Sota0502

短編小説かいてみます。 就活中の大学生です。

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記憶

なぜ都会の夜はこんなにも美しいのだろう。 窓からは斑に光るビルの灯りが夜の街を照らし、ビルとビルの間にはウィンカーを点けたタクシーが数台停車している。わざわざイルミネーションを見に行かなくても、安価なビジネスホテルからのこの景色で十分だと思う。 夜も更けてくると、昼間よりも都会は生き生きとして見えた。そんな美しい人間の営みを眺めていたはずが、いつの間にか窓に映る自分自身を見つめていた。残念ながらそこに映る自分の顔は美しくはなかったが、そうして自分を見ているうちに、 ふと、あ

    • 困ったような顔をして、いつまでも君の流れに身を任せていたかった。海岸に立ち、遠く水平線を見つめる僕は、君の力に圧倒されていた。 毎日、僕の波は静かで、しかし隣の波は騒々しい。 時にはその騒音に眠れなくなることもあるけれど、僕と同じような人が他にもいると思うと、少しだけ気が楽になった。 海辺で一人、溺れかけている男を見たことがある。彼の口元には水が迫っていて、心配になった。できれば助けに行きたかったけど、君も知っての通り、それは難しい。 彼も待っているのだろう。 それが彼