モテない故に、マッチングアプリはほとんどインストールしている。中でもチンダーに力を入れている。
チンダーはヤリモクが多いと聞くが、田舎だからかわたしだからかわからないが、そういう誘いは一切ない。なんなら途中で連絡は途切れるし、若い子のほうへ行ってしまわれるし。
そういう奴ら逮捕できないかなって考える時もある、自尊心壊滅罪で片っ端から捕まえたい。

そんなマッチング弱者のわたしだが、昨日ようやくマッチした方とお茶をしてきた🪽

🤍2024.02.06 某喫茶店
お会いする方 ⚡︎ 山手線さん(35才)
マッチング / 営業 / マッチ棒似 / 顔のみバキ童さんのコピペ

早めに到着しpixiv閲覧。毎回「1000user入り」で検索をし、見境なく巡回する。

到着5分前に山手線さんが登場。
入り口からわたしの座っている席はかなり近いのに小走りで来てくれた。情熱的だ。

「こんばんは、仕事帰りにありがとうございます」

わたしは好印象を与えるために優しく声を掛けた。山手線さんは「ｽﾐﾏｾｯ、、、」とぶっきらぼうに呟き、着席した。
マッチングアプリではまあまあいい感じのラリーがあったのに現実ではコミュ障のぶつかり合い。「ｧ、、、」「ﾊｲ、、、」と言った喃語が交差する。

こういう時に明るく朗らかに話せる人、尊敬する。
31年間処女でなおかつ男友達もいない独身は、男との話し方を知らない。
しかもこの太文字を普通のサイズに戻すやり方もわからない。

ひとまず注文が終わり、さあ何を話すかと頭をフル回転。
けれどまず初めに、モテ女テクをかましてやろうと口を開く。あるサイト曰く、「わざと会う時間を短くして、相手に話し足りないと思わせる。そうすれば次回の約束を取り付けようとしてくる」と。

「今日は会えて嬉しいです。でも明日は早いから1時間半くらいで出なくちゃいけないんです、すみません。」

文字にするとただの冷たい女だということがわかった。モテ女の断り方例文をちゃんと読んでくるべきだった。

山手線さんはiPhoneで時間を確認して「わかりました」と了承してくれた。その後2人揃って水を飲む。
「息が合うねいえーい！」と心の中で盛り上げながら、やけに早く減っていく水をぼんやりと眺めた。

「休みの日、ドライブしてるって言ってましたよね」

まさかの山手線さんからラリーを開始してくれた。嬉しい、ありがたい。

「そうなんです。運転好きで。山手線さんはドライブされますか？」
「僕はどちらかと言うと助手席に座って盛り上げ役をします」

意外だ。失礼だが本当に意外だった。どちらかと言うと物静かだと思ったのに。

「え！いいですね、どんな感じで盛り上げるんですか？」
「うーん、ゲームとかしたり」
「ゲーム？例えば」　
「山手線ゲームとか」
「あー！いいですね、私も好きです」
「おっ、じゃあご飯が来るまで山手線ゲームしますか」

ご飯が来るまで山手線ゲームしますか
わたしは冗談だと思った。まさか喫茶店で、初回お見合い中に山手線ゲームを提案するだと？
こいつ、焦ってやがる。会話するネタがないからゲームに持ち込む気だ。
普通に恥ずかしいしいやだ。
でもわたしの半笑いに勘違いをしてしまったのか喫茶店内にリズミカルな手拍子が響き渡った。

「山手線ゲーム！せーの！猫の種類！」

しかも難易度高い。わたしでも答えられるお題じゃないのかーい！と思いながら小さな声で渋々と返していく。

「三毛猫！」
パンパン！(手拍子)
「ｸﾛﾈｺ、、、」
パンパン！(手拍子)
「白猫！」
パンパン！(手拍子)
「ﾁｬﾄﾗ、、、」
パンパン！(手拍子)
「ブリティッシュショートヘア」
パンパン！(手拍子)
「ﾌﾞﾁ、、、」

うろ覚えだが、最初の方はこんな感じでまあまあ続いた。この手拍子は山手線さん。わたしは絶対に手拍子をしなかった。
終わらせたい！そんな一心で「あー、もうわかりません笑」とわたし楽しんでますよ、と取り繕いつつ負けた。

「難しかったですか？そしたら次のお題は何にしましょう？」

周りの嘲笑うかのような視線が痛すぎて、「山手線さんって猫詳しいんですね。好きなんですか？」と会話に持ち込む。
これ絶対に処女VS童貞の戦いだ。互いの、異性に慣れてない感じがひしひしと伝わり合っているはずだ。

「僕、猫ちゃん大好きで4匹飼ってるんですよ」
「え！初耳です！」
「アプリで話しませんでしたっけ？」
「聞いてないです〜そうなんですね、猫ちゃんの写真見たいです！」
「これです！」
「かわいいー！何歳なんですか？」
「確か3歳かな？処女婚活さんは猫好きなんですか？」

なんだろう。常にお互い質問系の会話になる。
深掘りもしないし広げられないから、質疑応答の形式ばった会話になる。ギャルだったら「今度家に行って猫見してよ！」とふっ軽を発揮するんだろうが、わたしは無理だ。

料理がようやく到着。長かった、と思いながら料理を口に運ぶ。会話はなく、目線は料理。
気まずいなあ、、、2回目に会うとしても精神的に疲れそうだ。あと共通の話題がないから天気の話しかできないぞ。

でも初めて会った人間とはこういうもんだ。友達でもそうだもん。日々会って挨拶して、小さな会話や同じ時間を共有することで会話する材料が集まるんだ。盛り上がるのは本当に相性がいい人だけ。
がんばれわたし。経験を積むんだ、31歳時間もないんだぞ。

「もしよければご飯食べた後ドライブしませんか？山手線ゲームでもしながら」

でも山手線さんで経験値を稼がなくてもいいと思う。きちんと経験値が得られる方に時間を使った方がいいんじゃないか。
山手線ゲーム上手くなりたい時だけ山手線さんと会えばいい。

「ごめんなさい、明日早いから、、、」

こうして帰宅したわたし。
色々思うところがあるが、まだ判断するのは早い。
生きて仕事して、欲を言えば身長が170㌢あればいい。そう思いながら山手線さんに今日はありがとうございますメッセージを送ろうとアプリを開く。

するとマッチが解除されていた。

とんだけ山手線ゲームしたかったんだよ！と悲しみに満ちた体を労わりながら槇原敬之聴いて寝た。

次回のデュエル（街コン）は２月下旬！

それまでにメイクのお勉強💄💎