問わない本当に強い馬であって欲しい。

アーモンドアイが牝馬3冠達成後のJCで叩き出したスーパーレコード《2分20秒》は、確かにとてつもないインパクトだった。

ただ、今にして思うと、現代の東京競馬場の高速馬場においては《逃げ馬のペース次第では》ある一定以上の一流馬であれば、凄まじいタイムって、意外に普通に出せると思うんですよね。

そうだな、言うなれば、古い競馬ファンなら理解してくれると思うのですが・・・。

例えば秋華賞を圧勝し、返す刀で挑んだJCで、あのデットーリシングスピール《騎手は世界一、馬もワールドスケール》と壮絶に競り合い、惜しくも2着に破れた当時のファビラスラフィンが、もし、現在の東京の2000~2400mを《ハイペースを追走する展開で》走破すれば?

あくまで筆者の個人的な感覚ですが、それほどアーモンドアイと、差のないタイムが出るようにも思うのです。

無論、先日《同じく玉砕ペースの逃げ馬が引っ張る》JCを勝利したイクイノックスでさえ、アーモンドアイのスーパーレコードには及ばなかったわけですから、ルメールがいつも繰り返す通り、彼女がとてつもない牝馬である事実は動きません。

ただ、やはりお父さんの血なのか、原因は定かではありませんが、4歳暮れの中山競馬場2500m、有馬記念でのあの惨敗が、筆者はめちゃめちゃ引っ掛かるわけです。

JCと有馬記念。

距離差は僅かに100mにすぎないが、そこには《中距離で速い脚を使える一流馬》を阻む厚い壁があるように思えませんか?

だから牡馬混合の中山2500mを惨敗したアーモンドアイは、筆者の中では、確実にダイワスカーレットより下となるわけです。というわけで、多分に感覚も含まれるのですが、最強牝馬十傑と、史上最強馬十傑を記して、この記事を終えようと思います。

筆者の最強牝馬ランキング 《全てベストの状態のピーク時能力》

  1. リスグラシュー

  2. ダイワスカーレット

  3. ヒシアマゾン

  4. ブエナビスタ

  5. ジェンティルドンナ

  6. アーモンドアイ

  7. リバティアイランド

  8. ウォッカ

  9. エアグルーヴ

  10. クロノジェノシス

異論はバッチリ認めますがwww
1位に関してだけは、正直なところ、過小評価も極まっていると思います。

宝塚記念→コックスプレート《豪》→有馬記念

この3戦をぶっこ抜いたんですよ?
特に引退前、完成された彼女の実力は、まさに史上最強牝馬に相応しいと思います。

筆者の史上最強馬ランキング《全てベストの状態のピーク時能力》

  1. エルコンドルパサー

  2. イクイノックス

  3. ナリタブライアン

  4. ディープインパクト 

  5. シンボリルドルフ

  6. グラスワンダー

  7. タマモクロス

  8. オグリキャップ

  9. アグネスタキオン

  10. キングカメハメハ

エルコンとイクイノックスはほぼ互角の評価ですが、2着の凱旋門はともかく、JCの際、寄れる最強2頭、エアグルーヴとスペシャルウィークを尻目に、悠々と抜け出すあの姿が忘れられません。

ブライアンは思い入れwあとダービー制覇時、ルドルフの調教師だった《ミスター競馬》野平さんが、

《現時点ではルドルフより上》

と、異例の発言をしたインパクトもあります。っていうか、当時の強さは《神の馬》ラムタラと比較されるレベルで、怪我なくピークで現役をすすめていれば・・・と、ファンとしては悔いが残ります。

グラスワンダーはスペシャルウィークを軽々と引きちぎった宝塚記念の衝撃が凄まじかった。

アグネスタキオンは2歳時に、ジャンポケとクロフネを子供扱いしたレースに寒気を覚えたから。

キンカメは数多の名馬を知るアンカツが、《騎乗馬の中でベスト》と公言しているからです。

さて、あなたのイクイノックス評はいかに!?

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