2023年に掲載していただいた作品から10首

  ☆2023年に掲載していただいた歌の中でも、自分が好きな歌、10首です。

レシートでパンパンになったお財布を外階段で君に見せたい  (東京歌壇 東直子さん選)

なわとびはいつも隣でしてました こっこ卵を産まなくなった  (文芸選評 穂村弘さん選)

ばあちゃんがシャンソン歌手になったのは琥珀にハマったあとだったっけ?   (短歌ください)

素麺を力を合わせ片付ける ときどき喋る 素足に9月  (文芸選評 永井祐さん選)

ちぎれてもきちんと私ちゃんと雲 屋上でエスパーを語った  (東京歌壇 東直子さん選)

ファスナーの噛んでしまった洋服は呼び捨てにされた時も着ていた  (文芸選評 大森静佳さん選)

この春のあいだに捨ててゆく部屋で深夜ラジオにメールを送る  (クローズアップ現代 東直子さん選)

つまらないレジュメの空いたスペースが猫を描けってささやいてくる  (文芸選評 小島なおさん選)

蟻地獄ふたりで探す夕暮れは闇へ明日も会う夏休み  (短歌ください)

スピリチュアルの本を立ち読みする僕の耳に一発屋のラブソング  (東京歌壇 東直子さん選)

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