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今日の妖怪

今日は特に何も書くことがないので、前に五徳猫を紹介したような感じで妖怪のことに触れてみる


うわん



夜道に古い家の近くを通ると

「うわん」

という声がして人を驚かせる妖怪


「うわん」と叫ぶ以外には何も分からない正体不明の妖怪

昔、青森でお金を持っている夫婦が借金による夜逃げした者が住んでいた屋敷を購入した
その屋敷は古く、蝙蝠などが住み着いている不気味な屋敷だった

夜中になると屋敷中に響き渡る声で「うわん」と何者かが叫ぶ怪奇現象が続いた
夫婦は眠ることもできず、「うわん」に悩まされた

近所の人にこの事を話してみたが、そんな声は聞いていないという

その話しを聞いた古老が

古い屋敷には「うわん」という妖怪がいる
お前たちが聞いた声はその「うわん」だろう




塗仏(ぬりぼとけ)



昔はどこの家にも仏壇があった
そして昔の人達は仏壇を大切にしていた
だが、中にはそうじゃない者もいる

仏壇は金箔を張り漆を塗っているのだが、ちゃんと手入れしていないと、駄目になってしまう
手入れできていない仏壇に対して祖先の霊は自ら仏壇を手入れするために塗仏として出てくるのだという

鳥山石燕の図画百鬼夜行では、塗仏を仏壇と結び付けて描いてあるが、そのように描いてあるのは鳥山石燕だけで、実際は何の妖怪なのか不明である


猫又山



越中(富山県)の黒部峡谷に現れた妖怪
元々は富士さんのに住んでいる富士権現に仕える老猫
源頼朝が狩りをしていたときに、狩りだされた猫又が兵士を食い殺してしまった
怒った富士権現が猫又を追放してしまった
やむえず黒部峡谷に移り住んだ

それからも猫又は地元の人々を殺害して回り、困り果てた村人達が代官に頼み猫又狩りを始めた

しかし猫又に対する恐れで狩人達は誰も猫又退治ができなかった

すると何故か猫又は黒部峡谷から姿を消してどこかに行ってしまった
村人達に平穏がおとずれ、その黒部の毛勝三山を猫又山と呼ぶようになったという

毛勝三山(猫又山)



山爺



土佐(高知県)の役人
春木次郎という人の日記に山爺に関するものがのっている
山爺とは簑のようなものを着ており目1つ足1つの老人
山鬼のことであるという

山爺は土佐の山中に住んでおり、大きな目を光らせ歯は猿の頭ですら大根のように食ってしまうという

基本的には山姥よりおとなしい
だが、家畜や子供をさらい食べてしまうなど恐ろしい妖怪の一面もある

人に手なずけられ狼などを追い払ったり
モロコシの種を人々に与えたり
人の心を読むこともできたり

恐ろしい存在の山姥と違いなかなか、チャーミングな妖怪である


とまあ適当に妖怪を紹介してみた
京極夏彦の百鬼夜行シリーズによると妖怪は当時の科学と同じだという

訳の分からない物や現象に対して一定の説明をつける存在
当時の人々は頭が悪いから妖怪などを信じるのだ、という批判は的外れなのだ

今回紹介した妖怪は正体不明が多かったが、
正体不明だと気持ち悪くモヤモヤする
だからその現象に名前と姿を与える
それが妖怪なのだろう


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