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ドラマの照明ってどんな感じ?①照明スタッフの構成

テレビ業界で働くプロ照明マンのゆーふぃるです。

まず初めのnoteとしてドラマの照明について綴っていきたいと思います。

前提として、ドラマの照明といっても撮影する組(チーム)によって作り方は全然違ってきます。

カメラの機種や設定、映像のトーン、1カメor2カメ、スタジオorロケ、話の内容、予算による規模感などなど色んなものが関わってくるので

一概にドラマの撮影はこうしている、というものは言えません。

というか本当に場合によりけりなので、無いんですよね…

なので、あくまで僕の経験や手法、こんな事を考えながら作ってますみたいなものをお話しできればと思っています。

映像業界以外でこれを読んでくださっている方は、ドラマ撮影のウラ話的に読んでみて、

次なにかドラマを観る時に、すこーしだけ照明の事も気にしながら観ると、また違ったおもしろさが発見できるかもしれません。

関係ある業界の方は、ふーん君のとこはこんな感じでやってんのね…くらいの軽い感じで楽しんでいただければ幸いです。

ドラマ撮影に関わる人たち

まずドラマを作る上でどんなポジションの人がいるのか。

撮影自体に主だって関わる人たちだけでこんな感じで、さらに車輌部やエキストラさん、スチールさんや宣伝部、メイキング班などから、現場には直接関わらない編成や営業、デスク陣などなど非常に多くの人が携わっています。

その中で、ここでは照明部について掘り下げていきますね。

照明部について

照明部の中のトップ(責任者)は照明技師(しょうめいぎし)やLD(ライティングディレクター)
などと呼ばれます。

ドラマや映画、CMやMVの場合は照明技師と呼ばれる場合が多いです。
省略して技師(ぎし)と呼ばれたりしますね。

いっぽう普通の地上波テレビなどの照明の責任者はLDと呼ばれる場合が多いです。

これが舞台照明の場合は照明デザイナーと呼ばれたりしますが、意味合い的には全て照明部を統括するポジションの人です。

地上波ドラマなどの場合は、その下に照明助手がだいたい2名〜4名ほど付きます。

助手の人数は予算や規模によりけりですが、レギュラーで2、3名、大規模なナイター(夜の撮影)はさらに増員というパターンが多いです。

さらに助手の中でもチーフ助手に当たる人が、技師からの指示を受けて、他の助手に指示を出しつつ現場を回して実際に照明を作りあげます。

技師が思い描くライティングを、なるべく効率よく実現するのが助手の仕事です。

技師とチーフ助手の息が合っていないと…なかなか現場がスムーズにまわらず、照明待ちがたびたび発生してスケジュールも押してきて…という悲惨な状況に…

・現場とベース

中規模以上のドラマ撮影をする場合、現場から見切れない少し離れた位置に監督用、録音部のミキサー用、DIT/VEと照明用などのモニターを並べて映像、音を確認するベースと呼ばれる基地を設営します。

NiTROさんのホームページより画像引用
こちらでVE(ビデオエンジニア)ベース
について書かれています

照明技師も現場について機材をセッティングしてお芝居の段取りを確認したら、テストや本番などは基本的にこのベースで映像を確認します。

照明助手たちは照明技師がプランしたライティングを、現場で撮影するカットごとにその都度ライトなどを動かして細かく調整して実現していきます。

照明技師はベースでモニターを通してテストなどを確認して、OKなのか修正が必要なのか、機材などの見切れはないかなど確認してトランシーバーで助手に伝え、各部の体勢が整ったら本番。

本番がOKならまた次のカットの準備をして、テストして確認→本番の繰り返しです。

このあたりは照明技師やそのチーム自体によってやり方、撮り方は全然違うと思うので、あくまでひとつの例です。

ベースがない場合や助手の人数が少ない場合、または照明技師のタイプによってはバリバリ前線に出て、技師自身が指示を出しながらやる場合も全然あります。

照明助手の仕事

先ほどもふれましたが、照明助手が複数いる場合はその中にメインとなるチーフ助手がいます。

例えば照明技師+助手3名の場合。

とりあえず現場についたら機材を降ろして、みんなで使用するであろう機材を組み立てます。

その後お芝居や動き、カット割りの確認などをして、照明技師がこの時はこういう明かりにしたいなどチーフ助手と打ち合わせします。

その後1カット目の準備にとりかかるので、チーフ助手主導のもとセッティングします。

現場で仕切っていくのはチーフ助手になるので、とっても大事なポジション。

カメラのそばで画角を確認しつつ、ライトなどの置き場所や強弱などを他の助手へ指示してセッティングを組み上げつつ、他の部署ともコミュニケーションを取りながら技師のイメージに合った明かりを作っていきます。

セカンド、サードの助手は機材を設置したり、必要なものを機材置き場へ取りに走ったり、次必要になるものを準備したり、手が空いたら不必要になったものを徐々に片付け始めたり…などなど。

どんな仕事でも必要だと思いますが、コミュニケーションが本当に大事です。

撮影はチーム戦です

照明部の中はもちろん、他部署とも意思疎通をはかりスムーズに現場がまわるようにみんなで協力して撮影に臨んでいます。

照明部の中ではOKが出ているのにそれを周りへ伝えなければ、照明部まだ何かやってんのかな…と無駄な待ち時間が発生する場合も。

OKなら照明OKです!
手直しが必要なら1個直します!
大規模に修正が必要なら、すみませんちょっと時間かかるのでお楽にお待ちください!など状況報告する事は大切です。

あと必要なのは周りへの配慮と安全意識。

ロケで場所をお借りしている場合や路上での撮影などは本当に気を付けています。

危険なことはしない、なるべく邪魔にならないように気を遣う、点字ブロックは塞がない、対向車が来るような路上ではライトで眩しくならないように角度に気を付けるなどなど…

SNSなどでもテレビ局の横柄な態度が問題になる事が度々起こりますが、場所をお借りして撮影させてもらっているという意識を忘れてはいけません。

私は通行される方に何してるの?と聞かれた場合は、
すみませんちょっと撮影でお邪魔してます。
〇〇なので良かったらまた見てください〜!

など、(相手の雰囲気を見つつ)なるべく愛想良く対応するように心がけています。

そしてとにかく撮影でなにより大事なのはライティングどうこうよりも「安全」です。

事故やトラブルなどが起きたらそもそも撮影できなくなってしまったり、放送できなくなってしまうなんてこともあるかもしれません。

ドラマに限らず撮影は安全第一ですほんと。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
次回は照明技師についてもう少し掘り下げてみる予定です。

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