見出し画像

条文をしっかり読もう!

 今日は条文をしっかり読んでほしい!という一例を簡単に紹介します。最近長めの記事を書いているので今日はサクッと1テーマです。

今年の司法試験刑事系の刑訴の問題はもう解いているでしょうか?解いていない方はまず解いてみてください。予備試験の方も是非。

 この問題で,差し押さえの関連性についての理解を問う出題がされました。具体的に言うと,犯行の背景にある暴力団の関係者の名刺を被疑者の名刺で差押らるのか?という問題です。結論として,令状記載の名刺である点,実行犯が組織犯罪をほのめかしている点などを考慮すれば,関連性あり差押できるとなる問題だと思います。

 ここで私が言いたいのはこの結論に至る根拠条文です。正答としては令状執行に関連する222条1項99条1項となると思います。しかし,予想以上に多くの答案が218条を摘示しているのです。

 そもそも,218条は捜査機関が裁判所に令状を請求し許可を出してもらう規定です。そのため,令状の執行場面ではなく,請求場面となります。何を当たり前のことを言っているのだと思う方もいるかもしれませんが,ここを意識して条文の文言を読んでいる方が少ない,少なくとも私が見た再現答案では,という感想を抱きました。しっかり条文を読めば,主語が捜査機関になっており,裁判所がどうするか,という記載になっているので文言を引っ張る際に読めばわかるはずです。

 さらに言えばこのレベルの条文操作は事前に用意しておくべきでしょう。222条は刑訴が誇る悪文です。引用関係をすべて覚える必要はないと思いますが,何がどう引用されているのかしっかり確認しておくべきです。刑訴の条文構造が特殊なつくりになっていることから生まれる弊害ではありますが,捜索差押はよく出る分野ですので条文を事前に丁寧に読みどのような場面に関する規律なのか?理解しておく必要があると思います。

 こうした条文の文言からすれば想定している場面は違うのに。。。ということはほかの科目でもよく思いますので,しっかり読みこんでほしいと思います。

 以上,深夜のボヤキでした!!


よろしければサポートお願いします!いただいた費用は新規の基本書の購入,子供のものを買う,奨学金返済などなどに回していこうと思います!